人間失格 の商品レビュー
人よりも頭が良すぎたのだろうな。 子どもの頃から人を喜ばせる言動が分かるからこそ自分自身を偽ってみんなを面白がらせていたけれども、それを積み重ねているうちにどんどんどんどん自分自身が分からなくなってしまったのだと思う。 最後に老婆とくだらないことで笑えた描写で、やっと(葉蔵の思っ...
人よりも頭が良すぎたのだろうな。 子どもの頃から人を喜ばせる言動が分かるからこそ自分自身を偽ってみんなを面白がらせていたけれども、それを積み重ねているうちにどんどんどんどん自分自身が分からなくなってしまったのだと思う。 最後に老婆とくだらないことで笑えた描写で、やっと(葉蔵の思っている)普通の人間になれたのかななんて思った。
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初対面の私に「恋人に求める条件は家族仲が良いことかな」と言い放った元彼が、 「俺太宰好きなんだよね、自分と重なる」と言っていたことを思い出す わかってたまるか!
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どうせばれるにきまっているのに、そのとおりに言うのが、おそろしくて、必ず何かしら飾りをつけるのが自分の哀しい性癖の一つで、それは世間の人が「嘘つき」と呼んで卑しめている性格に似ていながら、しかし、自分は自分の利益をもたらそうしてその飾り付けを行ったことはほとんど無く、ただ雰囲気の...
どうせばれるにきまっているのに、そのとおりに言うのが、おそろしくて、必ず何かしら飾りをつけるのが自分の哀しい性癖の一つで、それは世間の人が「嘘つき」と呼んで卑しめている性格に似ていながら、しかし、自分は自分の利益をもたらそうしてその飾り付けを行ったことはほとんど無く、ただ雰囲気の興覚めた一変が、窒息するくらいにおそろしくて、あとで自分に不利益になるということがわかっていても、れいの自分の「必死の奉仕」それはたとい歪められ微弱で、馬鹿らしいものであろうと、その奉仕の気持から、つい一言の飾り付けをしてしまうという場合ざ多かったような気もするのですが、しかし、この習性もまた、世間の所謂「正直者」たちから、大いに乗ぜられるところとなりました。 これが世間。 ただ、世間は個人である。 そう思わざるを、得ないのである。
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人間社会で上手く生きていくのは難しいと感じる節は多々ある。人々は笑いあって、壁を乗り越え、友に悩みを話て生きている。太宰の言葉を借りるが、人間という生き物について見当もつかない。本当にその通りで、私はこんなに苦しいのに、なぜ人は笑い、当たり前に親に感謝できるのだろうか。と思うので...
人間社会で上手く生きていくのは難しいと感じる節は多々ある。人々は笑いあって、壁を乗り越え、友に悩みを話て生きている。太宰の言葉を借りるが、人間という生き物について見当もつかない。本当にその通りで、私はこんなに苦しいのに、なぜ人は笑い、当たり前に親に感謝できるのだろうか。と思うのです。恥の多い人生を送ってきたと冒頭にあるように、振り返ると人はみな黒歴史ばかりな気がする、それなのに僕らはあたかも美しいような綺麗事ばかり並べて、人に愛されようとしていて本当に醜いし、自分はそんな恥ずかしい事はできないなと思うのです。ですが、振り返ったらきっと、恥の多い人生だったと思うのだろう。
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何度も読みたくなるような作品。 人間を恐れ、人間に阿り、人間に絶望し、、 ついには人間ではなくなってしまった大庭葉蔵の手記。 世の生きづらさ、人間の不可解さというものが綴られている。 読む度読む度に感じるものが変わっていく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
デフォルメされていようと、太宰の人生は時代に翻弄される若者の苦しみを表す小説のようだったのがわかる。 斜陽の方が優れているとは感じたが、太宰の生涯を鑑みれば、より心を突き動かすのが人間失格かもしれない。
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初めてしっかりと読んだ本でした。友達に生き方が似てる人がいて、読んでて面白かったです。その友人にもおすすめ中です笑。
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人生を賭けて執筆したんだろうなと凄みを感じた。共感するところもあれば、多感すぎて共感できないところも多々あり、ただそのような感受性が芸術に活かされていたと思う。人を笑わせるのを、道化やサービスと捉えている感受性は、芸人にも当てはまる性格だと思う。堀木のモデルとされていると壇一雄さ...
人生を賭けて執筆したんだろうなと凄みを感じた。共感するところもあれば、多感すぎて共感できないところも多々あり、ただそのような感受性が芸術に活かされていたと思う。人を笑わせるのを、道化やサービスと捉えている感受性は、芸人にも当てはまる性格だと思う。堀木のモデルとされていると壇一雄さんの解説に、著者がメソメソではない野生的で快活な一面があったと記されていて、例えば壇さんが鰻の針を噛み当てた時に声を出して笑い転げていた、というシーンは、著者が描いている作中の堀木との関係性とはやや異なる一面であり、とことん自分の心の感じ方にベクトルを向け続けている芯から内向的な人なんだと感じた。
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読むとつらくなる。ほとんどの人は嫌な気持ちになって終わるんでは。共感できる人が多いのなら、世の中はもっと優しいはずと思う。
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昔、読んでは途中で止め、読んではまた途中で止めを繰り返してきたが、やっと読めた時には本質がよく分からなかった。10年以上たって今改めて読んでみて、やっと書いてることがわかってきた気がする。文学に触れるのも悪くないなと感じた。
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