7月24日通り の商品レビュー
最後は主人公にやられた。 もし自分があの選択肢を狭まれたら? きっと寿司屋に行っていたでしょう。 勿論それが間違えではないと思うから。
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今年3冊目。 この小説は中谷美紀主演の"7月24日通りのクリスマス"という映画の原作。 主人公は地味な街で育った地味なOL。 けれど、育った街に愛着を持っていて、 街並みをリスボンと重ね合わせることを楽しみに日常を彩っていた。 育った街を出ることもなく、淡...
今年3冊目。 この小説は中谷美紀主演の"7月24日通りのクリスマス"という映画の原作。 主人公は地味な街で育った地味なOL。 けれど、育った街に愛着を持っていて、 街並みをリスボンと重ね合わせることを楽しみに日常を彩っていた。 育った街を出ることもなく、淡々とただ何もかもを飲み込むように日々を送っていたが、 ある日、同窓会の知らせを受ける。 それには高校のころにみんなの憧れの的だった先輩も参加するらしい。 キラキラしていた人たちに相反して何もなかった自分。 コンプレックスに感じながらもそれでいいと思っている自分。 だが、先輩との再会をきっかけに、 街で出会う様々な人との関わりの中で何かが変わっていく。 主人公が選ぶ未来とは…? …思っていた結末と違っていたけど、 夢見がちなのにどこか冷めている主人公を追うのはなかなか面白かったように思います。 人にはそれぞれのコンプレックスがあって、 学生の時にありがちな、 いわゆる「イケてた」とか「イケてなかった」とかいう、 誰が決めたでもないボーダーは 大人になっても払拭できない独特の感覚なのかもしれない。 栄光を収めた者は、それはそれで過去の自分に勝つために必死に戦っている。 人はやはりそれぞれ格好悪いんだなぁ~と、 少し力をもらえたような気はします。 主人公とその弟の彼女の関係が面白い。 自分と似ている人って嫌いだけど、好きなんだと思う。 育った街もしかり。 地味でもそのままの感じが好きなんだと思う。
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意外な結末に、ニヤリ。 繊細な文章と描写にその場面が想像しやすかった。 久しぶりに満足感が得られた恋愛小説。 好き。
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「たとえば、幼稚園で劇をやるとする。どの幼稚園にも、必ず王子様役に選ばれるという男の子がいて、同じように必ずお姫様役しか考えられない女の子がいる。 たかが生まれてから三、四年の人生経験で、彼らが王子様やお姫様にふさわしい魅力を得るはずがない。そう考えれば、人間の晴れやかな魅力とい...
「たとえば、幼稚園で劇をやるとする。どの幼稚園にも、必ず王子様役に選ばれるという男の子がいて、同じように必ずお姫様役しか考えられない女の子がいる。 たかが生まれてから三、四年の人生経験で、彼らが王子様やお姫様にふさわしい魅力を得るはずがない。そう考えれば、人間の晴れやかな魅力というのは、決して人生経験からなどではなく、生まれた瞬間に与えられるか、与えられないかの違いなのだろうと私は思う。」(本文より) 脇役・地味キャラを自覚しそれを淡々と受け入れながらも、華やかな弟を『唯一のプライド』とまで言ってのける主人公・小百合。 妄想体質も相まって、素敵な相乗効果をもたらしてるな~。 めぐみの自己分析とは共通点が結構あって笑ってしまった。
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続きが気になる終わり方ー! 主人公の恋愛はどうなるんだろう? 私だったらどっち選ぶかなぁ?とか考えちゃった。 警備員さんとの方がお似合いに思えたけど。 これ確か昔DVDで観た気がする。
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映画を見たので原作に戻る。原作のラストは失恋になるのでは…やはり吉田小説は甘くないのか…。映画ほどに夢見がちではなかったので、そこはよかった。
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改めて読んでみるとおもしろい。2年前に読んだときはもうちょっとぐだぐだだった印象だったのですがあの時の自分はどういう読み方をしていたのだろうか。ラストには自分の中でも賛否両論ありますが、「アリ」だとは思います。
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地味で自分は主役になれないと思っている主人公のOLは、自分の住んでる街をリスボンなぞらえてみたり、主役になれる弟に過度の期待をしてみたり、少し…いや、かなりイタめのキャラクター。 共感できるところもあれば少しイライラしてしまうこともあるような。周囲の人も、そんな彼女を軽く扱ってい...
地味で自分は主役になれないと思っている主人公のOLは、自分の住んでる街をリスボンなぞらえてみたり、主役になれる弟に過度の期待をしてみたり、少し…いや、かなりイタめのキャラクター。 共感できるところもあれば少しイライラしてしまうこともあるような。周囲の人も、そんな彼女を軽く扱っているような感じがあって、あまり気持ちのいいストーリー展開ではありませんでした。 でも、めぐみの自分がモテない理由10条には、共感してしまって焦った(笑) 間違ってるとわかっていても飛び込む勇気によって、この人の未来が変わるといいなと願わずにはいられない意外なラスト。 今まで吉田修一作品は当たり外れが大きく分かれるイメージでしたが(当たり→悪人、外れ→女たちは二度遊ぶ)、これはまた全然ちがった雰囲気で、その振り幅の広さに、ただただすごいな~と思ってしまいます。 なんでこんなに女心が分かるんだろう?すごすぎます。
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地味なOLが、同窓会で昔好きだった先輩に再会するという物語。 ほんまに地味!!笑えるくらい。 モテる先輩を好きになるものの、結局彼女はいるし、そのくせ傷ついたり落ち込んだりしたら都合よく呼び出されて…みたいな。 いるよなぁそういう子。 亜希子みたいなタイプはめっちゃキライ。 ...
地味なOLが、同窓会で昔好きだった先輩に再会するという物語。 ほんまに地味!!笑えるくらい。 モテる先輩を好きになるものの、結局彼女はいるし、そのくせ傷ついたり落ち込んだりしたら都合よく呼び出されて…みたいな。 いるよなぁそういう子。 亜希子みたいなタイプはめっちゃキライ。 そんな女に入れ込む男もろくな奴じゃない。 短い話でさらっと読める。 あるよね~という感じの話でした。
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初吉田修一。 男性なのにこんな目線で書けるんだという驚きと、 男性だからこそこの目線で見れたのかなという納得。 間違いたくない人は主役になれない。 よくわかる。 あの終わり方、私は好きです。 目次の連動は素直に素敵でした。
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