悪人 の商品レビュー

4

517件のお客様レビュー

  1. 5つ

    156

  2. 4つ

    198

  3. 3つ

    104

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    6

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2022/09/25
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悪人とは? 誰が悪かったのか? 考えさせられた。 ただ、事件に関わる人が、それぞれ現状を打破していこうとしたところで終わっているのが救い

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2022/08/05

読みやすくてラストまであっという間。読み終わった後、悪人とは…じわじわ考えた。読みごたえあり面白かったけど、どうも心がザワザワして落ち着かなかったので評価は低めです。

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2022/03/18
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結局のところ何が悪で何が悪出ないかなんて私たちにはわかりやしないのだ。 人を殺してしまった祐一、しかし祐一が佳乃を殺してしまうには理由があって仕方がない殺しだともいえる。逆に言えば佳乃は殺されて仕方がないとも思える。 増尾は罪に問われるような悪はしていない。しかしそれは本当に悪ではない、罪ではないのだろうか。 光代は祐一と逃げたいと望んだ。それはいい言い方をすれば愛ともいえる。しかしそれは本当に愛なのだろうか。一緒にいたいからと言って自首を許さなかったそれは本当に愛なのだろうか、悪ではないだろうか。 私たちが法でさばける悪などほんの一部で、悪なんてものは私たちの主観でしかなくて、手に及ぶものではないのではないか。

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2021/10/23

読了後とても切ない気持ちに包まれた。読了するのはたぶん2回目だが1回目に読んだ時より登場人物の想いを理解できたと思う。

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2021/09/21

3.5の気持で、☆3に。 誰が犯人か、誰が悪人か、と読んでいたら、気になって一気読みしてしまった。 親から子への愛 恋愛の愛 読んだ自分の環境によって響くところが違うのかな、と思った。 それぞれの登場人物の不可解な行動も、生まれた環境や育った環境を一つ一つ丁寧に書かれていて...

3.5の気持で、☆3に。 誰が犯人か、誰が悪人か、と読んでいたら、気になって一気読みしてしまった。 親から子への愛 恋愛の愛 読んだ自分の環境によって響くところが違うのかな、と思った。 それぞれの登場人物の不可解な行動も、生まれた環境や育った環境を一つ一つ丁寧に書かれていて「だからこんな行動だったのか!」と納得。 本の厚さも内容も、読み応えある本だった。

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2021/01/23
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「あの人は悪人やったんですよね」最後の言葉が、どうしようもなく、切なく響いてくる。 物語は、「祐一」を取り巻く人々の証言/意見で構成されているため、祐一の真実は想像するしかないようにみせている。 「被害者」と「加害者」との、罪に問われる/問われないことの、「わかっていること」と「目に見えること」の、その境界線が曖昧になり、常識といわれていることが本当に常識なのかということを、感じさせる。 気になるフレーズは以下: ★16分という時間を取るか、720円の金を取るか ★実際、祐一ってなんも考えとらん。ていううか、グラウンドにもう何日も落ちたままのボールのようなもので、…。 ★自分には欲しい本もCDもなかった。新年が始まったばかりなのに、行きたいところも、会いたい人もいなかった。 ★一日がこげん大切に思えたことなかった。仕事しとったら一日なんてあっという間に終わって、あっという間に一週間が過ぎて、気が付くともう一年。 ★今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。…。自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。

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2021/01/04

「国宝」、「路」が良かったので、他の作品も読んでみたくなった。 が、こちはら半分くらいまで読んで、あまり好きな類だと感じ、途中でやめてしまおうかと思ったくらいだった。それでも続けて読む気になったのは、いつもながらの場面の状況や登場人物たちの心情などの描写が丁寧だったこと、そのた...

