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本陣殺人事件 の商品レビュー

3.8

185件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    77

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2025/01/13

金田一耕助が初登場した回。 犯人の動機は現代の感覚では納得できないもので、当時の価値観を理解できるか否かで評価が分かれそう。(当時としても異常性が高い動機だが) また、他に中編が2作収録されているが、中でも『車井戸はなぜ斬る』は出色の出来。 これらの中で描かれる陰湿さや田舎の因...

金田一耕助が初登場した回。 犯人の動機は現代の感覚では納得できないもので、当時の価値観を理解できるか否かで評価が分かれそう。(当時としても異常性が高い動機だが) また、他に中編が2作収録されているが、中でも『車井戸はなぜ斬る』は出色の出来。 これらの中で描かれる陰湿さや田舎の因習、土着的要素は後の作品にも繋がっているかのように思えた。

Posted byブクログ

2024/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

金田一耕助デビュー作 時代/舞台がザ・昭和で単語や文化を咀嚼するのが中々難しい...。 内容についてもこれまた時代か凄くドロドロしてます。 ノンフィクションっぽい書き方は凄く新鮮で面白く、他のミステリーを引用して 読者に挑戦する姿勢を感じる。しっかり短編含めて騙されましたけど...。 密室・日記調・顔のない屍体と様々なテーマが使用されており、型にはめない工夫を感じてこれも読者への挑戦を感じて読みごたえがある。 最後に、今は新装されたみたいだけれど、杉本一文の表紙が素晴らしい。 作品の雰囲気をしっかり表現している。

Posted byブクログ

2024/12/18

 金田一探偵の華々しいデビューである、本陣殺人事件と他2編の小説が描かれています。どれも魅力と謎に溢れていて普通に楽しく読めました。相当古い小説ではあるものの、まだまだ色褪せない名作といった感じです。

Posted byブクログ

2024/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

密室殺人事件 処女じゃないからって狂った旦那が自殺する話 人物描写がもう少し面白かったら良かったなと思う

Posted byブクログ

2024/09/18

横溝の中でもベスト3に入れたい大好きな作品。もはや何度読んだことか… 何を書いてもネタバレになりかねないので、ここでは名作であるとしか言えません。 「車井戸はなぜ軋る」と「黒猫亭事件」の二作品も収録されてますが、この二作品がまた名作。

Posted byブクログ

2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

テレビ放送があれば必ずと言っていいほどみているけれど、文章で読むのは初めて。書かれた時代に比して、読みやすさに驚いた。小学校の頃ハマった江戸川乱歩・少年探偵シリーズなどは、もっと読みにくい印象だったけれど…。某私立大学を中退後、渡米。麻薬中毒になりかけたものの、ある事件を解決し、そこで得たパトロンの出資で大学を卒業、帰国後、更にしれっとパトロンに全額出資させ、探偵事務所開設…という金田一耕助の経歴も初めて知る。 収録の『本陣殺人事件』『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』には、いずれにも、恥、体面、自尊心、名誉、長男の面目、末弟の鬱屈、劣等感など、昭和初期に特に色濃かった価値観が強く事件に影を落とす。 猜疑心のスパイラルが生む悲劇を描く『車井戸はなぜ軋る』は、金田一耕助の活躍はほとんどないものの、私の中では(テレビで見ている限り)殺人事件をゲームのように楽しむ言動が不謹慎な印象の金田一耕助の、意外にも、思いやり深さを感じられる作品。

Posted byブクログ

2024/09/17

中編と100ページほどの作品が2つ。 長くないけど面白く読めた。 タイトルの作品は金田一初登場作品。 残りの2つにも出てきます。 タイトルと「黒猫亭事件」は映像化されてる。

Posted byブクログ

2024/09/01

「本陣殺人事件」江戸時代から続く宿場本陣の旧家一柳家。その婚礼の夜に新郎新婦が離れ座敷で血まみれになって惨殺されていた。金田一耕助初登場の作品。密室殺人のミステリー講義もあり面白い。 「車井戸はなぜ回る」は、急成長遂げた本井田家と没落していった秋月家を中心に、男女の愛や嫉妬や憎し...

