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人間失格 の商品レビュー

4

230件のお客様レビュー

  1. 5つ

    71

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/11/21

あまり共感できる部分がなかった。 若い頃に一度でも読んでいたら、人生観が変わっていたのかもしれない。 自らの人生を失格と決めつけず、生き続けて、生きる意味を見出してほしかった。

Posted byブクログ

2024/10/29

太宰が自らを生き写した作品に感じます。読むと精神にダメージを受けるという評価をする人もいるようですが、私は逆でした。主人公と同じく、人間社会を生きることに生き辛さを抱えている人には読んで欲しいです。桜桃は、家庭を築いた場合の葉一の話だと思いながら読むと、少し嬉しい気持ちになりまし...

太宰が自らを生き写した作品に感じます。読むと精神にダメージを受けるという評価をする人もいるようですが、私は逆でした。主人公と同じく、人間社会を生きることに生き辛さを抱えている人には読んで欲しいです。桜桃は、家庭を築いた場合の葉一の話だと思いながら読むと、少し嬉しい気持ちになりました。

Posted byブクログ

2024/10/17

太宰治の最も好きな作品の1つです。最初の1文から引き込まれる独特な世界観で太宰治を語るには外せない文学作品です。

Posted byブクログ

2024/10/02

太宰治の代表作にして、遺作のひとつ。 もうひとつの遺作『桜桃』も同刊収録。 世間に適応することができないため、劣等感と孤独を抱えて生きる青年、葉蔵が主人公。 本作は葉蔵の半生を綴った物語である。 葉蔵は人々が当たり前にこなしている行動が理解できず、上手く笑うことすらできない。...

太宰治の代表作にして、遺作のひとつ。 もうひとつの遺作『桜桃』も同刊収録。 世間に適応することができないため、劣等感と孤独を抱えて生きる青年、葉蔵が主人公。 本作は葉蔵の半生を綴った物語である。 葉蔵は人々が当たり前にこなしている行動が理解できず、上手く笑うことすらできない。だから、学生時代は進んで「道化」を演じて、周囲に馴染もうとしていた。 葉蔵は歳を経て、昔よりは上手く常識人を演じられるようになっていたものの、やはり他人に対する恐怖が根深く、不信感と孤独は拭えないままだった。 一方、葉蔵は女からはモテた。 彼曰く、「誰にも訴えない、自分の孤独の匂いが、多くの女性に、本能に依って嗅ぎ当てられ、惹きつけた。」 自己評価の通り、彼は女からは好かれたが、本当の意味で女を愛することはできなかった。そこにも主体性はなく、依存され、彼自身が世界に絶望していたために、女性と数度の自殺未遂を起こす。 女は死んだが、自分は死ぬことができず、この出来事に深く傷つけられた葉蔵はやがて酒と薬に溺れるようになる。 以上が本作のあらすじである。 太宰治の小説をまともに読んだのは初めてだった。 感想を一言で述べるとすると、非常に重い小説だった。 ストーリー自体が陰鬱であるのもそうだが、それ以上に、一文すべてにパンチの重さがあると感じた。故に、短い小説でありながらも心に残る。 本作は実在の人物の手記を基に太宰が自身の半生を投影して書いたものらしい。 太宰の実体験、彼自身が実際に味わった苦しみを反映しているからこそ、本作はリアリティがあり、読者の心を揺さぶるのかもしれない。 作中の男の登場人物は、すべからく葉蔵の「敵」である。全員が葉蔵を憎んでおり、苦しめようとする(と、彼は感じている)。 対して、女はすべてが「味方」である。彼を助け、救おうとする。 だが、彼自身は女に好かれていることは自覚しているが、助けられたとは思っていない。むしろ「つけ込まれた」という表現をしており、ここにも被害者意識が垣間見える。 葉蔵は即物的な営みに興味を持つことができず、自分自身も周りも顧みることなく退廃的な生き方をする。一方で神や罪など、抽象的概念に対する思考は好んで行う。作中でもこのシーンが描かれる。 個人的な感想として、葉蔵の「罪」はビジョンの欠乏であると思う。 葉蔵には欲望はあるが理想がない。 「こうなりたい」「これを成し遂げたい」という目標や野心がない。 だから、その目的のために手段としての平易な生活を積み上げることができない。その行為の意味が理解できないのだ。 「ビジョンがない人間は人間に非ず。人間失格。」 これが私が本作から鮮明に受け取ったメッセージのひとつである。 同刊収録の『桜桃』も、短いストーリーでありながら主人公の感情の揺れがよく描かれており、面白かった。こちらの方が太宰の本質を素直に表している作品だと感じた。

