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思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー

3.8

374件のお客様レビュー

  1. 5つ

    78

  2. 4つ

    137

  3. 3つ

    99

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    3

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2017/03/29

読んでいて、「流しのしたの骨」もそうだけど、江國さんの描く姉妹は好きだなって思った。三人とも問題を抱えていて、それぞれ少し変わっているけど、みんなまじめで、のびやかで、すこやか。父親が姉妹の荷物検査をするのは嫌だけど、家庭によって家族の当たり前とかルールが違うからよその暮らしが垣...

読んでいて、「流しのしたの骨」もそうだけど、江國さんの描く姉妹は好きだなって思った。三人とも問題を抱えていて、それぞれ少し変わっているけど、みんなまじめで、のびやかで、すこやか。父親が姉妹の荷物検査をするのは嫌だけど、家庭によって家族の当たり前とかルールが違うからよその暮らしが垣間見える家族小説は面白い。犬山家の家訓も三姉妹にぴったりでいい。「思いわずらうことなく愉しく生きよ」

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2017/01/09

他人に媚びることなく、のびやかに生きる三姉妹のお話。 はたから見てふつうじゃないのに、何だかスカッとする。 その潔さに思わずくすっと笑ってしまう。なんて気持ちがいいんだろうと。 まさに題名のとおり、思いわづらうことなく、だ。 私もやはり、小説に助けられて生きている。

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2017/01/04

育子には、それが感情からでた行為ではなく意志による行為だとわかっていた。だからこそ、安心して受け入れることができる。

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2017/01/04

江國香織さんの本は正直得意ではなかったけれど、タイトルに惹かれたのと、三姉妹の話ということで思わず手にとってしまった。 三姉妹のうち、私はどの人に似てるんだろう?と考えずにはいられない。特に女性なら考えるのでは? 理想を求めて、真面目すぎた余り自分を忘れてしまった長女。 愛し...

江國香織さんの本は正直得意ではなかったけれど、タイトルに惹かれたのと、三姉妹の話ということで思わず手にとってしまった。 三姉妹のうち、私はどの人に似てるんだろう?と考えずにはいられない。特に女性なら考えるのでは? 理想を求めて、真面目すぎた余り自分を忘れてしまった長女。 愛し、愛されつつ、自分の中の「正」と周りのズレに生きづらさを感じる次女。 本当は一番のロマンチストなのにも関わらず、現実の悟りが早すぎてしまった三女。 我が家の三姉妹とは全然違うのに、三姉妹という独特な世界の共通項はしっかりと押さえている気がする。 どのキャラクターにも自分は全然似ていないけれど、一番共感できたのもやっぱり次女。 姉妹、そして女性特有の繋がり(sisterhoodという言葉が一番しっくりくる)を描きつつ、それだけでは埋めることができない男性との関係を女性の弱さと一緒に描いていた作品だと思う。 女性は気持ち良いほど潔いのに、なんとも弱っちくて面倒だ。

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2016/09/05

三姉妹の三様の生き方と男女のかかわり方と其のかたちの移ろいを綴った作品。三姉妹の強い結束が心強くほほえましい。長女麻子の暴力夫との生活、治子の奔放な恋愛、育子の風変わりな思考と恣意的な行動の話しにひきこまれ一気に読み進められた。 読み終わった後に女とはしたたかで不可解な生き物であ...

三姉妹の三様の生き方と男女のかかわり方と其のかたちの移ろいを綴った作品。三姉妹の強い結束が心強くほほえましい。長女麻子の暴力夫との生活、治子の奔放な恋愛、育子の風変わりな思考と恣意的な行動の話しにひきこまれ一気に読み進められた。 読み終わった後に女とはしたたかで不可解な生き物であると思わずにはいられなくなる。

