がらくた の商品レビュー
ありそうでない話。もしこのストーリーが現実にあったと想像して読んだらむず痒くて落ち着かない。 あくまで『お話の中の人達の世界での恋愛』なのだからと言い聞かせながら読んだ。 自分の恋愛価値観と違った相手を愛してしまったら。しかも狂うぐらい不安になる程、自分が変わってしまう程の相手を...
ありそうでない話。もしこのストーリーが現実にあったと想像して読んだらむず痒くて落ち着かない。 あくまで『お話の中の人達の世界での恋愛』なのだからと言い聞かせながら読んだ。 自分の恋愛価値観と違った相手を愛してしまったら。しかも狂うぐらい不安になる程、自分が変わってしまう程の相手をパートナーに選んだなら。 初めて読んだ感想は私が桐子じゃなくてよかった。でした。このお話が続くなら、美海を含めてより複雑になったあの人達の関係が一体どんなふうに共存していくのかな。
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江國さんらしい、全体的にオシャレな雰囲気の本だった。 既婚者の柊子さんと高校生の美海ちゃん(ミミちゃん )が交互に語る、柊子さんと原さんの不思議な夫婦関係が面白い。 ミミちゃんの一人で平然と外国の海で堂々と寛げたりする、大人っぽい一面が凄くカッコ良かった。 日本の学校のクラスメイトと馴染めなくて、同い年の友達もいないんだけど、独りでも全然気にしたりせずお昼は「机の椅子より見晴らしがいいのよね」とか言って、ロッカーに座って優雅にサンドイッチかじっちゃうとこなんて、痺れちゃいました。 ただ、ふいにつるむ仲間がいないことに孤独を感じちゃったりして、そこが思春期の高校生らしくて、可愛かったです。 ミミちゃんはよくイヤフォンをつけて音楽を聞いてるんですよね。 それは街で一人の孤独をまぎらわしたり、世間から完全に遮断するためなんですかね。 日本は特に群れたがりの人が多いなか(特にミミちゃんはわベタベタくっつきたがる同級生をを嫌ってる)、一人イヤフォンをつけて東京の街を颯爽と歩くミミちゃんはカッコよく見えました。 ただ、柊子さんの旦那さんの原さんの魅力はよく分からなかったかなぁ……。 柊子さんも何故あんなにベタ惚れなのか分からないし、だいいちガールフレンドが沢山いる旦那ってどうなの……? しかも自分の妻に、「君が誰と寝ても悲しくないし、寝たいなら他の男と寝ていいんだよ 」って、言っちゃう旦那ってどうなんだ~!! しかもミミちゃんも、何故そんな男が良かったのか、全くの謎でした。 個人的には、初めの章の柊子さんと桐子さんが旅行をしてる章が一番好きだなぁ…。 海やスパに行って、ホテルに戻ってお風呂に入って、ホテルのレストランで食事。 優雅で怠惰な凄くオシャレな雰囲気が漂ってて、一緒にその空間に居るみたいに感じられました。 柊子さんが私達は旅行に行っても、観光にも興味ないし、買い物に熱意もない。東京に居るときと同じように、行動するのにヒンパンニ旅するのは、きっと旅が好きだから、というのには共感出来た。移動して、様々な土地の空気を吸うこと。それが柊子さんと桐子さんには大切なことで、私もそれが旅行の醍醐味みたいなもんだなぁ。 旅先で読む本は、また一味違うもんね。
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散歩をしたい と誘った 歩きながら待てばいい 随分くらいな、怖くないですか? あなたがここにいるのに? 性急であるが、乱暴ではない 空々しい甘言など一切弄さず、心からの気遣いで 愉快そうにしていたので安心して嬉しかった こういうことになるのはもう少し後だと思っていました こういう...
散歩をしたい と誘った 歩きながら待てばいい 随分くらいな、怖くないですか? あなたがここにいるのに? 性急であるが、乱暴ではない 空々しい甘言など一切弄さず、心からの気遣いで 愉快そうにしていたので安心して嬉しかった こういうことになるのはもう少し後だと思っていました こういう風に始めることに慣れていらっしゃるんですね 物事は始めるものじゃなくて、通過するもの
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コツコツと読み逃していた江國さんの作品を読みます。なぜだか飽きません。 翻訳家の柊子とプーケットで会った少女、ミミちゃん(美海)の物語。 ぴしゃりとした物言いの柊子の母親桐子さん、特定多数の恋愛を続ける柊子の夫の原さん、ミミちゃんの相手をする亘くんなど登場人物が魅力的で、(いつ...
