夜歩く の商品レビュー
題名の「夜歩く」、事件の被害者である夢遊病を持つ一族を指しているのだろうが、決定的な絶望と苦悩、憎悪と嫌悪を抱き、計画を進めてきた真犯人の、最後までの暗い道のりをも暗示しているように思えた。
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推理小説家である“私”の語りで進められる。前半は東京、後半から岡山の鬼首村が舞台となり金田一耕助が登場する。 ある旧家の人々を中心にストーリーは展開するが、何かしら、精神的に病んでいたり身体的に疾患があったりして、魅力を感じたり共感できたりする登場人物がいない。トリックもこの時代...
推理小説家である“私”の語りで進められる。前半は東京、後半から岡山の鬼首村が舞台となり金田一耕助が登場する。 ある旧家の人々を中心にストーリーは展開するが、何かしら、精神的に病んでいたり身体的に疾患があったりして、魅力を感じたり共感できたりする登場人物がいない。トリックもこの時代ならでは…。
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金田一耕助シリーズ、けっこう時間がかかってしまった。佝僂病やら気狂いやら、なかなか今の時代では見なくなってしまった言葉だけど、個人的には今の時代の方が汚いものや見たくないものに蓋をしすぎているとも感じているのでむしろ清々しい。 脱線してしまったが、なかなか金田一耕助が出てこないので飽きてしまいそうになっていた。 最初、語り手の三流小説家が今までに出てきた小説家だと思っていたが、読み進めていくとどうやら違うらしい。なるほど。 正統派というよりは変化球に近い。 次は正統派がいいな。
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私が単純なのだろうけど、見事に騙されて爽快な読了感。 とはいえ、クリスティのアクロイド殺しと構造はそっくりな叙述トリックなので賛否が分かれるとおもう。私は好き。信用できない証言・記載されていない行動より更に悪い、行動に関して完全な嘘が吐かれているのは推理小説のトリックを解いてやろうとおもっているタイプの読者には、すごく卑怯に感じるかもしれない。
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★★★☆☆ 3.3 この叙述トリックは卑怯だろ、ってのが正直な感想。あんまり意外で最初は理解ができなかった。金田一耕助シリーズ。
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戦後間もない頃の、旧家の殺人事件。登場人物がどいつもこいつもどこかしら病んでいて、これだよ~~とわくわくしながら読み進める。金田一は中盤からしか登場しないけど、相変わらずの好人物で和む。 まったく予想してなかった終章の展開には興奮した。久しぶりに好みにドストライクぶっささる本を読...
戦後間もない頃の、旧家の殺人事件。登場人物がどいつもこいつもどこかしら病んでいて、これだよ~~とわくわくしながら読み進める。金田一は中盤からしか登場しないけど、相変わらずの好人物で和む。 まったく予想してなかった終章の展開には興奮した。久しぶりに好みにドストライクぶっささる本を読んで、満足です。 この本、近所のダイエーの本の交換所コーナー(読み終わった本3冊→1冊に交換できる)で手に入れた本です。こういうのに出会えるからやっぱ読書は最高だな。
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主人公は探偵小説家。終始この男性の一人称で物語は進みます。横溝正史の小説で一人称で書かれているものは珍しいのではないでしょうか。 探偵小説家の友人の妹宛に不審な手紙が来たことから、恐ろしくなった友人は、探偵小説家に、彼の屋敷に来てくれるように頼むのですが、そこで恐ろしい殺人事件が...
主人公は探偵小説家。終始この男性の一人称で物語は進みます。横溝正史の小説で一人称で書かれているものは珍しいのではないでしょうか。 探偵小説家の友人の妹宛に不審な手紙が来たことから、恐ろしくなった友人は、探偵小説家に、彼の屋敷に来てくれるように頼むのですが、そこで恐ろしい殺人事件が起きてしまいます。それも首なし死体の…! その殺人には、絶対に取り出せないように厳重に金庫に保管していた刀が凶器として使われたのでした。ここのトリックは、私は全くわかりませんでした。 後半、金田一耕助が登場したところは驚きました。今回は、探偵小説家である「私」が主人公なので、金田一耕助は登場しないと思っていたのです。 結局、金田一耕助が犯人もトリックも見破るのですが…。 佝僂(くる)やら夢遊病やら、なんだかあんまり馴染みがないものが沢山出てきたので、それほど現実味が感じられませんでした。
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さまざまな精神、肉体的疾患を持った人が旧家に集まるなか殺人事件が発生。犯人だけでなく被害者探しも重要なポイントかと思って読んでいたら、終盤はまさかの展開。ドラマなどで話が広まる前に自分の目で読むのがおすすめ。
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奇妙な襲撃事件・何者かに狙われてる美女・歴史ある旧家の異様なキャラクターたち……といつもの金田一ものではあるけれど、金田一が出てくるのは物語のほぼ終盤である。一人称が作家であるパターンは、金田一ものではまああるのだが、この作品は終盤(本当に終盤)で、思いもよらない展開を見せる。 ...
奇妙な襲撃事件・何者かに狙われてる美女・歴史ある旧家の異様なキャラクターたち……といつもの金田一ものではあるけれど、金田一が出てくるのは物語のほぼ終盤である。一人称が作家であるパターンは、金田一ものではまああるのだが、この作品は終盤(本当に終盤)で、思いもよらない展開を見せる。 それに心地よい驚きを覚えるか、アンフェアと感じるかは人それぞれかもしれない。ただ、個人的な感想は「苦しいな」という感じ。 きっとこのトリックありきで物語を作ろうとしたのだけれど、伏線らしきものがなかった(と思う)。終盤で説明はしてくれているが苦しいのだ。それを見破る金田一の見解もあまり大したことはしていないというか……。そのためミスリードされたというよりは、無理やり引っ張られてきた印象なのだ。 とはいえ、首のない死体や死んだはずの殺人者など魅力的な謎が畳み掛けるスピードは早く、普通に面白いミステリーとは言える。
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横溝さんのセリフの言い回しがすごく好きで、昔風の発音で書いてあるのもよかったです。 テンポもいいですね。 ストーリーは序盤はあまり人物的魅力を感じない人が多く出ていたこともあり、いまいちでしたが…舞台が鬼首村に移って金田一が出てきた辺りからなんとなく面白くなってきた印象。 最後の屋代と直記のシーンが一番よかった。 屋代と八千代という名前が似ているはずっと気になっていたので、やはり伏線だったんだな、と。
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