リクルートのDNA の商品レビュー
リクルートのこれまで、そしてそれを創り上げた江副浩正の人となりがうかがえる本。スマートな印象を抱かれやすいリクルートだが徹底した攻めのスタイルでその地位を築き上げてきたこと、そして豪快で奇才に見えた江副氏の人物像が意外にも凡庸で失敗や弱さをもっていることがわかる。 しかし、やはり...
リクルートのこれまで、そしてそれを創り上げた江副浩正の人となりがうかがえる本。スマートな印象を抱かれやすいリクルートだが徹底した攻めのスタイルでその地位を築き上げてきたこと、そして豪快で奇才に見えた江副氏の人物像が意外にも凡庸で失敗や弱さをもっていることがわかる。 しかし、やはりその行動力には卓越したものがあり、またその人柄こそが周りを巻きこんでここまで成功させた所以なのかもしれない。 リクルート事件や今後のリクルートについて関心が抱かれる。
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・明治維新以降の日本経済の百年は、途中第二次世界大戦で壊滅的な打撃を受けたが、戦後灰燼の中から再び強い歩みを始め、一人当たりのGDPで一部の産油国を除いて世界一になった。そのスピードは、イギリスの産業革命よりも速くスケールも大きなものだったbyP・F・ドラッガー ・日本は資源小...
・明治維新以降の日本経済の百年は、途中第二次世界大戦で壊滅的な打撃を受けたが、戦後灰燼の中から再び強い歩みを始め、一人当たりのGDPで一部の産油国を除いて世界一になった。そのスピードは、イギリスの産業革命よりも速くスケールも大きなものだったbyP・F・ドラッガー ・日本は資源小国。鉄鉱石や石炭、石油は100%海外から輸入、農産物も60%以上を海外から輸入している。そしてもっと深刻な問題は、国や地方自治体が国債や地方債などを発行し国民に借金をしていて、世界一の債務大国になってしまったことである。日本で新しい産業がいくつも生まれ成長しなければ、今後の発展に期待はもてない。 ・成功する企業家の条件⑤…変貌している産業社会の新しい要請に応える事業かどうかを自ら問いかけ、周囲の人にも聞くことから始めること。社会の要請に応えていない事業では、一時的に成功することはできても続かない。 ・成功する企業家の条件⑥…多くの資本を要さない仕事から出発すること。多くの資本を要する事業は大企業が担当する新規事業である。 ・成功する企業家の条件⑦…人に平等に与えられたものは時間である。時間の有効な使い方を知らないと大きな成功は難しい。仕事は受付順にするのではなく大事なことを優先することが重要である。 ・成功する企業家の条件⑧…失敗を恐れぬ勇気をもつこと。人は起業すれば途中で必ずといっていいほど失敗する。しかし、ピンチはチャンスでもある。ピンチにどう対応するかが成功するか否かの鍵である。部下の失敗にも寛容でなければならない。部下の失敗からも学ぶことが多いことを知っておくべきである。 ・成功する企業家の条件⑩…大学の成績や学歴は関係がない。ただし、その人の知識とスキルは成否の重要な鍵である。それを学び身につけることは必須条件である。 ・成功する企業家の条件⑱…一つのものを2にも3にも拡大して活用できる経営資源は人的資源である。企業家は人の能力を精一杯引き出す力を持たなければならない。 ・最近、経済誌などでは「リクルートは人材輩出企業」とみられることが多い。確かにリクルートやコスモスのOBが社長を務める上場会社は20社近くにのぼる。その理由は「社員皆経営者主義」を掲げ、会社の中に会社(プロフィットセンター)を作り、PC長を会社の社長としてきたからであろう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
今日の2冊目の書評は、一般人の方は眉を顰めるかもしれませんが、ビジネスマンの間では凄く優秀な経営者として有名な、リクルートの創業者・故江副浩正氏の「リクルートのDNA」という著書です。 皆さんもご存知の通り、江副さんはリクルート・コスモスの未公開株(上場するとそれは大金になる)を政治家に配ったことで贈賄罪で執行猶予付きの有罪判決を受けたことで有名な方です。 しかし、経営者がそのようなことを犯すと、彼の会社は潰れてしまうのが定説なんでしょうが、逮捕に伴う退社時にあった一兆八千億円の借入金は毎年一千億円の利益を生み出し、負債ゼロの無借金会社になり、売り上げ利益率三十パーセントの超優良企業に甦ったそうだ。 なぜ、このような事が起こったかというと、ずばり江副さんの経営センスである。まず彼は東大生の時「東大新聞」という企業から学生の就職先の企業の情報誌を作るといった、ベンチャー企業を起こしていたという事実がある。 彼は年に50万円くらい稼いでおり、「このまま就職するのはもったいない。いっそのこと事業化してやれ」と思い(当時サラリーマンになると給与は三分の一に減る)、「リクルート」を創業した。 ご著書によると、本人は優秀でないと謙遜しておられるが、就職シーズンは忙しく、睡眠時間は四、五時間、土日も朝から夜まで仕事とベンチャー企業の経営者にあるようにモーレツである。本書でも至る所に経営理念や、成功する起業家の二十か条等記載されているが、さすが海千山千の東大生らしく偏差値秀才だけでなく、地頭もいいのである。 こんな江副さんも創業時には相当苦しまれている。「東大新聞」から「企業への招待」という新規事業を起こすのだが、問題が起こる。広告主の企業から「同業他社がだすなら我々も出す」とつれない態度。ここで江副さんは、今までは“東大新聞”のブランドで稼げたのだ、と認識させられる。 しかし、彼はこれくらいでは諦めない。取引先を回り、金策として芝信用金庫に森ビルに収めていた保証金を譲渡担保に(つまり江副さんの会社が潰れたら、信金に回収される)五十万円を融資してもらっている。他人への感謝を忘れない江副さんは、退職されるまで芝信金を営業報告書の金融機関名のトップに置いてたそうだ。 このような、他社への気遣いは部下にも思い切り発揮される。