ワーキング・ホリデー の商品レビュー

坂木司【著】

2013/06/13

読書仲間のレビューにあったな～と思い
何気なく手にした一冊。

タイトルは『ワーキング・ホリデー』。
若者がビザを取得し、最長一年間、
海外で過ごす事ができるワーキングホリデー（略してワーホリ）。

26歳の時、このビザを使ってオーストラリアで一年間過ごした私は
てっきり、ワーホリを舞台にした物語なのかと思い込み、
懐かしさに浸ろうと読み始めたら、まさかの全く関係なし（苦笑）！
予想を見事に裏切られましたが
内容自体はとても面白かったです。

行間も広く、会話主体の話の為
数時間であっという間に読み終わりましたが
その中にもハッとさせられたり、ジーンとする箇所がいくつもありました。

元ヤンキーで売れないホストの大和（ヤマト）。
突然、自分を「お父さん」と呼び目の前に現れた少年、進。
ホストを辞め、宅配店で働く事になった大和は
夏休みの期間、進と一緒に暮らす事に。

スッタモンダありながらも、男として、父親として
大和が少しずつ成長していく様が、なんだか微笑ましくて
大和と進を見守るような気持ちで読みました。

他の登場人物もみんな優しくて、あったかくて…
特にジャスミンは最高にかっこよかった。

後半、ナナが言った
「優しい思い出は、心を守る武器になるんだからね」
という台詞。
とても胸に染みました。

今、5歳の息子には、沢山の武器を持たせてあげたい。
そうやって、大人になる前に、可能な限りの武器を与えることが
子育てなのかもしれないなあと思いました。

2013/05/19

良い人しか出てこない、ハートフルなお話。
相手を思いつつも、不器用ですれ違ってしまう大和と進。
何度もすれ違うたびに、周りの人たちに助けられ、少しずつ絆を深めて行く。
甘えることや優しさ、気持を汲むこと伝えることの素敵さが伝わって来ます。
とても温かい気持ちになれます( ´ ▽ ` )ﾉ
すべての人に、オススメ。

2013/04/29

笑って、泣けて、楽しめました。
読み進めるうちに、ドラマになったらこの役はこの人で…なんて考えてました。
でも、こんな事を読者に考えさせるだけあって、既に映画化されていたんですね。
つぎはDVDで楽しませて貰おう！

2013/04/21

元ヤンキーでホストの大和がホストを辞め宅配ドライバーとして奮闘。そして突然現れた息子との交流を描くハートフルな物語。著者の坂本さんは”ひきこもり探偵シリーズ”が有名な、プロフィールを公開していない方のようです。

軽い文体で最初はなんだかなあと思いましたが、テンポがよく最後まであっという間でした。この本の一番のテーマは父と息子だと思いますが、大和が息子をおんぶして歩くシーン、そして、”間に合わなくても、せめて一回くらいおんぶさせろよ”、と思うところ、電車の中で読んでましたが目頭が熱くなってしまい困りました。特に息子のいるお父さんがぐっとくる本だと思います。私も息子がいるので、こうした”父と子”ものに弱いです。

2013/04/02

何だかんだ言いながら、父親として奮闘する大和っていいお父さんだと思う。ホスト仲間（特にジャスミンさん）もハチさん便の仲間も人情に厚い人ばかり。悪い人がいない話ってほっこりしてていい。疲れてる時も安心して読めます。

2013/03/30

子どもってかわいい!小学生ってかわいい!
どんなにしっかりしていても、大人びていても心は純粋、無垢そのもの。
読んでいる側も、優しい気持ちになり、切なさに涙ぐんでしまう。
寝ていた進くんの手の中からハニービー・キャリーのミニチュアが出てきた時は胸が張り裂けそうになってしまった。
登場人物それぞれの濃いキャラクター色も楽しかった。
久しぶりに心躍る作品に出逢えたなーという感じ。

2013/03/23

これの続編のほうの『ウィンター・ホリデー』を先に読んだあと、こっちは予約待ちしていた。

元ヤンキーでホストの大和の前に、「おとうさん」と小5の進があらわれる。誰だこいつと思うも、どうも自分が知らない間に、元カノが一人で産んで育てた息子らしい。店で客に手をあげてホストをクビになった大和は、経営者ジャスミンに宅配便の仕事を紹介されて、昼の仕事にかわる。

大和のもとに進が転がり込んで一緒に暮らした夏休みが、「ハチさん便」の仕事に精を出す大和と、まるでよくできた主婦のような進と、その周りの大人たち、子どもたちを交えて描かれる。

▼「どうせぼくのあだ名は『お母さん』だよ！　神保くんて見かけは悪くないのに、中身がおばちゃんみたいって言われてるよ！」（p.45）

この"おばちゃん入ってる"小学生と、いきなり小5の息子があらわれて親子関係にジタバタする俺との、ひと夏の悲喜こもごも。

言葉で説明するよりも手が先に出がちな大和の言動を"翻訳"してくれる元上司や元同僚のサポートもあって、大和と進は、父と子の関係を少しずつ築いていく。

大和なりに、子どもをいつ叱るか、何をホメるかには理屈がある。それをジャスミンが進に言い聞かせる。「あのね、ヤマトは取り返しのつくことに関しては怒らないわよ。ただね、取り返しのつかないことは許せないの」と。「取り返しのつく状況で引き返せること。これが大事なのよ」というジャスミンの言葉は、なんか、じーんときた。

（3/23了）

2013/01/28

元ヤンキーの売れない(？)ホスト・大和を「お父さん」と呼ぶ小学生が現れて…な話。

ジャスミンが粋でした。
リヤカーの宅配は大変だよね。
短時間であっさり読めた。

進はちょっと出来すぎくん。

ウィンターホリデーは冬休みの父子の話かな？

2013/01/20

テレビドラマのノベライズみたいなお話だなぁ、というのが読み終えての第一印象。
元ヤンでホストで突然小学生のパパになったヤマトが、宅配業のリアカードライバーとしてがんばる熱いひと夏の物語です。

小姑的進がとてもかわいらしく愛おしい。
試行錯誤しながら、少しずつ近づいていく二人の関係がいじらしくあたたかい。

ヤマトパパの言葉、ときどきはっとするほどかっこいい。
ないけどありだよねってくらいなのがおもしろくていいですね。

2012/12/20

やはり安定の坂木司でした。元ヤンホストの大和と息子のお話。坂木さんで子供がらみの話と言うだけでやられます。