「普通がいい」という病 の商品レビュー
「普通」ってなに?に答えを示してくれる良書です。 さらに、「普通」ではない人(レッテルを自ら貼るべきではないですが)が生きて行くためのヒントがたくさん書かれています。とくに、著者の「5本のバナナ」の話がなるほどと思えました。 多くの詩を引用しながら人の思考を解説しています。詩を...
「普通」ってなに?に答えを示してくれる良書です。 さらに、「普通」ではない人(レッテルを自ら貼るべきではないですが)が生きて行くためのヒントがたくさん書かれています。とくに、著者の「5本のバナナ」の話がなるほどと思えました。 多くの詩を引用しながら人の思考を解説しています。詩を読み慣れていないので、最初は少し難解で読むのに骨が折れる印象ですが、詩の解釈を丁寧に解説してくれるので、最後まで読み切ることができました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
生き方を参考にしている人が読んでいたから一読。 「ありのままの自分で生きるといい」と、詩や哲学、仏教、絵画、劇などいろんな例や引用を使って主張してくれてる本。 (谷川俊太郎、ニーチェ、夏目漱石、空海、オスカーワイルド、親鸞、ゲルニカ 、椿姫、十牛図...) 心=身体、レッテル貼り替え作業≠ネカポジ論、愛と欲望...うんうんうんうん!と共感しながら読んだ…。し、空海すげえ!という発見や、やっぱ仏教最高とも思った。 引用で使われてた言葉たちや著者の表現が秀逸で気持ちいい。 読んですぐこうなる!みたいなビジネス本ではないけど、 人の為に生きすぎて疲れた人、自分がよく分からなくなった人、人の目気にしすぎて生きづらい人には心の支えになると思う。 --めも-- 自分で自分に貼ったレッテル(「頑固です」「人見知りです」とか)は自分を閉じ込めてしまうよーぅ 「癒しという誘惑。生ぬるいお風呂に何時間も留めようとするだけ、人を変える力はない。美術にとって必要なのは自立。人を救うということは人を自立させること」横尾忠則 心=身体だから、感じるままに動くと自然に身体にもいい。頭で「~~~しなきゃ」とコントロールしようとしなくていい。 身体はレンタルで道具(ちょっと宗教的だけど理解。すずめの戸締りもそんな感じなんあった) 普通=0人称 →これで夏目漱石もうつ状態に 「私の個人主義」で自己本位になりだっしゅつ 人の為に善いことをする→偽善(相田みつを) ボランティアは欲望 谷川俊太郎「やさしさは愛じゃない」 空海「理趣経」煩悩即菩提 欲望を切り捨てるのではなく、向き合うことで愛が生まれる。遮情せず、大欲に膨らませる →喜捨 禁欲的な教えじゃないことびっくり! 「生きるとはこの世で最も稀なことである。大抵の人間は存在しているにすぎない。」オスカーワイルドさん 大通りから外れることに不安でも、大通りに戻ることが解決ではない 敏感に図太く
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「他人と同じ」であることこそ「普通」であり、それを良しとする日本人の特性について、共感の連続だった。自分も見事に当てはまる点がある。思考停止で主体性を失っているのは、果たして生きていると言えるのだろうか?自分で感じ、考えることの大切さをあらためて学んだ気がする。
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COURRIER JAPON 著名人の本棚 山口周さんの推薦図書より 頭と心と身体の関係について。 ああ、良い本に出会えた。 読むとするすると思考がほぐれて、心がふわふわと軽くなっていきます。。 精神科医であり思想家でもある筆者は造詣が深く、詩、哲学、宗教などの様々な分野から...