「国宝」、「路」が良かったので、他の作品も読んでみたくなった。 が、こちはら半分くらいまで読んで、あまり好きな類だと感じ、途中でやめてしまおうかと思ったくらいだった。それでも続けて読む気になったのは、いつもながらの場面の状況や登場人物たちの心情などの描写が丁寧だったこと、そのためその場面が映像となったからだと思う。この場面では誰が主となり、この人物の立ち位置や感覚的な物も捉えることができたためだ。読後は、やっぱり面白かったかもしれないと、好きな作家のカテゴリーなのかもと考える。 本作も結果としてだが、半分を過ぎたくらいから、何が好きでなかったのかと、思うくらいに集中して読んでいた。 「悪人」とは、いったい誰のことを言っているのだろう…と、読みながら考えてしまう。だから最後4行の言葉と最終章のタイトル「私が出会った悪人」で、ようやく腑に落ちる。 それでも、素直に考えて、本作での「悪人」は、主人公・清水祐一を指しているのだなぁと、法的に考えても「悪人」だし…そう思わせながら、読者自身に「『悪人』とは、誰だと思うか?」と、問いかけているように感じる。祐一を悪人にした人たちが悪なのではないかと、他に「悪人」と呼ぶに相応しい人物がいるのではないか、と考えてしまう。素直過ぎて、優しい、それを表現できる環境がなかった。それ故に祐一が導かれた結果を受け入れるしかなく、光代に対する優しさからさらに悪い結果となることも寂しさ、やるせなさを増幅させているのかもしれない。 物語は、主人公・清水祐一が、出会い系サイトで知り合った保険外交員の石橋佳乃を殺害するはなし。前半は、祐一が殺人にいたった背景、過去の環境の話し。物語後半で馬込光代と出会い、犯した罪の重さを知らしめることになる。 残酷な現実を突きつけられた人間の行動、心情。犯罪を犯してしまったことにより、光代と離れなければならない祐一の現実。愛した人が殺人犯であった光代の現実。娘が殺された石橋夫婦の現実。孫の殺人を突きつけられた房枝の現実… この犯罪に関係する人たちに突きつけられた現実は、回避することはできない残酷なものである。殺害された石橋佳乃が被害者とは言い難いくらいに、どれほどが酷い人間であったとしても、命の尊さは、その受けるべき罪の重さと同等、それ以上であるということである。 祐一に殺人を告白された光代は、自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。初めて心から愛した人と別れなければならない現実を突きつけられて、結局、光代は自分の感情を優先して、祐一と共に逃げる。それにより祐一の罪が重くなることも考えれないほどに。祐一も最後まで、光代のことを思い、自分の立場をさらに悪くする行動をとる。 これは、男性と女性による差(特徴)というよりも、祐一の優しさによる差のように感じた。 「悪人」というタイトルの恋愛小説のような後味であった。

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2020/08/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

『人生でいつの間にか被害者や加害者になっていることもある』怒りに続いて2作品目。途中まで犯人が分からない形で進んでゆくが、下巻に入り犯人が一気に明らかになった後に、最後は、悪人とは誰だったのか?について暗に読者に問う形で、了。この終わり方なので、著者からの挑戦状のよう。祐一、光代、佳乃、増尾、房江それぞれが悪人だが、見方を変えると、悪人とも限らない。この本は読むときの状況で解釈が変わるよなぁと思う。九州弁?博多弁?が慣れないせいもあり、理解が難しく、どげんかせんといかんけん、複数意訳したとよ!!

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2019/08/20

まるでドキュメンタリーを読んでいるかのような切迫感があった。説明も決して口説くなく、淡々と人間を描いている。一人称視点を複数描き分け、そこでの情報差をうまく物語の推進力に変えていると感じた。主観って怖いな、と同時におもしろいな、と思う。事件が突拍子もないかといったら、そんなことも...

まるでドキュメンタリーを読んでいるかのような切迫感があった。説明も決して口説くなく、淡々と人間を描いている。一人称視点を複数描き分け、そこでの情報差をうまく物語の推進力に変えていると感じた。主観って怖いな、と同時におもしろいな、と思う。事件が突拍子もないかといったら、そんなこともなく、あくまで一つのありそうな事件の域を出ず、だからこそリアルな感じがする。終わり方が、題名の悪人という深みをグッと増すような終わり方で、これが決定的にドキュメンタリーとは違うと感じた。主観とフィクションであることを裏側に隠しながらも、それらをテーマに描き切った作品です。おもしろい!

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2018/12/25

昔、吉田さんの作品を何冊か読んだ時 「自分には合わないな~」と思っていたので、 この『悪人』も気にはなっていましたが、なかなか手をつけられず 今回、映画化で話題になったこともあり今になってやっと読みました。 誰もが良い面と悪い面があり、 一方の人が見ればその人は「善人...

昔、吉田さんの作品を何冊か読んだ時 「自分には合わないな~」と思っていたので、 この『悪人』も気にはなっていましたが、なかなか手をつけられず 今回、映画化で話題になったこともあり今になってやっと読みました。 誰もが良い面と悪い面があり、 一方の人が見ればその人は「善人」で 一方の人が見ればその人は「悪人」であるということは 多々あることなんだと思う。 僕はこの本の登場人物の「悪人」の部分ではなく それぞれが抱える弱さや孤独感に、より感情移入して読んでしまった。 ちなみに僕の中では主人公・祐一のイメージは 妻夫木さんではなく山田孝之さんでした。

Posted byブクログ