7月24日通り の商品レビュー
「悪人」につづき良かった。 作風は全く違うが、やはり女性心理の描写がうまい。 主人公より愚直なめぐみのほうが、多くの女性に共感を呼びそうな気がする。 亜希子の、誰かの前で演じることによって、自分が幸せな毎日を送っているのだと確認したい。という、周りを確認し、自分を確かめる行...
「悪人」につづき良かった。 作風は全く違うが、やはり女性心理の描写がうまい。 主人公より愚直なめぐみのほうが、多くの女性に共感を呼びそうな気がする。 亜希子の、誰かの前で演じることによって、自分が幸せな毎日を送っているのだと確認したい。という、周りを確認し、自分を確かめる行為。 わたしたちはどんなことでも想像できる。なにも知らないことについては。という「ポルトガルの海」の一文は、良いことも悪いことも見えないから想像するのかもしれないと思った。 また新しいアルバムを作り出そうとしただけだという聡史には、時が経つことを感じさせられた。なんだか、とても聡史に共感した。 また、めぐみの"間違いたくない"には、共感とこれまでの自分を思い出した。 誰だって思う気持ちが率直に描かれていて、一歩踏み出したくなった。
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2010.9.25 地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相...
2010.9.25 地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相手に会いに、さしたる期待もなく出かけた小百合に聡史は...。もう一度恋する勇気がわく傑作恋愛長編。 自分の殻を破る。 聡史の気持ちわかるかもな、なんか。
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普通の話っぽいのに、けっこうひきこまれる。人物一人ひとりが丁寧に描かれていてリアル。女性心理の揺れや迷いの感じが、すっごい納得!共感!なぜ男性作家がこんなに上手に書けるのか。迷う気持ちに、女性の嫌な部分棚と思いながらも、そうだよねそうだよねと独り言がでる。章の仕掛けにはにやり。
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こちらが原作となった映画を先に見ていたせいか、ギャップに戸惑う。 自分の殻を打ち破ることにしたということでハッピーエンドといえるかもしれないが、この恋がうまくいくとは思えない気がする。
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『悪人』の流れで読んだ。 じんわり、ほっこりする感じだったと思う。 『悪人』みたいな衝撃はなかったけど、文体は読みやすくて好きだった。
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どうしてこの本書いたんだろ? と、素直な疑問として浮かびました。 何も残らないけどイライラはする。
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爽やか系、オシャレ小説。 吉田修一好きとしては、「長崎乱楽坂」のような荒々しい作品もよいが、読んでいて気持ちが良くなる作品がやはりいいよね。各章の小題が最後に結びついて素敵なエンディングを迎えます。 恋せよ乙女!
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20代の平凡な女性の日常と恋の物語。 タイトルに惹かれて購入。「7月24日通りのクリスマス」という名前で映画化されているというのを知ったのは後のことであり、またこの映画はどうやら原作とは内容が少し異なるようである。 吉田修一作品はこれで3作目の体験となるが、今までの中で...
20代の平凡な女性の日常と恋の物語。 タイトルに惹かれて購入。「7月24日通りのクリスマス」という名前で映画化されているというのを知ったのは後のことであり、またこの映画はどうやら原作とは内容が少し異なるようである。 吉田修一作品はこれで3作目の体験となるが、今までの中で一番良いという印象を受けた。主人公の本間小百合のイケてなさ、かっこ悪さがリアルに描かれていて、多少の嫌悪感を持ちつつも共感する読者は多いのではないか。物語自体はクライマックスに向かって、ドラマチックな展開をも見せるが、登場人物が抱えているそれぞれの思いというものは、誰もが人生の一場面で感じた何かに通じるところがあるように思う。 このような共感を覚える作品で奥深いものを次に期待したい。
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自分の住む街をリスボンに見立てるというアイデアが面白いと思って読み始めた。地味なOLの心理描写が上手い。
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地方都市でOLをしている女性が主人公。 高校時代の同級生、会社の同僚、弟、父などとそれにまつわる人間関係。 すぐに読み終わった。
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