コツコツと読み逃していた江國さんの作品を読みます。なぜだか飽きません。 翻訳家の柊子とプーケットで会った少女、ミミちゃん(美海)の物語。 ぴしゃりとした物言いの柊子の母親桐子さん、特定多数の恋愛を続ける柊子の夫の原さん、ミミちゃんの相手をする亘くんなど登場人物が魅力的で、(いつもの淡々とした日常物語ではなく)ドラマチックな物語でした。 文章の調子は『真昼なのにくらい部屋』を読んだ後だからか漢字が多く感じられ、多少スノッブな雰囲気が感じられました(!?)。 結婚しても夫婦で恋愛し続けるというテーマ、なのかな。 これって数々描かれている江國さんの願望でしょうか。 そうじゃない、「家族になりたい」という人たちにとっては不快な作品かもしれません。 結婚してないからわからないですが。 そのようなことが、江國さんにしては答えをきちんと描いていて、すっきりわかりやすいと感じました。 最後のほうで未亡人であるさやかさんが、「生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ」と話すシーンで、柊子の試みは苦しい試みであることがわかります。 原さんと柊子の甘い描写やミミちゃんの描写は、ポンちゃん(山田詠美さん)の作品を読んでいるような気分になることもありました。 ミミちゃんはいつもイヤフォンをしていて、亘くんから教えてもらったステッペンウルフの「born to be wild」なんかを好んで聴いていますが、バーでそれを流されたときのシーンは、原夫婦のつながりを感じて、喜んでいるミミちゃんが滑稽でかわいそうに思えてしまった。 タイトルの「がらくた」は、未亡人のさやかさん家で見た捨てられないものが象徴しているのかな。それは、桐子さんの部屋にも通じるものがあり、夫婦の間に横たわる捨てられない何かなのかな、と思いました。
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前に読んだ時はこんな暮らし方が羨ましかった。今は、こういうのが羨ましくないわけじゃないけど、これとは違う、もっと庶民的な普通の暮らしに憧れる。何でだろう。空虚だからかな。無理だから?疲れそうだから?
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大人になっちゃった人向けの少女漫画、ラブストーリー。 現実社会で起こりうるであろうことを踏まえた上で女性が切に望むこと。
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この本に対していろんなレビューがあるけど、私は好きだな。もちろん柊子にもなれないし、原さんのことも現実では理解できないしで。美海や桐子さんは好き。でも感情移入する必要はなく、はたから見るとみんな好きだ。皆自身にものすごく正直で、正直すぎるほど愛し、また欲するものすべてに対して貪欲...
この本に対していろんなレビューがあるけど、私は好きだな。もちろん柊子にもなれないし、原さんのことも現実では理解できないしで。美海や桐子さんは好き。でも感情移入する必要はなく、はたから見るとみんな好きだ。皆自身にものすごく正直で、正直すぎるほど愛し、また欲するものすべてに対して貪欲。そして、つきつめている。人間として確かに、ある意味『完璧』だと思う。本当はこんなようにすべてを受け入れれば、争いごとなんてなくなるのでは。それを示してるのは美海のママかな。美海のママは、現実世界でいう『普通』なんだろう。普通、この話は受け入れられないんだろな。 江國さんの作品の中でかなり好きな位置にはいります。行間に漂う、しっとり、シュールな雰囲気も好き。読めてよかった。
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130224*読了 柊子さんと、美海ちゃん。 二人の女性が語る。一人称。 江國さんの小説は、どんなことが起きても、冷静というか、平穏な海のようだと感じる。 それに居心地のよさを感じる。 ただもう、ひたすらに好きだ。
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・美海と柊子の対比。 ・美海=変わっていくもの。柊子=変わらないもの。(変わることを畏れ、止めてしまったもの) ・美海のスピード感。柊子の停滞感。 ・柊子の物語から始まり(スロー)、美海で終わる(スピード感)。 ・ジャムは、終わらないものの象徴。 ・桐子さんと亘くんの存在の大きさ...
・美海と柊子の対比。 ・美海=変わっていくもの。柊子=変わらないもの。(変わることを畏れ、止めてしまったもの) ・美海のスピード感。柊子の停滞感。 ・柊子の物語から始まり(スロー)、美海で終わる(スピード感)。 ・ジャムは、終わらないものの象徴。 ・桐子さんと亘くんの存在の大きさの意味は?(よく分からない・・・)
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タイトル、『がらくた』は何を指してるのだろう。 お金持ちの老夫人とその娘がプーケットを旅して出会った少女と3人(みんな日本人)の人間模様。 物語は4話あって、1話と3話が娘、2話と4話が少女が主人公。娘の目線、少女の目線と両方から物語は語られる。 娘の旦那に恋する少女。 縛ら...
タイトル、『がらくた』は何を指してるのだろう。 お金持ちの老夫人とその娘がプーケットを旅して出会った少女と3人(みんな日本人)の人間模様。 物語は4話あって、1話と3話が娘、2話と4話が少女が主人公。娘の目線、少女の目線と両方から物語は語られる。 娘の旦那に恋する少女。 縛られない関係を求める娘の旦那。 苦しいけど、旦那に恋する娘。 娘と関係を結ぶ少女の父親。 どれをとっても誰をとってもがらくたのような気がする。(笑) 唯一、お金持ちの老婦人、桐子さんだけはしゃんとしてて粋だ。 江國さんの小説は、「20代の時よく読みました。」とか、「20代で卒業しました。」とか聞くなぁ。大人の本。と言うイメージ? だから若い20代はあこがれるのかな。 私にはこんな大人な(笑)関係は理解しがたいのだが。。 なんてうだうだ書いて、結局、桐子さんちのサイズの合わない家具や装飾品ががらくただったのかなとか思ったり。良く分からない話だった。まだまだ大人にはなりきれないようだ。。。
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