「甘え」の構造 増補普及版 の商品レビュー
現在の世界のポリコレを理解する上で参考になる 甘えとは相互依存について強固に同じコミュニティには甘い、ダブルスタンダードなのはここに品質があるように感じる
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日本語教育者の中では必読の本。日本語の構造を「甘え」の視点から考察された名著。 元は難しい論文を土居先生なりに優しく伝えてくれているものの、ゆっくり読んでやっと理解できるやや難解本です。
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かなり昔読んで感銘を受けた本で、今一度読み直してみたくなって手に取った。 読み直してまたそのすばらしさに感動した。 日本人を考える上でとても参考になるし、今の世の中の問題点についても、ヒントになることが多く書かれていると思う。 この生きづらい、世知辛い世の中は、甘えを必要とする日...
かなり昔読んで感銘を受けた本で、今一度読み直してみたくなって手に取った。 読み直してまたそのすばらしさに感動した。 日本人を考える上でとても参考になるし、今の世の中の問題点についても、ヒントになることが多く書かれていると思う。 この生きづらい、世知辛い世の中は、甘えを必要とする日本人が甘えを許さない世の中に変えてしまったところに大きな原因があるのではないか。甘えを受け止めてくれる人が少なってしまったことが、生きづらい社会の要因なのではないか。年功序列、終身雇用を廃したことによって日本特有の甘えが許された家族的な会社ががなくなったことがが経済衰退の一因にもなっているのではないか。甘えの要素は日本人にとってとても大きなものであるように思う。
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人の心理について、心の動きや昨今の変化を「甘え」という概念で説明できるよ、と言う本。「甘え」は日本特有の語だそうで、この言葉があるなしではその感情に気づけるかが全く違う、と繰り返し書かれていた。言葉を知るとは概念を獲得するということなのだなあと思った。難しかったけど面白かった。
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日本人を内観する書ではあるが、会社での組織運営でも活用できると思い、手に取る。著者は甘えを、『受け身的愛情希求』と説明するが、会社内で『これは問題だが、誰かがやってくれる。』的な行動にも近いことを感じる。経済がグローバル化し、仕事のやり方も競争相手もそうなってきている昨今、日本的...
日本人を内観する書ではあるが、会社での組織運営でも活用できると思い、手に取る。著者は甘えを、『受け身的愛情希求』と説明するが、会社内で『これは問題だが、誰かがやってくれる。』的な行動にも近いことを感じる。経済がグローバル化し、仕事のやり方も競争相手もそうなってきている昨今、日本的な良さもさることながら、『天は自ら助くる者を助く。』で動いてほしい。 本書は定番の古典であるが、著者により増補されている。ただ、全体の構成として著者の論説が多く、データに基づいた考察や比較が弱いので、著者の主義主張の印象が残る。
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「タテ社会の人間関係」(中根千絵)、「菊と刀」(ルース・ベネディクト)などと並んで、日本人論の代表作ともいえる本書ですが、切り口はかなりユニークで、「甘える」という概念から日本人を議論しています。甘えるとは他者への依存心でありますが、これはつきつめると他者との同一感、一体感を得た...
