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思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー

3.8

374件のお客様レビュー

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    78

  2. 4つ

    137

  3. 3つ

    99

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    3

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2012/05/15

薔薇の木~を髣髴とさせる作品。 はじめは、長女の気持ちがさっぱりわからない。三女も謎。かろうじて次女に感情移入して読み進める。 長女の夫のDVが深刻化し、さらに長女の考えてることがわからなくなる。 この人は耐え忍ぶことが趣味なのか?でも、それだけでもないようだけど。 物語の終...

薔薇の木~を髣髴とさせる作品。 はじめは、長女の気持ちがさっぱりわからない。三女も謎。かろうじて次女に感情移入して読み進める。 長女の夫のDVが深刻化し、さらに長女の考えてることがわからなくなる。 この人は耐え忍ぶことが趣味なのか?でも、それだけでもないようだけど。 物語の終盤、長女と自分を重ね合わせていた。この人は私だ、とさえ思った。 彼女の中には、誰もいない。親も姉妹も配偶者も、ときたま思い起こす記憶程度でしか存在していない。 彼女はいびつな形でも、すでに完成しており、誰も彼女に影響を与えることはできない。説得でも、暴力でも。 彼女はただ自分の望むとおりに生き、毎日自分のやり方で、自分のためだけに孵化していく。 すべてはタイトルのとおり。思いわずらうことなく楽しく生きよ、そのままに。 すごく素敵な言葉。

Posted byブクログ

2012/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

それぞれに思うように生きている三姉妹の物語。 三女の育子は恋愛という形に興味がなく手当たり次第に男と寝る、自称西部劇の娼婦のような女。 次女の治子は外資系企業で働くキャリアウーマンで、経済力も将来性もない貧乏ライターと同棲していて、たまに浮気している。 唯一既婚者の長女麻子は夫の意のままに生き、慈しまれる生活に喜びを感じているが、結婚後、夫は突然キレて暴力を振るうようになる。 はじめの三分の一くらいはつらつらと三姉妹の日常が描かれ、丁寧だけど起伏が乏しく、物語が進まないので退屈である。 特に夫に殴られてもそれが愛だと思って受け入れる麻子は気持ち悪いし、それを当然と思って威張っている、実は卑小な人間である夫にイライラ。 だが義兄のDVに次女の治子が気付いてからのスピード感は気持ちいいほど。 長女夫婦の問題に家族が介入してくるようになり、治子は恋人に浮気がばれ、育子はこれまでと違う恋に出会う。 いい具合に高まった緊張感の中、ある日麻子は自分と同じように夫に暴力を振るわれているらしい女性をスーパーから”誘拐”する。 そこからはものすごい勢いでクライマックスまで流れ込み一気に読めてしまった。 こういう恋愛もので先が気になってしょうがないというのは、正に江國香織の底力を感じた。 三姉妹の恋愛にそれぞれ結末がつき、悲しいこともあったけれど一応のハッピーエンドを見る。 治子が一番しっくりくるキャラだと思った。 一番よくわからないのが長女の麻子。 麻子の夫はDVの最低野郎だけど、暴力を受け入れることで麻子は夫を逆に縛り付けてきたように感じ、そう考えるとあの夫も可哀想な男なのかなと思った。 最低だけど。 決して素敵な部分ばかりの人生ではないけど、のびやかで幸せを感じるストーリー。 けだしこのタイトルは名言である。

Posted byブクログ

2012/05/02

三姉妹三様の男性編歴。 江國香織にしてはアグレッシブだった 暴力夫に悩む妻。彼氏から結婚を迫られつつも断り続けて仕事に生きる女。奔放に生きる女。 江國香織は三姉妹を通して現代におけるの男女間の種々の問題を描き出す。 思わずはっとさせられたー。

Posted byブクログ

2012/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NHKのドラマを途中までしか見ていなくて、結末が気になって読んだ。 テンポ良く進んで、夫からのDVとか現実の問題を取り入れているせいか、いつものおとぎ話のような空気は潜んでいたような気がする。

Posted byブクログ

2012/04/08

江國香織の長編小説。彼女の作品は、日常の風景を若い女性の視点で描くパターンが多いのでしょうか。 今回は犬山家の三姉妹を中心にして彼女たちを取り巻く人間模様がテーマ。主に恋愛や夫婦関係・家族関係のお話。 犬山家の家訓は“人はみないずれ死ぬのだから、そしてそれがいつなのかはわからない...

