スコーレNo.4 の商品レビュー
一人の女性の、学生から社会人に至るまでの過程を描く。 読後感は非常に良い。 続きも読みたくなるが、綺麗に終わっているのでこのままでも良い気がする。
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宮下奈都さん、好きだなぁと思いました。 三姉妹の長女・麻子の少女から大人の女性へと変わってゆく物語。 まず少女の章で心を掴まれてしまいます。 可愛くて、欲しいものは欲しい!と言えるすぐ下の妹・七葉と自分をいつも比べてしまう麻子。 何かが違う、ここは自分の居場所ではない、いや、そ...
宮下奈都さん、好きだなぁと思いました。 三姉妹の長女・麻子の少女から大人の女性へと変わってゆく物語。 まず少女の章で心を掴まれてしまいます。 可愛くて、欲しいものは欲しい!と言えるすぐ下の妹・七葉と自分をいつも比べてしまう麻子。 何かが違う、ここは自分の居場所ではない、いや、そもそもこの場所を愛せない私が欠けているんだ、と思う麻子に共感しきりでした。 でもそれが変わる日は自然にやってくる。 「長く固まっていたかさぶたがぽろっと剥がれ、その下からのぞく薄桃色のつるつるの皮膚みたいな」気持ちになれる日はいつかやってくる。 だから自分は自分でいいんだ、と思えました。 麻子の母が三姉妹を見て言うセリフ 「面白いわねえ」 この一言だけで宮下奈都さん、大好きになる。 常々、『面白い』っていうのが、子どもに対する最高の愛情表現だと思っていたので。
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『イライラからスッキリへの追い込み型小説』 読み始めは、麻子の自分を卑下した姿勢や性格にちょっとイライラ・・ 後半は、麻子の成長した姿にスッキリ! 麻子の成長していく姿や感情の変化が、丁寧に細やかに描写されていて、宮下奈都さんの本領発揮。
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少女が大人の女性になる過程の揺れる心の内を、なんて繊細な美しい言葉で表現してくれるのだろう。 姉妹、級友、同僚、人との関わりの中で変わっていく部分と決して変わらない芯の部分。 自信のない若い頃。 異性へ切ない思い。 自身を投影しながら読む人が多いだろう。姉妹がいる人はなおのこと。...
少女が大人の女性になる過程の揺れる心の内を、なんて繊細な美しい言葉で表現してくれるのだろう。 姉妹、級友、同僚、人との関わりの中で変わっていく部分と決して変わらない芯の部分。 自信のない若い頃。 異性へ切ない思い。 自身を投影しながら読む人が多いだろう。姉妹がいる人はなおのこと。 4つのスコーレの中でそれぞれ悩みはあるけれど、成長するにつれて自分らしさを肯定的に捉えられるようになり、生きやすくなると私自身も実感している。 麻子も自分らしさを肯定し、自信を持てるようになり、似た感性の男性と出会えた。 麻子さん良かったねと思いながら、全ての女性に幸せになってほしいと沁々思った。
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スコーレは古代ギリシャ語で、スクールの語源になった言葉。 一人の女性の成長をNo.1=中学校、No.2=高校、No.3=大学~就職、No.4=会社の4章で描いています。 はっきり言って最初は辛かった。初期作品にありがちなちょっと気取った表現。余り嫌らしくは感じないものの、やや過...
スコーレは古代ギリシャ語で、スクールの語源になった言葉。 一人の女性の成長をNo.1=中学校、No.2=高校、No.3=大学~就職、No.4=会社の4章で描いています。 はっきり言って最初は辛かった。初期作品にありがちなちょっと気取った表現。余り嫌らしくは感じないものの、やや過剰な少女の自意識の独白が続く。如何にも「女性の本」のイメージで、おじさんにはついて行けない感じでした。 ところが後半になって一気に進み始めます。いつしか少女時代の悩み乗り越え、糧にさえして伸び伸びと成長し、仕事に恋愛に一気に前進し始めます。最後には見事に花開き。。なるほど人気あるのも頷けます。 若い女性らしい瑞々しさにあふれた物語。とても心地良い読後感でした。
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とても上品かつ牽引力のある「女子の成長物語」。ただ、想像していたみたいな主人公へのリアルな共感はあまり得られなかった。ある種のファンタジーみたいな読了感。どう考えても最初っから、彼女は「持たざる者」じゃないんだもの。何だかんだ言っても、躾のしっかりした家で育って、目利きの才能があ...
とても上品かつ牽引力のある「女子の成長物語」。ただ、想像していたみたいな主人公へのリアルな共感はあまり得られなかった。ある種のファンタジーみたいな読了感。どう考えても最初っから、彼女は「持たざる者」じゃないんだもの。何だかんだ言っても、躾のしっかりした家で育って、目利きの才能があって、大企業に就職して、受身でも結構モテてるわけで。特に主人公の持つ感性や審美眼は、私自身には遠く、かつ憧れるけど努力で手に入るものでもないので、ちょっとモヤモヤした。私の周りの現実はもっと泥くさいよ……。
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懐かしさ、もどかしさ、人生で経験のある感情。 読み進めてると、もう1人の自分の人生を読んでいる気がした。 それほど、同化してしまった。 気づけば、何故か涙が出てが溢れていた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
思春期を題材とする本は多いけど、それから社会で奮闘するまでを描くのは珍しいように思う。新社会人だった時を思い出した。どんどん人生が色付いて、自分なりの答えが出て、素敵な人と素敵な時間を過ごして良いラストだった。
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1人の女性の大人になるまでのストーリー。 私には姉妹はいないけれど、麻子の妹たちに引け目を感じてしまう気持ちがすごく伝わって、ちょっと切なくなってしまった。 大人になり働き始めてからも、「こんなはずじゃなかった」と思いながら勤めていたけれど、最後は希望が持てるような終わり方になっ...
1人の女性の大人になるまでのストーリー。 私には姉妹はいないけれど、麻子の妹たちに引け目を感じてしまう気持ちがすごく伝わって、ちょっと切なくなってしまった。 大人になり働き始めてからも、「こんなはずじゃなかった」と思いながら勤めていたけれど、最後は希望が持てるような終わり方になっていて、読後感もすごく良かった。
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1.2あたりはなんだかザラザラとした読み心地だったけど、最後まで読み終えた時はなんか快感だった(笑) 幸せになってほしい。 っていうか、幸福な未来を想像できる状態でいてほしい。
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