COURRIER JAPON 著名人の本棚 山口周さんの推薦図書より 頭と心と身体の関係について。 ああ、良い本に出会えた。 読むとするすると思考がほぐれて、心がふわふわと軽くなっていきます。。 精神科医であり思想家でもある筆者は造詣が深く、詩、哲学、宗教などの様々な分野からの引用も多く、多面的な論ですっと腑に落ちる。 頭で認識するというより、身体に落とし込まれ染み渡るような感覚の読書体験。 引用されている古今東西のあらゆる言葉たちをこんな風に咀嚼して編み上げ、自らの論旨の説得材料にするのは素晴らしいと感じた。 本を読む、とはこうやって自在に言葉を操る域まで至ること。私はまだまだまだまだ。 読んでいて学びと思考がより深まった。 先人の考えに触れ、いつの時代も人間は普遍的な問いに悩み、考え、感じ、悟り、世界を生きているのだと感慨深い。 名付けられた病は、精神病とカテゴライズされた重苦しい苦難というよりも、あるひと時の心と身体の状況なのだなと考えると、浮き沈みに思える。 頭で考えず、心の声に耳を傾けると、きっと浮いてこれる。 十牛図は見たことがあるが、このような意味を持つのかもしれないと思うと、先人達の生きる知恵を感じる。 愛に溢れた本。 疲れた心に優しく響いていく。 思考の力はすごい。ものは考えよう。 見方を変えたら生きやすく、楽しく、軽やかに。 全日本人に読んで欲しい。
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軽やかな筆致で掘り下げられる、人間の生き方。 おもしろかった。 高校生のころ、若い人を主人公にした成長の物語ってたくさんあるけど、中年以降はどうなるのだろう?とずっと不思議に思ってたけど、その問いに答えてくれた。 「敏感で太い」自分、経験は未来に向かって開かれる、螺旋の旅路、十牛...
軽やかな筆致で掘り下げられる、人間の生き方。 おもしろかった。 高校生のころ、若い人を主人公にした成長の物語ってたくさんあるけど、中年以降はどうなるのだろう?とずっと不思議に思ってたけど、その問いに答えてくれた。 「敏感で太い」自分、経験は未来に向かって開かれる、螺旋の旅路、十牛図など、印象的な言葉やイメージもたくさん。 西洋東洋、古典と現代作を問わず引用される文献も魅力的で、読みたい本がまた増えてしまった。 読みたかった本を一冊読むたびに、新たに読みたい本が三冊くらい出てきて、雪だるま式に心の積ん読リストが増えていく現象、なんとかならんものかな……。
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タイトルはよくある自己啓発本ぽいし、論じられている事柄もそれっぽいんだけど、しかし、中身はかなりしっかりしていると思いました。これは、なかなかいい本なのでは? 私は、けっこうこの本気に入りました。この本で論じていることがすべてそのとおりとは思わないし、もうすこし思想の体系性みたい...
タイトルはよくある自己啓発本ぽいし、論じられている事柄もそれっぽいんだけど、しかし、中身はかなりしっかりしていると思いました。これは、なかなかいい本なのでは? 私は、けっこうこの本気に入りました。この本で論じていることがすべてそのとおりとは思わないし、もうすこし思想の体系性みたいなものがあったほうがいいとも思いましたが、”常識”にはまりこんで硬直化した思考を揺り動かす力をもっていると思います。【2022年11月9日読了】
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2022.03.04 『仕事なんていきがいにするな』を読んで興味を持ったので、同じ著者のこの本を読んだ。 2冊の本で重なる部分も多くあり、より思考を深めることができた。 以下、印象に残ったこと。 ・「現実」とは、誰かが人為的に決めたものの積み重ねでできたもの。数あるファンタジー...
2022.03.04 『仕事なんていきがいにするな』を読んで興味を持ったので、同じ著者のこの本を読んだ。 2冊の本で重なる部分も多くあり、より思考を深めることができた。 以下、印象に残ったこと。 ・「現実」とは、誰かが人為的に決めたものの積み重ねでできたもの。数あるファンタジーの一つに過ぎない。 ・愛とは、相手が相手らしく幸せになることを喜ぶ気持ちである。欲望とは、相手がこちらの思い通りになることを強要する気持ちである。等身大の欲望を知ることが、愛を知ることにつながる。等身大を超えた無理した善は、自分の欲望のためにする偽善となってしまう可能性がある。 ・経験は常に未来に開いている。体験は経験が過去化したもの。経験は自分の身になるもの。 ・繰り返すことは、死である。即興の中に生がある(これは成田さんが最近言ってるのを耳にした。) ・主観をしっかり育てる、その純度を高めていくように磨きをかけることで、主観も客観も乗り越えて、一つ上の次元の認識に達する。 ・人生は螺旋のように回りながら上へ上へと前進していく。 ○頭で考えるより身体で反応していったほうがいいのかもしれない。頭に頼りすぎる傾向が強くなっていたので、もう少し直感に委ねよう。
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冒頭より(拙者要約) 人はみな他の人とは違う「角」をもって生まれてきた。しかし、この「角」はひときわ目立つため、他人は真っ先にこの「角」を話題にする。現代では、多数派の信奉する価値観(=普通がいい)によって、この角の切除が行われている。例えば、あるがままの人間は邪悪なもので、ある...
