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悪人
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悪人

吉田修一【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞社/朝日新聞社
発売年月日 2007/04/06
JAN 9784022502728

悪人

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商品レビュー

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みんなの感想まとめ
  • 悪人の選択
  • 運命の交錯
  • 人間の複雑な感情
  • 死を巡る悲劇
  • 不器用な生き方
  • 読者を引き込む展開
  • 切なさ漂う物語
  • 予想外の結末
  • 深い考察の作品
  • 大ボリュームの読み応え

人間の選択と運命の交錯を描いた作品で、予想外の展開が読者を引き込みます。タイトルから想像する「悪人」とは異なり、登場人物たちの複雑な背景や感情が丁寧に描かれ、特に主人公の不器用な生き方には切なさが漂います。若い女性の死をきっかけに、彼女を取り巻く人々の視点から物語が展開し、それぞれの思いが織りなす悲劇が浮かび上がります。選択の結果としての不運や、時に狂ってしまう運命の歯車が、登場人物たちにどのように影響を与えるのかが深く考察されており、感情豊かな読み応えがあります。大ボリュームながら、じっくりと味わいたい一冊です。

※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。

2010/01/09

一気読み必須

容赦ない。やるせない重さがのしかかる。「悪人」と一言で言うが、それは一体誰なのか?何をもって悪と定義するのか、何が愛なのか。ある殺人事件からスタートする、深い深い物語。一気読み必須。

zxc

2026/09/11

『悪人』を読んでまず感じたのは、これは殺人事件を描いた犯罪小説ではなく、「本当の悪人とは誰なのか」を最後まで読者に問い続ける小説だった。 物語の中心にいるのは、土木作業員として働く清水祐一。出会い系サイトで知り合った女性を殺害した祐一は、その後、同じように出会いを求めていた馬込...

『悪人』を読んでまず感じたのは、これは殺人事件を描いた犯罪小説ではなく、「本当の悪人とは誰なのか」を最後まで読者に問い続ける小説だった。 物語の中心にいるのは、土木作業員として働く清水祐一。出会い系サイトで知り合った女性を殺害した祐一は、その後、同じように出会いを求めていた馬込光代と出会う。祐一が殺人犯であることを知りながら、光代は彼と行動をともにする。普通に考えれば、殺人を犯した祐一が「悪人」であり、それ以上でもそれ以下でもないはずである。しかし、この小説はそこから簡単に終わらせてくれない。 祐一が犯したことは決して許されない。それでも彼の孤独や不器用さ、誰かに必要とされたかった気持ちを知るほど、「人を殺した」という一つの事実だけでは説明できない一人の人間が見えてくる。一方で、直接人を殺してはいなくても、誰かを見下し、傷つけ、自分の都合のいいように扱う人間も登場する。読み進めるほど、最初は明確だったはずの「悪人」の輪郭が少しずつ曖昧になっていく。 特に印象的だったのは、祐一と光代の関係である。二人を結びつけたのは、華やかな恋愛感情というよりも、ずっと抱えてきた孤独だったように感じた。誰かに会いたい。自分を必要としてほしい。自分の存在を一人の人間として見てほしい。そんな切実な思いを抱えた二人がようやく出会う。しかし、その相手が殺人犯だったという事実が、この関係をどう受け止めればいいのか分からなくさせる。応援していい恋愛ではない。それでも、二人が一緒にいる時間にどこか救われてしまう自分もいる。この割り切れなさが『悪人』のすごさだった。 読んでいて何度も考えたのは、人は一つの行動だけを見て、簡単に他人を「こういう人間だ」と決めてしまうということだった。もちろん罪には責任が伴うし、どんな事情があっても許されないことはある。しかし、罪を裁くことと、その人間のすべてを理解したつもりになることは別である。善人にも醜さがあり、悪人にも誰かを大切にしたい気持ちがある。人間は「善」と「悪」の二つにきれいに分けられるほど単純ではない。 だからこそ、タイトルが『悪人』であることが最後まで重く残った。殺人を犯した人間だけを指しているのか。それとも、他人の孤独や痛みに無関心な人間も含まれるのか。あるいは、事情を何も知らないまま安全な場所から誰かを「悪人」と決めつける側にも、この言葉は向けられているのか。読み終えても、その答えを簡単には出せない。 そしてこの作品には、犯罪小説であると同時に、強烈な孤独の物語という側面がある。もし祐一や光代に、もっと早く心からつながれる誰かがいたら。誰かに必要とされていると感じられていたら。もちろん、それだけで事件が起きなかったとは言えない。それでも、人間にとって「誰かとつながっている」という感覚がどれほど大きなものなのかを考えずにはいられなかった。 『悪人』は、悪人の正体を教えてくれる小説ではない。むしろ読み始める前に持っていた「悪人とはこういう人間だ」という単純な境界線を壊してくる小説だった。 人を殺した祐一は、間違いなく罪を犯している。それでも、一人の人間を知れば知るほど、簡単な言葉だけでは裁ききれなくなっていく。 本当の悪人とは誰なのか。 最後まで読んでも答えは出なかった。でも、その答えが出ないことこそが、この小説が長く心に残る理由なのだと思う。 #2026年34冊目

