鼻/外套/査察官 の商品レビュー
「正気の沙汰とは思えない奇妙きてれつな出来事、グロテスクな人物、爆発する哄笑、瑣末な細部への執拗なこだわりと幻想的ヴィジョンのごったまぜ」(解説より)。増殖する妄想と虚言の世界を新しい感覚で訳出した、ゴーゴリの代表作「鼻」、「外套」、「査察官」の3篇。
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高校時代、クラス対抗芝居で演じた「査察官」(その時のタイトルは「検察官」)。なんで女子高校生がこんな暗い劇やんなきゃなんないのさ!と、全く興味なかった戯曲ですが、訳が違うとこうも面白くなるものか。そして、噺家調の訳もさることながら、巻末の「解説」によって、作家ゴーゴリの人となりを...
高校時代、クラス対抗芝居で演じた「査察官」(その時のタイトルは「検察官」)。なんで女子高校生がこんな暗い劇やんなきゃなんないのさ!と、全く興味なかった戯曲ですが、訳が違うとこうも面白くなるものか。そして、噺家調の訳もさることながら、巻末の「解説」によって、作家ゴーゴリの人となりを知ることによって、こんなにも「ゴーゴリ観が変わるものか」。ナボコフの「ゴーゴリはロシアにいないんだから、この時代のロシアを風刺できるわけないじゃん(ナボコフは亡命グセ有り)!」という評に笑う。ゴーゴリは評論家によって、権威あるつまらないものに祭り上げられてしまった、不幸な作家だったのかもしれない。こんなにピュアな人物なのに(良くも悪くも)。 2007.06.08-12
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言わずとしれたゴーゴリの代表作たちだが、翻訳が独特でありある意味では成功とも言える。落語云々はともかく、何度も訳されたものをあえてこうして提出する気概を買う。
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きまじめ故のおもしろさ、幻想性の重視を考えれば岩波、古典を読みやすくのニュアンスに適った光文社。個人的には岩波ですが、おすすめには変わりなし。
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