冒頭より(拙者要約) 人はみな他の人とは違う「角」をもって生まれてきた。しかし、この「角」はひときわ目立つため、他人は真っ先にこの「角」を話題にする。現代では、多数派の信奉する価値観(=普通がいい)によって、この角の切除が行われている。例えば、あるがままの人間は邪悪なもので、あるべき姿に向けしっかりと理性で制御すべきだという考えはその一例である。角が切除された大人たちをモデルとして育った人たちの中には、生きる意欲や生きる意味を見失って、日々むなしさを紛らわせるだけになっていたり、強い自己否定が心の中に巣くってしまっていることがある。 本書は、人間という生き物の根本的な特性を深く理解し、そのうえで「自分で感じ、自分で考える」という基本に支えられた生き方を回復するための、ヒントがちりばめられた本です。 冒頭にガラスのユニコーンの角が、他人とは違う自分の壊れやすい個性のメタファーとして登場します。私の場合は、人に対し感情的になってしまうということがこのガラスのユニコーンの角であることに気づきました。 「普通、大人は自分の感情を制御できねばならぬ、常に冷静にならねばならぬ」という声が聞こえ、感情的になった後は自責の念に駆られることがしばしばありました。まさに、自分自身が普通がいいという力によって角を切除しようとしていた。 しかし、この本を読んで、むしろ自分の考えや意見を感情とセットで届けることが自分のあるがままの姿ではないか。感情を人の心を共振させるアンプとして、人の心に深く刻み込む彫刻刀として使えるのではないか。そのままで大丈夫!そういった気持ちが沸々とわくようになりました。 大なり小なり多数派の信奉する普通がはびこる社会において、自分の角によって生きづらさを感じている方、人間の根本的な特性を理解して自分らしく感じ、生きたい方に是非手に取ってほしいオススメの1冊です。
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夏目漱石は自己本位と則天去私という一見相反する価値観を自身のなかで確立させたというが、その具体的な内容が書かれていたように思う。 日本に蔓延る神経症的な面は全て他人本位が故に生まれているものであり、まずは自己確立が必要である。 ただ、日本の治安の良さなどは他人本位が故に成立し...
夏目漱石は自己本位と則天去私という一見相反する価値観を自身のなかで確立させたというが、その具体的な内容が書かれていたように思う。 日本に蔓延る神経症的な面は全て他人本位が故に生まれているものであり、まずは自己確立が必要である。 ただ、日本の治安の良さなどは他人本位が故に成立しているような気もしたがどうなのだろうか? これも経済的な豊かさがあってのもので、他人本位は関係ないか。 愛は自分を満たすことから始まる。 自分が満たされていないにも関わらず、相手に施す何かはおせっかいでしかないバナナの話が良かった。
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語り口が優しく読みやすかった。引用や比喩を使われているのも個人的にとても好きなところ。図にされているのもとても解りやすいです。 私は一回読んだくらいではとても理解したとはいえないけれど、なんとなく解る、つかめそうな感じで自分が今まで感じていた窮屈さが緩んだ気がします。それだけでも...
語り口が優しく読みやすかった。引用や比喩を使われているのも個人的にとても好きなところ。図にされているのもとても解りやすいです。 私は一回読んだくらいではとても理解したとはいえないけれど、なんとなく解る、つかめそうな感じで自分が今まで感じていた窮屈さが緩んだ気がします。それだけでも心と頭の考え方が楽になりました。 本当にこの本に出会えて良かったです。泉谷さんの他の本も読みたいと思います。
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