メタボラ の商品レビュー
沖縄の夜。森で出会った男ふたり。一人は職業訓練校からの脱走者、いま一人は自分の事すらわからない、記憶喪失の男。 足下のおぼつかないままただ生きる。時たま浮上する記憶の暗部と自分の正体に怯えながら。 沖縄問題、政治、性産業、派遣労働、ワーキングプア、DV、家庭崩壊、ネット自殺、セ...
沖縄の夜。森で出会った男ふたり。一人は職業訓練校からの脱走者、いま一人は自分の事すらわからない、記憶喪失の男。 足下のおぼつかないままただ生きる。時たま浮上する記憶の暗部と自分の正体に怯えながら。 沖縄問題、政治、性産業、派遣労働、ワーキングプア、DV、家庭崩壊、ネット自殺、セクシャルマイノリティ、外国人労働者・・・現代日本の暗部とも言える数々の事象が主人公“ギンジ”の記憶とともに浮上しては消えて行く。どろりとした手触りとともに嫌な感触を残して消える、現代の底と絶望を描く桐野夏生らしい作品。
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記憶喪失の物語。 しかし単に自分とは何かを探すというだけの物語ではない。 作者は登場人物を極限の状況に追い込んで、その存在理由を問うてくる。 主人公が放浪し続けるのはアメリカ文学みたいです。
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いろいろ盛り込んであって飽きさせない。「ちゃみる」という方言は気に入って時々使っている。中国人への淡い恋心の部分は、相当感情移入してしまい、切なくなった。
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2009.02.森の中を必死に逃げていた.自分の名前もわからない記憶喪失.逃げている時にであった昭光からギンジという名前を付けてもらう.ギンジは安楽ハウスで働くようになるが、記憶が徐々に蘇る.ネット集団自殺から逃げてきたのだった.昭光はホストになるが客に逃げられてしまう.それなり...
2009.02.森の中を必死に逃げていた.自分の名前もわからない記憶喪失.逃げている時にであった昭光からギンジという名前を付けてもらう.ギンジは安楽ハウスで働くようになるが、記憶が徐々に蘇る.ネット集団自殺から逃げてきたのだった.昭光はホストになるが客に逃げられてしまう.それなりには面白いが、内容や終わり方が嫌な感じ.
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主人公の二人の違いすぎる境遇の対比が面白く、 新聞連載中から毎日楽しみに読んでいた。 改めて読むと、暗い話なんだけど最後はなんとなくスカッとした。 でもあれから二人はどうなるんやろ。。。。 生きてサバイバルして欲しいな。
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記憶を失った青年と家出してきた少年が出会い 沖縄を舞台に生活していく様子を描いた作品。 これ結構面白かったです。 楽天的で色男のジュークがいいキャラでした(笑) まぁラストまでドキドキしながら読めました。 彼らがその後どうなるのか気になるなぁ。。
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なんて贅沢に、ひとつの本にこれだけのテーマを詰め込んだことか! 桐野さんの中では、かなり救いのある方では? サインをいただいた本なので、そういう意味でも特別。
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集団自殺の生き残りとして記憶をなくしたギンジと、宮古島の若者昭光。実にヌルい感じの二人がヌルい感じで語り、流れてゆく。そのこと自体がテーマなのかもしれないが、半分ぐらいまでしか読めなかった。評判はよいみたいなので、最後まで読むと得るものがあるのかもしれない。
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図書館にて。 この作家にしては、救いのあるラストと思ったのは私だけ? すごく分厚い本だったけど、読み始めたら止まらなくなりあっという間に読了。 相変わらずの世界観に、読み終わった夜、悪い夢を見ました。 でも好き。
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桐野夏生の朝日新聞連載小説。 ちょうど、偽装請負が朝日新聞で追求されていたときに 掲載されたもので、1人の若者が現代日本社会で 生きてゆく中の困難さを本当にリアルに描けている。 対照的に沖縄の能天気な青年が出てくることで 作品におもしろさが加わっているが、その青年でさえ、 悲劇に...
桐野夏生の朝日新聞連載小説。 ちょうど、偽装請負が朝日新聞で追求されていたときに 掲載されたもので、1人の若者が現代日本社会で 生きてゆく中の困難さを本当にリアルに描けている。 対照的に沖縄の能天気な青年が出てくることで 作品におもしろさが加わっているが、その青年でさえ、 悲劇に見舞われるところが、桐野夏生らしくてちょっとハード。。。。 でも、これを読むと、簡単に転落していく過程が追体験できて 小説のすごさを身に沁みて感じる。 これを読むのと読まないのとで、苦しんでいる若者への共感に 大きな差ができるのでは、と思える社会派小説だと思う。
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