まず自身も含めてリクルートでは部下による上司の評価を導入し、自身も批難を甘んじて受けるとともに、社員の結婚式には積極的に参加。大安の日には、大阪~東京と一日で移動することもあったそうだ。 リクルートでは退職することを「卒業」と呼び、江副さんは必ず退職の理由を尋ねて、以後の人材教育に活用したそうだ。 なんでも現在リクルートでは、日本全国に優秀な学生を探させ、「これぞ!」という学生がいたら、一緒にキャンプなどを行い、社員が学生と腹を割って話し一本釣りするそうだ。 ある社員は某経済系のマスコミに内々定を貰っていたが、リクルートの社員から一冊のリクルートの紹介本を渡された。そのビジネス感覚が強かった学生は、思わず赤ペンでその冊子を汚したので、返却する時謝ったが、当該社員は「いいよ、君にあげるよ。それよりも君、経営者を取材する立場から、実際に経営をウチに来て一緒にやってみないか?」と言って、落としたそうである。リクルートの社員はこのような優秀な社員ばかりである。 リクルートでは社員は公共財という意識が強いのか、リクルート出身者のビジネスマンは日本の経済界で多く活躍している。このような結果になっているのは、江副さんを筆頭に、「ビジネスとは何か」をとことんまで追求し、(仕事は厳しいものの)社員が気分がいいように就労できるシステムを社内で構築しているからである。だからリクルートの社員は何処に行っても通用するのだ。 このブログを読んでいる学生諸君でビジネススクールに進学したい方などは、是非リクルートも就職先の候補として研究して欲しい。細かな江副さんの経営に対する考えはこのブログでは捨象した。その辺りを知りたい方は、本書を読んでほしい。
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リクルートの成り立ちから10年前までに至るまでの軌跡。 ますますリクルートが好きになった。本当に50年の歴史の中で大きく成長してきた企業であり、自分もその成長への大きな一端を担えるような人材に成長していきたい。 そのためには自分がなにをすべきか。これからもっともっと考えていく必要...
リクルートの成り立ちから10年前までに至るまでの軌跡。 ますますリクルートが好きになった。本当に50年の歴史の中で大きく成長してきた企業であり、自分もその成長への大きな一端を担えるような人材に成長していきたい。 そのためには自分がなにをすべきか。これからもっともっと考えていく必要がある。
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読了後に疾走感を感じる一冊です。著者の激動のリクルート人生が非常に興味深い。特にリクルートの成長が著しいから余計に疾走感があるのかもしれない。まあ、実際入社したら色々大変だろうなあ。意識高い系じゃないと乗り越えられないかも笑
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リクルートがよく分かる1冊。リクルートの社風は江副さんのスタイルが強く出ており、起業した経営者だからこそ出来たモノだとも思う。会社が誰のためにあるのか、何のためにあるのか、そして何をしたいのかを自分に問うことができた1冊。
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他の経営者の話とか、載せるならもっとちゃんと書けばいいし、この中途半端な書き方だと知ったかぶりのようにも思えてしまうけど。LTCMの記述とかいるかね? 「かもめが翔んだ日」とまったく同じ記述がたくさんあるので、前作から加筆修正したものです、ぐらいにすればいいのに。
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江副浩正リクルートのDNA 目標を共有して事業を推進すること。 まずは自分を磨くこと。 創業者利益の得られる事業。 社会の要請に応える仕事。 小資本で可能な仕事。 仕事は大事なことから優先。 失敗は恐れてはいけない。起業すると途中で必ず失敗するがピンチはチャンス。 学歴は関係ない...
江副浩正リクルートのDNA 目標を共有して事業を推進すること。 まずは自分を磨くこと。 創業者利益の得られる事業。 社会の要請に応える仕事。 小資本で可能な仕事。 仕事は大事なことから優先。 失敗は恐れてはいけない。起業すると途中で必ず失敗するがピンチはチャンス。 学歴は関係ないが知識とスキルは大事だ。 コニュニケーション能力を高めること。 話し上手で、聞き上手である必要がある。 常に健康でいること。 外部の人、内部の人、常にコミュニケーションをとる必要がある。 新規事業についてもタイミングというものが大切であり、いくら良い案であっても時代にマッチしてなければ売れない。
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リクルートの歴史を振り返ることで、現在の風土や強みの源泉を垣間見ることができた。自身を凡庸な人間と称する江副さんだが、懸命に努力し走り続けられたことこそが、比類なき才能だと思う。
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2015年読書その② 創業期から事業拡大の一連のエピソードがパワーに溢れていて本当に面白い。早読みしたばかりに失敗した事業の話も(成功するには【天の時】が大事と)面白い。創業時からのビジネスモデルが未だ健在な企業ってなかなかないのでは。。。? これだけ大きな業績を上げつつも、自分...
2015年読書その② 創業期から事業拡大の一連のエピソードがパワーに溢れていて本当に面白い。早読みしたばかりに失敗した事業の話も(成功するには【天の時】が大事と)面白い。創業時からのビジネスモデルが未だ健在な企業ってなかなかないのでは。。。? これだけ大きな業績を上げつつも、自分のことを凡庸な人間と締めくくっているのも印象的。
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