1,800円以上の注文で送料無料

鼻/外套/査察官 の商品レビュー

3.5

44件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2020/01/11

昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよ...

昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよく少し軽い感じで話しが展開していくので、古典という違和感を感じることなく読めたのが良かったのかもしれない。おもしろいですよ。コメディであり風刺なのかな。でも、当時のロシアがよくわかんないから、何となく風刺しているという風?。

Posted byブクログ

2019/06/26

レビューはこちらに書きました。 https://www.yoiyoru.org/entry/2019/04/05/000000

Posted byブクログ

2019/06/02

落語調で訳されているせいか、3作品とも日本の落語にありそうな内容に感じた。また、『査察官』に出てくる市長の、ハイテンションで一方的に撒き散らしながら話す様子は、ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物を想起させる。ドストエフスキーとゴーゴリの作品しかロシア文学を読んだことがないが...

落語調で訳されているせいか、3作品とも日本の落語にありそうな内容に感じた。また、『査察官』に出てくる市長の、ハイテンションで一方的に撒き散らしながら話す様子は、ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物を想起させる。ドストエフスキーとゴーゴリの作品しかロシア文学を読んだことがないが、もしかしてロシア文学に出てくる登場人物の共通点は、上記に挙げた特徴なのか?と思ってしまった。

Posted byブクログ

2018/09/18

ずいぶん昔、ゴーゴリの「死せる魂」を読み始めたことがあったが、あまり興味が乗らず最初の方でやめてしまった。 「鼻」も「外套」も「査察官」も、「死せる魂」の前に読んだような気がするが、内容はまったく覚えていない。 ということは、それだけ面白味がなかったということだろう。読んだとし...

ずいぶん昔、ゴーゴリの「死せる魂」を読み始めたことがあったが、あまり興味が乗らず最初の方でやめてしまった。 「鼻」も「外套」も「査察官」も、「死せる魂」の前に読んだような気がするが、内容はまったく覚えていない。 ということは、それだけ面白味がなかったということだろう。読んだとしても30年以上前のことだが。 この新訳では、これらの有名な作品がなんと落語調に訳されていて、なんとも大胆な試みである。そして、この試みは成功している。読みやすく面白い。面白い作家はやっぱり面白く訳さなくっちゃ。 ただし、笑いというのは読者との相性があるようで、ゴーゴリの作品はやっぱり私にはピンとこなかった。名作と呼ばれる作品ではあるけれども、そこまで面白いとは思えない。 私にとっては読んでも読まなくてもかまわなかった本。 ということが読んでみて分かった。

Posted byブクログ

2018/07/13

一年位前に読んだ「死せる魂」は つかみどころなく不完全燃焼のままだった。 その後、自分が興味を持った作家がファボっていたり、他者を説明する喩えに使用されていたり、何だかんだと名前は目にしていた。 今回のタイトルも全部漢字だよ。孤高の、寄せ付けない、雪降ってる感じ、出てるう。 ...

一年位前に読んだ「死せる魂」は つかみどころなく不完全燃焼のままだった。 その後、自分が興味を持った作家がファボっていたり、他者を説明する喩えに使用されていたり、何だかんだと名前は目にしていた。 今回のタイトルも全部漢字だよ。孤高の、寄せ付けない、雪降ってる感じ、出てるう。 これがアータ、とっても愉快で楽しかった。 訳がいい。床屋さんがパン食べようとしたら鼻が出てきて驚くんですが「鼻ッ!やっぱり鼻ッ。どうしたって鼻ッ!」「査察官」の市長の奥さん「あたしはあとじゃいやなんですゥ」小文字に悶えた。

Posted byブクログ

2017/09/06

ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど 全く読んだことがなかったロシアの文豪?? ドストエフスキーはゴーゴリがいたから 自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。 で、今回初ゴーゴリだったわけですが ぶっ飛び...

ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど 全く読んだことがなかったロシアの文豪?? ドストエフスキーはゴーゴリがいたから 自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。 で、今回初ゴーゴリだったわけですが ぶっ飛びました。 なんだ、このバカバカしさは!! これは凄い。笑えます。 今の作家でいうと町田康なんかは近いのかも。 でもぶっ飛び具合のスケールが違う。 「鼻」という短編なんかは 朝起きたら虫になっていたというカフカどころではなくて 鏡を見たら鼻がなくなっていて 探しに町へ出たらその鼻が偉そうな格好で 町で紳士然と闊歩しているという話ですからね、 鼻が服着て歩いてるんですよ(笑) 意味わかりません(笑) 「外套」という短編も面白い。 ストーリー的には小学生が作りそうなレベルなところが凄い。 でも、なんか響くんですね。 何の取り柄もなく新しい外套を買うことが 何よりも楽しみになる、という小市民な男の話が。 ロシアではドストエフスキーとかトルストイよりも ゴーゴリが人気がある、ということですが なんとなくわかる気がします。 ついでに翻訳が落語みたいで読みやすいのも良いです。

