悪魔が来りて笛を吹く の商品レビュー
私が横溝正史が一番好きな作家、というのは高校生の時にこの『悪魔が来りて笛を吹く』を読んだから。 昭和時代の作品ということもあり、日常的に使わない言葉や、華族なんかが出てきたり、探偵小説あるある、登場人物が多くてなかなか読むのに手こずった思い出がある。 最後まで読んだ時、得も言われ...
私が横溝正史が一番好きな作家、というのは高校生の時にこの『悪魔が来りて笛を吹く』を読んだから。 昭和時代の作品ということもあり、日常的に使わない言葉や、華族なんかが出てきたり、探偵小説あるある、登場人物が多くてなかなか読むのに手こずった思い出がある。 最後まで読んだ時、得も言われぬモヤモヤ感が胸につかえ、それが何とも心地よかったことを覚えている。 自分語りの感想となりました。
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初横溝正史。 有名な題名なので。 どこからともなく聞こえるフルートの音色、殺人、火焔太鼓。怪しげな事件が起こり、最後まで真相が見えないところにワクワクした。読者が真相に気づけるものではない気がする。 戦後で登場人物の経歴(戦火で焼け出された、復員してきた、ヤミ市など)に時代性があ...
初横溝正史。 有名な題名なので。 どこからともなく聞こえるフルートの音色、殺人、火焔太鼓。怪しげな事件が起こり、最後まで真相が見えないところにワクワクした。読者が真相に気づけるものではない気がする。 戦後で登場人物の経歴(戦火で焼け出された、復員してきた、ヤミ市など)に時代性がある。 結局菊江は何者だったんだ。
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横溝正史が扱う素材としておおいのが、昔ながらも家制度、そして近親者で家を守り、継承しようとする旧体制、近親者同士の結婚やそれがもたらす災いや苦悩である。 本書も、旧伯爵家、子爵家にまつわる近親者による交わり、その子供らによる苦悩が殺人事件の根幹に底流する。
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犬神家の一族みたいに途中いろいろああじゃないかこうじゃないかと登場人物が推理する場面や読者の考えつきそうなことを挙げてみたりと考えながら楽しく読めた 読むにつれてドロドロした辛い話になっていくのでメンタルがやられたけど
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あらすじ程度は覚えていたので映像では見ていると思います。タイトルのインパクトはすごいですね。おどろおどろしさだけを記憶に残していましたが、細かい部分が想像以上に痛々しく、犯人にうっかり同情しそうになりました。血が呼ぶってこういうことなのでしょうか。途中で箍が外れてしまったのか、意...
あらすじ程度は覚えていたので映像では見ていると思います。タイトルのインパクトはすごいですね。おどろおどろしさだけを記憶に残していましたが、細かい部分が想像以上に痛々しく、犯人にうっかり同情しそうになりました。血が呼ぶってこういうことなのでしょうか。途中で箍が外れてしまったのか、意図の違う殺人にまで走ったのが悲しかったです。曲の秘密が最後に明らかになったときは衝撃を受けました。だからそんな特別な音色だったのですね。とても悲しい話ですが私はこの雰囲気も緻密に計算されたストーリーや描写もとても好きです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
金田一耕助のもとに椿美禰子という女性が依頼に訪れる。 彼女は世間を騒がせた天銀堂事件の容疑者であった椿英輔の娘であった。 容疑をかけられた後に失踪し、遺書を残して自殺。 その密告をしたらしき者は身内にあるらしい。 そんな中、椿子爵が生きているという幻想にとりつかれている母が子爵らしき人物を実際に見かけた-本当に父は生きているのか? 金田一は美禰子に招かれ、椿邸を訪れる。 そこで訪れる悲劇とは。 ***** ドロドロ。 旧華族の面々がずらり、どの人物も皆腹に一物ある雰囲気。 悲劇の人物として、椿英輔子爵。 彼の妻、年齢よりも若く見え、美しいあき(火に禾)子夫人は伯父や兄に倣うかのように子爵を見下していた。 そのために、彼女は子爵が実は生きていて、怨みを晴らしに来るのではと恐怖にとりつかれることになる。 身内では娘の美禰子だけが父を敬い、心配し、その死を悲しんでいたんだろう。 起こる事件はどれも恐ろしく、金田一のキャラクタで緩和されるもひやっとするものばかり。 それ以上に事件の発端となった出来事の裏は怖かった。 犯行を暴かれてもなお動じず、肝が据わった犯人を生みだすことになった過去の悲劇。 罪のない女性や、その子供が犠牲になるということは悲しかった。 ヒロイン?美禰子の芯の強さは救い。
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散らばっていた謎が全て回収されて行く気持ち良さは圧巻。横溝作品は有名過ぎないものの方が真価が分かる気がする。一般に浸透しきったものは映像やそのオマージュ作品のイメージがちらついて、純粋に物語を楽しめないので…… 文章は読み易く、場面転換もテンポよく。幾筋も並行していたと思わせるス...
散らばっていた謎が全て回収されて行く気持ち良さは圧巻。横溝作品は有名過ぎないものの方が真価が分かる気がする。一般に浸透しきったものは映像やそのオマージュ作品のイメージがちらついて、純粋に物語を楽しめないので…… 文章は読み易く、場面転換もテンポよく。幾筋も並行していたと思わせるストーリーが最後には絡み合って犯人と動機に結び付く。鮮やか。 ただし現代のサイコパス殺人犯やスプラッタな描写に慣れた身には、ミステリーやホラーの衝撃度が柔らかい。使われる語句や明治の人の言葉遣いに日本らしい情感があって、その調子で語られるからしっとりした陰惨さが際立つ。そこが横溝作品で味わえる独特の怖さと魅力なんだろうと思う。
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なんで指輪をそこに置いたのか 本格ミステリとしてのできばえは熱心な読者でないのでよくわからないが 作者作品一番の長所といえる強烈な印象を受ける場面が弱く感じる 警察小説として話が進んでいく過程はさすがの仕上がり
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先日NHKスーパープレミアムで、横溝正史原作の『悪魔が来りて笛を吹く』が放送されていました。 金田一耕助を探偵役とする小説で有名です。 代表作は、「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」他 そもそも数年前までは、推理小説を読んでいなかったので...
先日NHKスーパープレミアムで、横溝正史原作の『悪魔が来りて笛を吹く』が放送されていました。 金田一耕助を探偵役とする小説で有名です。 代表作は、「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」他 そもそも数年前までは、推理小説を読んでいなかったのですが、ツイッターの友達にお薦め本を紹介してもらい、宮部みゆき氏の「火車」「理由」を読んでから嵌ってしまい読み始めました。 その流れで江戸川乱歩・横溝正史もありきといった具合です。おそらく前者二人の作品は全て持っています。どちらかというとホラー小説に近いものもあり表紙の絵も時代を感じますね。
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むかーし、昔に読んだよなぁ。これ、映像も観た気がする。 それほど昔のことだな。 図書館で夏のホラー、サスペンスもの的な企画で並んでいたので借りてきたのだけれど。 あぁ、この時代はこういう設定が多かったわ、確かに。
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