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2016/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学生の頃に読んだ本。読み返したくなり再読。 若いときは、DV旦那との共依存に苦しむ長女が一番ハラハラしたけど、年をとると「こういう子って、いるのよねぇ」とあまりハラハラせず読めた。でもやっぱり、最後病室のシーンではホッと一安心。 それより、治子が気になって仕方なし。どうしてスノッブな高級料理店に熊ちゃんを連れて行くか!?どう考えても熊ちゃんはそういうの好きじゃないでしょう。そして熊ちゃんと行っても、こういうおシャンティーな店は楽しくないでしょう!と老婆心ながら心配してしまいました。やっぱり土台が合ってなかったんだよ。うん。 表題は思いわずらう事なく愉しく生きよという家訓そのままのタイトルですが、内容の通り思いわずらう事なく生きるなんて無理という事が解ります。生きていて、他者と接触し成長し続ける限り、人間は思い悩んでもがいて生きていくんだという事がよくわかる一冊。面白かった。

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2016/02/17

3姉妹、なんかみんなずれているけれど自分の人生を全うしている。 男なんか気にしないで!!と思いつつもそうも割り切れない心情はかなり切実だったりも。DV夫とのやりとりだけはかなりリアルすぎて痛かった。。

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2016/01/27

面白かった! 三姉妹の生活が目まぐるしく書かれていて、スピード感をもって読める。 読むと、江國香織好きだなぁとしみじみ思う。 父親の荷物検査、信仰の対象ではないけれどキリスト関連の置物を大切にする育子、香水をふんだんに振りかけて武装する治子、幸せな主婦と見られることに安心する...

面白かった! 三姉妹の生活が目まぐるしく書かれていて、スピード感をもって読める。 読むと、江國香織好きだなぁとしみじみ思う。 父親の荷物検査、信仰の対象ではないけれどキリスト関連の置物を大切にする育子、香水をふんだんに振りかけて武装する治子、幸せな主婦と見られることに安心する麻子。現実にはいない人物像でも、彼女たちの習慣にすごくリアリティがある。

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2015/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはもう好みだと思いますが、とにかく大好きな1冊です。 胸が締め付けられるようになりながらも、背筋が伸びるような読後感。とても芯のある作品だと思います。 ネガティブかもしれないですが、一番好きなセリフは治子の 「可哀想に。あなたみたいな人は見ているだけで恥ずかしい。」 です。

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2015/07/12

雨が続く日とか、寒い冬の夜に読むのにぴったりな小説でした。 とても個性溢れる3姉妹に最初は少し圧倒させられたけど、どの姉妹にも少しずつ、共感できる部分、自分と重ねる部分があって読みながら興味深かったです。 そもそも本書のタイトルは、犬山家の「人はみないずれ死ぬのだから、そしてそ...

雨が続く日とか、寒い冬の夜に読むのにぴったりな小説でした。 とても個性溢れる3姉妹に最初は少し圧倒させられたけど、どの姉妹にも少しずつ、共感できる部分、自分と重ねる部分があって読みながら興味深かったです。 そもそも本書のタイトルは、犬山家の「人はみないずれ死ぬのだから、そしてそれがいつなのかはわからないのだから、思いわずらうことなく愉しく(たのしく)生きよ」という家訓からきています。 「楽しく」ではなく、「愉しく」。 同じ読みだけれど少し意味が違って、前者は、心がうきうきする。後者は、心のしこりが取れて、わだかまりがない。という意味。 今の心境がちょうどこの本を読むのにぴったりで、読んでいてすごくしっくり。 江國さんはいつも、誰もが持っている何かしら欠けた部分、マイノリティな一面を色濃く描いてますが、不思議な程に共感できるんですよね。 DV夫と幸せに暮らす長女も、情緒豊かながら理性と共に生きる次女も、好奇心の赴くままに生きる三女も、みんな理解できる部分があって。 彼女たちを通して自分の中にあるものを発見できるのもおもしろいです。 家族の結びつきが強くて、家族の危機には駆けつける彼女たち。 みんなたぶん、きっと不器用で、恋愛に翻弄されて、でも地に足をつけて生きようとしていて。たぶんそんなところに強く共感するんでしょうね。 私の本質は長女に近いかもしれないけど、次女のような理性を持ちたいし、三女のようにまっすぐに幸せを追いたい。 犬山家の家訓もいいですよね。恋愛に疲れた人にもよいかもしれない。

Posted byブクログ