Posted byブクログ

2024/08/29

終止、重く、暗い小説の様で、ところどころ完全にふざけているとしか思えない箇所があり、その度に思わず吹いてしまった。(漫画家としての葉蔵のペンネームや、静子の娘シゲ子とのやりとりなど。) 所謂「道化」ではなく、太宰治は本当は、とてもユーモアのある、明るいキャラクターだったんじゃない...

終止、重く、暗い小説の様で、ところどころ完全にふざけているとしか思えない箇所があり、その度に思わず吹いてしまった。(漫画家としての葉蔵のペンネームや、静子の娘シゲ子とのやりとりなど。) 所謂「道化」ではなく、太宰治は本当は、とてもユーモアのある、明るいキャラクターだったんじゃないかと感じた。

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2024/08/14

人より優れているが故の生きにくさ、人間社会にうまく溶け込めないからこそ道化という名のエンターテインメントに走ったのかなと思った。 失格というより、葉蔵(太宰)が描く理想像の自分になれなかっただけだなと感じた。が、なんやかんや1番人間らしさがある。人間らしさを求める割に1番人間臭い...

人より優れているが故の生きにくさ、人間社会にうまく溶け込めないからこそ道化という名のエンターテインメントに走ったのかなと思った。 失格というより、葉蔵(太宰)が描く理想像の自分になれなかっただけだなと感じた。が、なんやかんや1番人間らしさがある。人間らしさを求める割に1番人間臭い、太宰はそういう人間。 現代の生きづらさを感じる人へのハウツー本。 人間失格は一通り人生を楽しんだ後にまた読みたい

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2024/08/11

①さすが文豪。表現一つ一つが生々しく感じる。 ②人間の弱さが陰鬱に表現されている。暗い気持ちになる。 ③自分自身の人生を振り返る良い機会になった。

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2024/07/04

難しい漢字、知らない言葉などが出てくるので、理解するのに少し時間がかかるが、調べながら読んでみました。たまに頭がパンクしそうになるが、主人公と自分の性格が似てると感じた。ビックリするぐらいすごく共感出来て、結構前に読んだが、今でも印象に残っている1冊。

Posted byブクログ

2024/06/22

昔、母には「人間失格は悪い人の話」と聞かされていたが、これは共感の物語だった。自分だけじゃなかったと安心できる救いの本。

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2024/06/19

太宰の見ていた世界はきっとあまりに残酷であったが、最後まで救いを求め続けた彼の姿勢には敬意を表さざるを得ない。 本書では、誰もが持ち得る脆弱性を主軸に、然し現実に彼が見ていたものはきっと違ったであろうと推測する。自らの手により自身を、命を、時に概念上に在る美しささえも破壊してしま...

太宰の見ていた世界はきっとあまりに残酷であったが、最後まで救いを求め続けた彼の姿勢には敬意を表さざるを得ない。 本書では、誰もが持ち得る脆弱性を主軸に、然し現実に彼が見ていたものはきっと違ったであろうと推測する。自らの手により自身を、命を、時に概念上に在る美しささえも破壊してしまう。 「雪の上に、大きい日の丸の旗が出来ました」 この言葉には、彼自身が生み出した彼の人生を象る歴史の負の因子の数々の中で、ようやく見つけられた本当の自分の証明、身を削った末に現れたその証明に、人々は彼を厭世的と見做すでしょう。然し、私には対極的に見え、最後の最後に出会えた「まごうことなき事実」を前に彼はようやく世の中に一抹の希望を見出したのではないのでしょうか。 時に解説者は彼を「誰もが感じたことのあるものを体現する天才作家」と評しますが、それ故に抱いた世間の解釈と彼自身の乖離、それこそが彼を苦しめたのだと思うのです。 所々、彼が記載に残さなかった言葉が付け足されて彼の文章を思い出すことがあります。背景に隠された彼の懊悩、それが漏れ無く私達の脳裏に刻み込まれ、物語がどこか私達に近いものであると錯覚させる。それ故に名作と呼ばれるのがこの作品、『人間失格』であると思います。

Posted byブクログ