「タテ社会の人間関係」(中根千絵)、「菊と刀」(ルース・ベネディクト)などと並んで、日本人論の代表作ともいえる本書ですが、切り口はかなりユニークで、「甘える」という概念から日本人を議論しています。甘えるとは他者への依存心でありますが、これはつきつめると他者との同一感、一体感を得たいという欲求でもあります。著者によれば人類、果ては犬までも甘える行為は見られるものの、「甘える」というような言葉は他の言語ではほとんど見られないとのこと(英語でも甘やかすという意味でのindulgeなどありますが、自分が能動的に甘える、という言葉はない)。つまり日本人は人間の本能的な行為をやまと言葉で発明したわけですが、甘えると関係した語彙が日本語には豊富であることを示します。 ほとんどの人がそうだと思いますが、「甘える」という言葉自体は小さいころから知っていて(〇〇ちゃんは甘えん坊ですね、と親戚や知り合いの大人から言われる)、それが何を意味しているかはわかっているものの、著者ほど深く考える人はいないでしょう。私自身も人生で初めて「甘えるとは何か」というお題を深く考えさせられた気がします。 甘えることは依存欲求ではありますが、より根源的には同一化欲求である、という説明は腹落ちしました。すると日本には「同調圧力」という言葉がありますが、実はその圧力は外部からというより自分自身の内部から生まれているのではないかとも感じました。またコロナウイルスによってサラリーマンの多くが強制的にテレワークをしましたが、テレワークに反発する人も多かったと聞きます。これなどは日本人の「甘え」、つまりテレワークでは組織との一体感、同一感が失われるとする危機感のあらわれと見ることも可能かと思いました。 本書では日本だけでなく西洋(欧米)との対比もなされていますが、私が最も興味深かったのは、なぜ欧米人は個人主義が進んだのか、という点についての最後の著者の主張です。欧米でも中世までは単一組織にしか所属することが許されていなかったが、近代化の過程で複数の集団に所属することができるようになった。これこそが自己意識、あるいは個人主義の強まりにつながっているのであって、確かに1つの組織への忠誠を誓わされ、転職や副業も欧米ほどは容易でない典型的な日本企業に働いている人の場合は、「その組織から放逐されないこと(同一化を維持すること)」が最大の関心事になるのでしょう。つまり裏返せば、日本でも転職や副業/兼業が欧米並みに当たり前になったとき、「甘え」は徐々に見られなくなる、ということなのかもしれません。本書は様々な思考のきっかけを与えてくれる良書でした。
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少しクセが感じられる文体のため、読み手の合う合わないがはっきり分かれる書籍。 「甘え」というファジーな言葉の意味付けや、外国との比較論はとても興味深い内容。 これが何十年も前に書かれているということに驚きました。 今読んでも十分通じる内容です。 そういうものだから仕方ないと言...
少しクセが感じられる文体のため、読み手の合う合わないがはっきり分かれる書籍。 「甘え」というファジーな言葉の意味付けや、外国との比較論はとても興味深い内容。 これが何十年も前に書かれているということに驚きました。 今読んでも十分通じる内容です。 そういうものだから仕方ないと言われればそれまでですが、いかんせん本書で定義する「甘え」の管掌範囲が広すぎて、読んでて何度か迷路にハマりました笑 個人的には文体が少し肌に合わなかったので星2つ。
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「甘え」という言葉に甘えている本。 納得出来た部分も沢山あったけど、「甘え」を大きく取りすぎて、何かしら「共」にする関係性を甘えとしてしまっている様に感じてしまった。 p. 21 ある国民の特性はその国語に習熟することによってのみ学ぶことができよう。国語はその国の魂に内...
「甘え」という言葉に甘えている本。 納得出来た部分も沢山あったけど、「甘え」を大きく取りすぎて、何かしら「共」にする関係性を甘えとしてしまっている様に感じてしまった。 p. 21 ある国民の特性はその国語に習熟することによってのみ学ぶことができよう。国語はその国の魂に内在するすべてを含んでおり、それ故にそれぞれの国にとって最上の投影法なのである。 p. 65 日本では、集団から独立して個人のプライベートの領域の価値が認められていない。したがって人格の統合の価値が認められるということもあまりない。このことは先に遠慮を積極的に価値づけるプライバシーの観念が従来日本に乏しい、と述べたことと関係がある。
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なんと初版1971年で、50年経った今でも版を重ねるロングセラー。本屋でよく目にしていたが、読んでみると思っていたのとは違い、言語学と心理学と宗教学の視点から「甘え」とそれと関連する言葉の分析がされている硬派な内容だった。 ところで、こういう日本人と欧米人との違いとか日本人の特殊...
なんと初版1971年で、50年経った今でも版を重ねるロングセラー。本屋でよく目にしていたが、読んでみると思っていたのとは違い、言語学と心理学と宗教学の視点から「甘え」とそれと関連する言葉の分析がされている硬派な内容だった。 ところで、こういう日本人と欧米人との違いとか日本人の特殊性について論じた本が昔と比べて減ってきているような気がする。 日本人の外人に対するコンプレックが小さくなったのだろうか? 年下に対して根拠もなく偉そうだと言われる高齢者の人は読んだ方がいいんじゃないかと思う笑
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西洋にない日本独特の考え方として「甘え」という概念があり、これをキーワードに社会問題や精神構造にまで踏み込もうという本書。 ではあるが、正直言葉の解釈ばかりでピンと来るものが無かった。古典的名著と言われているが。。
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