「甘え」の構造 増補普及版 の商品レビュー
この本は、ユーチューブのアバタローさんが紹介している本だったので読んでみました。 この本には、「甘え」という言葉は、日本にはあるが欧米にはない!!と書かれており、「え!そうなのか!」となり、とても興味を持って読み進めることが出来ました。 「甘え」という言葉のから、その意味、海外と...
この本は、ユーチューブのアバタローさんが紹介している本だったので読んでみました。 この本には、「甘え」という言葉は、日本にはあるが欧米にはない!!と書かれており、「え!そうなのか!」となり、とても興味を持って読み進めることが出来ました。 「甘え」という言葉のから、その意味、海外との比較、日本の歴史、社会、親子関係等などを紐解いていく本書は、とても面白く、さすが名著として読まれている本だと感心しました。 ぜひぜひ、読んでみてください。
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日本における幼児的依存の証拠が天皇という存在・制度/個人は集団を超越できない/甘えの不満が募り対人恐怖症を生じている/「気がすまない」心理/同性愛は母親への密着の帰結/道徳的マゾヒズム/日本語では害を受けた時に受身を使う/世代間境界の喪失/人類的退行現象は死に至る病か/「甘え」は感情なのか欲求なのか本能なのか
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「甘え」という概念を 精神医学的、歴史、日本言語、それぞれを横断的に 分析、解釈。そこから派生して 「気ままに」、「気がすまない」など 日本人的感覚と言語が興味深い。 海外での生活や文化、習慣と比較もあり。 1971年初版、2007年増補普及版という 大ロングセラー。
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昭和に書かれた本だが、現代でも十分あてはまる。読んだ感想、甘えとは子供のものとしては自然。大人のものとしてはややいびつ。日本人は甘えの性質を強く持ちがちらしい。集団では強く、個では弱い。少しずつ、これが時代とともに薄れていると思いたい。もっともっと、日本人は強く幸せになってほしい...
昭和に書かれた本だが、現代でも十分あてはまる。読んだ感想、甘えとは子供のものとしては自然。大人のものとしてはややいびつ。日本人は甘えの性質を強く持ちがちらしい。集団では強く、個では弱い。少しずつ、これが時代とともに薄れていると思いたい。もっともっと、日本人は強く幸せになってほしいと思った。
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すごく抽象的でフワフワしていることを言っているように感じるのは、それこそ「甘え」という概念が日本人にとってあまりに当たり前すぎて、言語化する対象となりにくいからではないか。 この本の言っていることは、山本七平の「空気の研究」ととてもよく似ている。四半世紀以上も前の本なのに、今の...
すごく抽象的でフワフワしていることを言っているように感じるのは、それこそ「甘え」という概念が日本人にとってあまりに当たり前すぎて、言語化する対象となりにくいからではないか。 この本の言っていることは、山本七平の「空気の研究」ととてもよく似ている。四半世紀以上も前の本なのに、今の世の中のことを語っているのかと思われる点も同じだ。 日本を海外から見るなどして、相対化した視点で見ている人にはよく共感されると思う。 「空気の研究」は日本と欧米社会の違いの源泉をキリスト教に見ているが、本書はそこまで至っていない。日本人がそこまで「甘え」に固執し社会的に許容している理由は何なのか?と問われても、筆者に明確な答えはないと思われる。そこだけが残念だった。
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面白かったです。 海外に住んでいたときに、その国と日本の文化との違いに悩むことがあり、モヤモヤすることがありました。 この本はモヤモヤを言語化してくれているように感じました。
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私にとって大変難解な書物でした。精神医学の専門家の著者の展開する際に使う用語が腹落ちしないこと、また著者の主張に共感できない(それ以前にどうもしっくり頭に入ってこないこと)だったからかと思います。もちろん所々理解できるところもありましたが、全体としてどうにも理解できない本でした。 余計なことかもしれませんが、本書が上梓された1971年という時代を考えてみます。 大東亜戦争敗戦が1945年。本書にもありますが、敗戦するや否や「鬼畜米英」が、親米英民主主義に180度転換したことによる、思想界の大混乱。それによる日本人のアイデンティティの喪失。ここから日本人についての再定義が始まったのか新しい思想の潮流が生まれたと想像します。 そんな中で米国に滞在した著者はアメリカ人の振る舞いがあまりに日本人と異なることに衝撃を受け、「甘え」こそがその根底にあると見立て展開したのが本書 本書が刊行されたのが1971年。しかしそれ以後は日本経済はさらに絶頂期を迎えバブル、そしてグローバル経済に取り込まれ現在があります。 問題点は本書で指摘されているところに源流を持つのかもしれませんが、私は現在の日本の問題点の根っこに甘えがあるのか本書を読んでもよくわかりませんでした。 1945の敗戦からの思想界の末席に身を置いて甘え論を身につけて今の時代を見たら「甘え」というキーワードが時代を解く鍵になったかもしれませんが。。。。。 2020年の今を生きる私は本書を読んでもただただ混乱するだけでした。
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第一章「甘え」の着想で著者が渡米した際に体験したカルチャーショックのエピソードが面白い。これは他の著者の本でも紹介されていて既に読んだ覚えのあるエピソードだが、改めて本家本元で読むとまた面白い。 「甘え」は親しい二者関係を基盤とする。 「甘やかし」と「甘ったれ」は無責任。 『...