「本陣殺人事件」江戸時代から続く宿場本陣の旧家一柳家。その婚礼の夜に新郎新婦が離れ座敷で血まみれになって惨殺されていた。金田一耕助初登場の作品。密室殺人のミステリー講義もあり面白い。 「車井戸はなぜ回る」は、急成長遂げた本井田家と没落していった秋月家を中心に、男女の愛や嫉妬や憎しみが交差してこの中では一番面白い。 戦地から帰還した兄は本当の兄なのか?疑心暗鬼の家族の葛藤が描かれ読ませてくれます。 2024年9月1日読了

Posted byブクログ

2024/08/25
  • ネタバレ

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『獄門島』から金田一耕助のデビュー作へ。 本陣殺人事件、車井戸はなぜ軋る、黒猫亭殺人事件の三作が収録されており、特に前二作にはかなりの衝撃を受けました。 ちなみに『獄門島』を読んでいる時から、地の文の”私”は誰なのだろうと確証が得られなかったのですが、「黒猫亭殺人事件」を読んで納得。作家であるYこと横溝先生が、知り合いの金田一から伝え聞いた話……という体裁を取っているのですね。 「本陣殺人事件」は、前々からあらゆるミステリーランキングで目にしていた作品。 横溝先生は人物を魅力的に書き上げるのがうまく、賢蔵と克子の婚礼の儀を読みながら、このまま誰も殺されることなく、普通の小説として読んでみたいなぁなんてことも思い浮かびました。 なので、金田一によってあれが他殺ではなく自殺だったと明らかになった瞬間は、まるで世界がひっくり返ったかのようでした。 そして動機についても、あぁそれなら仕方ないか……と納得。もちろん今の時代に照らし合わせると理解はできないのですが、そこに至るまでの数十ページの描写で、すとんと腑に落ちるほどの人物の作り込みがされていましたから。 私はミステリーをエンタメとして楽しんでいるので、事件が起きることも、集まってくる証言や証拠も、謎解きもすべてパズルのピースがはまっていく感覚で読み進めています。 だからつい忘れがちなのですが、人が他人の命を奪うのにはそれだけの理由があるのです。それを、横溝作品を読んでいるとまざまざと思い知らされる気がします。 ところで、『アクロイド殺し』をはじめ、海外の有名ミステリーへの言及があったのにはヒヤヒヤしました。 ネタバレは踏まなかったものの、こういうことがあると、内外問わず有名な作品にはできるだけ触れておかないとと思いますね。笑 次の「車井戸はなぜ軋る」はかなりずどんと来た作品。なかなか感想を言葉にするのが難しい……。 あえて表現すると、もし私が物書きを志す人間だったら、この世にこんな作品があることを知ったら自分の才能なんてと投げ出していたと思うんですね。 それくらい、疑心暗鬼に陥っていく本位田家の荒んでいく様や、それを書簡に綴る妹の健気さ、そして真相のやるせなさには、強く打ちのめされてしまいました。横溝先生は女言葉で書くのもうまいんだなぁ。 最後の「黒猫亭殺人事件」は人の入れ替わりがちょっと複雑。誰が誰だ?と混乱したまま読み進めました^^; ただ、パトロンの銀造さんもそうでしたが、金田一さんが意外と知り合いが多くてどこの現場でも溶け込めてしまうのがなんだか微笑ましかったですね。風間さんにはぜひ再登場してほしい。 ということでだいぶ長くなってしまいましたが、『本陣殺人事件』にも唸らされっぱなしでした。 もうすでに胸がヒリヒリする読書体験なのですが、横溝先生の激重作品はまだまだこんなものじゃないとのこと。びびりながらも、次の作品へと手が伸びつつある私なのでした〜。

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2024/08/10

初、横溝正史。 クリスティー攻略本で何度も横溝正史の名前が出てくる。「横溝正史はクリスティーを愛好していて作品が相似している」と書かれているので読みたくなった。 作中で作者である横溝正史が、あることを読者に説明するのに、「アガサ・クリスティー女史の『○○』から学んだのである」と...

初、横溝正史。 クリスティー攻略本で何度も横溝正史の名前が出てくる。「横溝正史はクリスティーを愛好していて作品が相似している」と書かれているので読みたくなった。 作中で作者である横溝正史が、あることを読者に説明するのに、「アガサ・クリスティー女史の『○○』から学んだのである」と語っていた。 作中で名前まで出してるー!突然クリスティーの名前が出てきて何だか嬉しかった。 トリックの使い方や名家一族みんなが何かを隠していて怪しい感じは、クリスティー作品から影響を受けているのかなと感じたけど、横溝正史初心者の私にはそこまで似ているかどうかわからなかった。 『本陣殺人事件』が1番好きだった。 おどろおどろしい雰囲気に謎の不審者の存在が気になり、一気に心を掴まれた。 1946年なのでクリスティーと同じ年代なのに、クリスティーの作品では絶対にあり得ない動機で、当時のイギリスと日本の文化の違いも面白く感じた。 Audibleにて。 次のAudibleは迷いに迷って、『ストーンサークルの殺人』に決めた。 以前に少し聴いたけど、グロが苦手なので途中でやめていた。ブク友さん達の評価も高いので再挑戦。

Posted byブクログ