天と地の守り人(第一部) の商品レビュー

上橋菜穂子【作】,二木真希子【絵】

2009/10/04

守り人シリーズを読破されている人にとっては、嬉しいシーン満載の一冊。最終章に突入したシリーズですが、それにふさわしいものとなっています。
シリーズどの巻もそうですが、上橋さんの筆力は、飽きさせない、異世界だけど違和感を感じさせない、キャラクターと世界観の深さを網羅して表現しています。読みながらずっとドキドキするし、言語だとか神話だとか国民性だとかがしっかり設定されていて、それが口説くなく説明されているし、バルサの心理面と性格がしっかり混ぜ合わされた描写がそこかしこにあるし……。バルサが１つところに落ち着こうか、自分には無理だ、と考えているところが好きです。
一番ドキドキしたのは、やっぱりバルサがチャグムを助けるところ。
『気がついたときには、バルサは、自分より背の高い若者に抱きしめられていた。』（P323L2）
どうですかこれ！（興奮中）自分より背の高い若者！　ここがサイコーでした。児童書ですし、単語単語はもちろん何てことないんですが、この連なりを選択できるところが上橋さんだと思います。

2012/02/19

守り人シリーズ・旅人シリーズが重なって終結に向かう。〜新ヨゴ皇国は南のタルシュ帝国の侵攻に鎖国を決し，ロタ王国やカンダル王国との同盟を考えない。誘拐された皇太子チャグムを救うために奔走し，カンダル王国への道で再会を果たした。カンダルとロタの同盟がなれば，タルシュの内部事情で新ヨゴを救う道も見えてくる。〜途中まで前に読んだ話の筋を思い出せずに苦労した。ということは，初めてこれを読む人は訳が分からないだろう。独特の単語も結局＜＞付きで説明しなくてはならない。でも，ようやく物語の結末が見えてきた。彼女はオボリジニーの研究で博士号を持つらしい。第二部はいつ出るのやら。