第一章「甘え」の着想で著者が渡米した際に体験したカルチャーショックのエピソードが面白い。これは他の著者の本でも紹介されていて既に読んだ覚えのあるエピソードだが、改めて本家本元で読むとまた面白い。 「甘え」は親しい二者関係を基盤とする。 「甘やかし」と「甘ったれ」は無責任。 『要するに人間は誰しも独りでは生きられない。本来の意味で甘える相手が必要なのだ。自分が守られていると感じることができなければ、ただの「甘やかし」や「甘ったれ」だけでは、満足に生きられない。』 甘えの心理を示す日本語として「甘える」だけではなく、多数の言葉が甘えを表現している。たとえば「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」はいずれも甘えられない心理に関係している。「すねる」のは素直に甘えられないからそうなるのであるが、しかしすねながら甘えているともいえる。「ふてくされる」「やけくそになる」というのは「すねる」結果起きる現象だし、甘えないように見えて根本的な心の態度はやはり「甘え」であるといえる。 また、精神分裂病で異常な自我意識を持つ人々について 『…甘え欲求は潜在しているが、しかし甘えによる他者との交流が過去に全く経験されていないと思われる場合である。彼らには「自分がある」という意識が発生する土壌がもともと存しなかったのであり…』と考察している。これなどは精神の病を来している人の歪みの根本をよく表しているように思う。 『甘えは、人間交流を円滑にするため、欠くべからざるものである』 人間的基盤をつくる上で、甘えの経験が必要なのだということがよくわかる。
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2020年1月24日読了。相手に決断を委ねつつ期待して圧力をかける「甘え」という人間関係について、日本で顕著に認識されるそれが米国社会では容易に言語化できないこと、とはいえ精神病の治療現場の中ではこの概念が重要になること、また母子間では文化を問わず普遍的に見られること、などを論じ...
2020年1月24日読了。相手に決断を委ねつつ期待して圧力をかける「甘え」という人間関係について、日本で顕著に認識されるそれが米国社会では容易に言語化できないこと、とはいえ精神病の治療現場の中ではこの概念が重要になること、また母子間では文化を問わず普遍的に見られること、などを論じて解説していく本。古典的な書籍だが、非常にスリリングに興味深く読めた。「甘え」のような、日本人なら誰でもそうと分かる概念や状態だが、英語で説明することは難しい、というものが度々紹介され、自分の認識している世界とは一つではなくある角度から・バイアスを伴って見ている世界の一部でしか無いのだな、ということを改めて思い起こさされる。これだから違う世界に触れられる読書は面白い…。「甘え」というと悪いものと捉えがちだが、それを観察し、その意味を考察することが大事か。
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「甘ったれ」ではなく正しく「甘え」られるような、本物の愛が内在化された存在になるためにはどうすればいいんだろうね。 家族を出発点として周囲に発露していくべきものが、家族の形の変化によって成り立たなくなっているということなのか。 大人と子どもの境目がなくなってるって、この本が書か...
「甘ったれ」ではなく正しく「甘え」られるような、本物の愛が内在化された存在になるためにはどうすればいいんだろうね。 家族を出発点として周囲に発露していくべきものが、家族の形の変化によって成り立たなくなっているということなのか。 大人と子どもの境目がなくなってるって、この本が書かれた昭和の時代から言われていて、どんどんエスカレートしている現代が恐ろしく感じた。
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