Posted by ブクログ

2026/09/03

すらすら読めて面白かった。 タイトルから「誰が悪人なのか」という問いを立てられることで、読者自身がどこで人を裁くのかを試されるような作品だった。特に佳乃の描かれ方が面白い。友人、親、男、それぞれに見せる顔が違い、そのどれもが一人の人間として成立している。彼女が単純な被害者にも、...

すらすら読めて面白かった。 タイトルから「誰が悪人なのか」という問いを立てられることで、読者自身がどこで人を裁くのかを試されるような作品だった。特に佳乃の描かれ方が面白い。友人、親、男、それぞれに見せる顔が違い、そのどれもが一人の人間として成立している。彼女が単純な被害者にも、嫌な女にも回収されないところに強く惹かれた。両親の存在も含めて、人の価値観や肌感覚を試される感覚がある。 一方で、佳乃を車から蹴り出した大学生はあまりにも分かりやすく悪く描かれていて、少しバランスを欠いて見えた。ただ、読者の感情としては彼の言動が殺人以上に嫌悪されてしまう瞬間があり、そこに人の倫理観の面白さも感じた。そんなはずはないのに、フィクションの中では感情がそう判定してしまう。 祐一は殺人犯でありながら、どこかピュアネスや不器用さを感じさせる人物だった。出会い系サイトや風俗に関わる男であり、決して綺麗な人間ではないのに、どこか妙な好感を持たされてしまう。不器用さは可愛さにも見えるが、同時に怖さでもある。 光代の存在も面白かった。祐一へののめり込みは、選ばれた事実への依存なのか、本物の愛なのか、その境界線が曖昧で、人間的で馬鹿馬鹿しく、それでも恋愛を経験したことがある人間なら少しは分かってしまう感覚でもある。 ただ、「悪人」というタイトルの力が強く、どうしても誰が悪人なのか、どこで悪人と判定するのかという観察の視点になり、深くめり込む感覚には至らなかった。作品自体が読者に判定を促してくるぶん、人物の内側に沈み込むというより、少し距離を取って人間を観察している感覚が残った。 また、度々挿入される小説的な比喩表現も、あまり自分には効いてこなかった。ふと見上げた空や、風景の一部が人物の感情や事件の余韻を背負うような場面があったと思うが、それが人物の内側から自然に出てきたものというより、作品が文学的な余韻を置きにきたように感じる瞬間があった。美しい表現ではあるのだろうけれど、自分には少し外側から添えられたものに見えた。 登場人物たちのインタビューのような独白にも、少し乗りきれなかった。誰に、いつ、なぜここまで整理された言葉で語っているのかが曖昧で、現実の証言というより、作品のために用意された謎空間のように感じた。 それでも、人を悪人と呼ぶこと、人を理解すること、人を愛することの曖昧さを考えさせる作品だった。特に佳乃、祐一、光代の三人は、それぞれ違う形で人間の弱さと矜持を持っていて、読み終えたあとも印象に残っている。

Posted by ブクログ

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