Posted byブクログ

2016/08/21

「なんだよう、これ・・・・面白いじゃんかよう・・・。」と呟きながら読んだ『鼻』。なんかこういう夢見たことある気がしてくる支離滅裂っぷり。『外套』は、あぁきっとこの後酷い目に遭うんだろうなぁって思ってたらほんとにその通りになってしまい「あぁぁぁ( ;∀;)」と声が出た(笑)そこから...

「なんだよう、これ・・・・面白いじゃんかよう・・・。」と呟きながら読んだ『鼻』。なんかこういう夢見たことある気がしてくる支離滅裂っぷり。『外套』は、あぁきっとこの後酷い目に遭うんだろうなぁって思ってたらほんとにその通りになってしまい「あぁぁぁ( ;∀;)」と声が出た(笑)そこから先のもうひと押しが良いね。『査察官』は、前2作の方が好きだな、と思ってたけど、終盤にかけてシニカルな笑いが止まらなかった。解説でゴーゴリめっちゃ悪口書かれてて笑ってしまったが、おバカな天才だったんだろうか。他の作品も読みたい。

Posted byブクログ

2015/11/23

以前別の訳で読んで理解できなかったゴーゴリですが、こちらの訳では思い切って落語風になっているために、無闇に深い意味を求めずただの滑稽話として読めて良かったと思います。正直、私には登場人物たちがかわいそうでたまらず全く笑えませんでしたが、馬鹿馬鹿しいシュールなギャグだと言われれば、...

以前別の訳で読んで理解できなかったゴーゴリですが、こちらの訳では思い切って落語風になっているために、無闇に深い意味を求めずただの滑稽話として読めて良かったと思います。正直、私には登場人物たちがかわいそうでたまらず全く笑えませんでしたが、馬鹿馬鹿しいシュールなギャグだと言われれば、まあそうかもしれないと腑には落ちました。そういう物語に面白みがあるとして支持されているのは、理解できます。ただ個人的には作者の真剣な心の中身が開示される物語の方が好きなのと、ギャグならギャグで、人が不幸になるのを見て笑うタイプのギャグはどうも趣味じゃないので、評価は前回と同じ星2つとさせていただきました。

Posted byブクログ

2015/03/15

「鼻」「外套」と戯曲「査察官」の三編入り。 ゴーゴリ初めて読んだんだけど、声に出して笑ってしまう。ザ・ロシアのユーモアという感じ。 「鼻」は飛びきり明るいダリといった感じの映像が思い浮かぶ。ロシアの文学って極端だよなぁ。

Posted byブクログ

2014/07/19

恥ずかしながら名前は知っているがいつの時代の人も分かっていない。ただポップで、ドフトエフスキーが「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれ出でたのだ」が気になったのと、『鼻』がどんな話なのか異常に気になったので、がちがちの訳の岩波文庫でなく、なんとなくライトな訳本のイメージのある光文...

恥ずかしながら名前は知っているがいつの時代の人も分かっていない。ただポップで、ドフトエフスキーが「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれ出でたのだ」が気になったのと、『鼻』がどんな話なのか異常に気になったので、がちがちの訳の岩波文庫でなく、なんとなくライトな訳本のイメージのある光文社版を購入して読んでみた。 一言で言えばなんとも不思議な世界。決してすごくこった話でもないし、派手でもない。それなのになんだろうこの読後感。『鼻』にいたっては何ともいえず笑えてくる。しかも結末としてなんともすっきりしない。パンの中から出てきた鼻が服着て歩いて違和感がない。くすくす笑えるのになんだかぞっとするそんな作品だった。 『外套』に関しても、主人公の何とも言えない感情の浮き沈み、最後は幽霊と化すあたりまで含めてなんだかすごい。深くは理解できないが、圧倒的な存在感を感じる。 『査察官』はどたばた勘違い劇で、特別上手なトリックがある訳でもないのにおもしろい。単純で面白いのか。きっと本人たちの真剣さが笑えるのだ。そしてこれは最後の場面がといかく秀逸。なんとも言えない間と静かさに笑いがこみあげてくる。言い方が的確かどうか分からないが、ちびまる子ちゃんの「がーん」という場面を想像してします。 肩をはらず楽しい読書ができた。次はプーチキンを読んで、いよいよドフトエフスキーかトルストイだな。

Posted byブクログ