江國香織の長編小説。彼女の作品は、日常の風景を若い女性の視点で描くパターンが多いのでしょうか。 今回は犬山家の三姉妹を中心にして彼女たちを取り巻く人間模様がテーマ。主に恋愛や夫婦関係・家族関係のお話。 犬山家の家訓は“人はみないずれ死ぬのだから、そしてそれがいつなのかはわからないのだから、思いわずらうことなく愉しく生きよ”です。 彼女たちを育てた両親は、父親の浮気が元で今は離婚していますが、それぞれの親とも交流があります。裕福な家庭で、両親が揃っていた頃に子供時代を過ごした彼女たちは、犬山家の家訓の体質が今もどこかにあります。 長女の麻子、36歳、嫁いで7年、密かに夫のDVで悩んでいる。次女治子は姉より2つ下独身、大手の外資系の会社勤務のキャリアで気が強い。恋愛依存傾向にあるが男を骨抜きにして始まる恋も最後は男が逃げていく。プロポーズされても結婚の意思がない。三女の育子は29歳、自動車学校の受付の仕事をしている。男性経験は多いが、お友達感覚で無邪気で精神的に幼い。最近できたボーイフレンドとは今までとは違い、きちんと段階を踏んで付き合っている。 ・・・とこんな三人の生活の様子が入れ替わりながら描かれているのです。 かつて育った実家ではあたりまえにみんな愉しく過ごしたときがあった。姉妹はお互い気遣いながらも、戻れない時の流れの中、それぞれの人生の味わいを感じる・・といった内容です。 この小説を読み始めた時、何となく懐かしい感じがしました。気がついたのは向田邦子の作品に漂う雰囲気です。DVなどの社会的な問題も盛り込んでいるためこの話は現代の作品に仕上がっていますが、家族をテーマにするなら、かつてテレビドラマの脚本で数々の名作を生んだ向田邦子を忘れる訳にはいきません。四姉妹の登場する“阿修羅のごとく”を思い出したのでした。

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2012/04/07

恋愛って、わかりませーん。 ただの恋愛小説なんかじゃないと思いますよ。 うーん。  好きです 江國さん。

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2012/10/03

NHKのドラマ版がきっかけで読んだ本。 登場人物の設定や話の内容がドラマとは違うところが多く、物語が新鮮に楽しめてよかった。やはり原作の方が個人的には面白いと思う。 育子の世間や恋愛をちょっと俯瞰しているところが好き。(原作の方がよりその雰囲気がよく出ていると思う) なんだかんだ...

NHKのドラマ版がきっかけで読んだ本。 登場人物の設定や話の内容がドラマとは違うところが多く、物語が新鮮に楽しめてよかった。やはり原作の方が個人的には面白いと思う。 育子の世間や恋愛をちょっと俯瞰しているところが好き。(原作の方がよりその雰囲気がよく出ていると思う) なんだかんだ家族想いなところも素敵。色んな人を受け止める器の大きさみたいなものも。私も見習わなければなぁ。 三姉妹の誰とも似ていないのに、それぞれに共感できるところがあるのが不思議。またいつか読み返したい。

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2012/03/24

みんな奔放。お互い比較して認めて、自分を振り返りながら暮らすけど、じぶんはじぶんだから、大切にする。そういうのいいなぁ。

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2012/03/23

自分も学生時代を終えいよいよ大人の女になる、という時期に読んだせいか前よりも格段に江國香織を読んで面白いと思えた。麻子、治子、育子の三姉妹は皆個性的かつ魅力的でそれぞれに色々抱えつつも、皆が生き生きと描かれていた。江國香織を読んで思うことは、「男の人にはわからないことがたくさんあ...

自分も学生時代を終えいよいよ大人の女になる、という時期に読んだせいか前よりも格段に江國香織を読んで面白いと思えた。麻子、治子、育子の三姉妹は皆個性的かつ魅力的でそれぞれに色々抱えつつも、皆が生き生きと描かれていた。江國香織を読んで思うことは、「男の人にはわからないことがたくさんある」ということである。

Posted byブクログ

2012/03/15

思いわずらうことなく愉しく生きよ うーん、そうありたいけど、そう生きれない。 江国香織は実は初めて読んだけど、表現がサラッとして入ってきやすく、とても読みやすかった。

Posted byブクログ