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秘密の花園 の商品レビュー

3.4

197件のお客様レビュー

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    26

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  5. 1つ

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2018/06/10

那由多の語りを「あああああ、これダメなやつ、ダメなやつぅ!」と悶えながら読んだ。ほんとうにつらかった……。そして、よくないとわかっていながらあのシーンで「ざまあみろ!」とおもったことを告白します。じぶんの愚かしさが悲しい。白黒の画面がとつぜん総天然色になるような、総天然色の画面が...

那由多の語りを「あああああ、これダメなやつ、ダメなやつぅ!」と悶えながら読んだ。ほんとうにつらかった……。そして、よくないとわかっていながらあのシーンで「ざまあみろ!」とおもったことを告白します。じぶんの愚かしさが悲しい。白黒の画面がとつぜん総天然色になるような、総天然色の画面が一瞬で砂嵐になるような、目が離せないちぐはぐさ。それでいて落ち着き払った描写と文章そのものの透徹さ、しをんならではのうつくしい比喩をこれでもかと堪能した。激しい風雨に煽られながら必死に立ち続け、息をする少女をもっと見ていたかった。

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2018/05/28

高校生のころ、夢(現実じゃないもの)を奪われないように守ろうとして、現実を壊したり見なかったり軽く扱ったりしてたな。

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2018/04/21

那由多、翠、淑子を中心に描かれる カトリック系女子校を舞台にした物語。 少女性というくらいで なぜかこの年頃の女の子にはなにかしらの神秘性がある。 実際は、恋と勉強と食欲と未来への希望と不安、てなとこだろうけど 小説の世界では、その日常の中のほんの少しの聖なる輝きを取り上げるこ...

那由多、翠、淑子を中心に描かれる カトリック系女子校を舞台にした物語。 少女性というくらいで なぜかこの年頃の女の子にはなにかしらの神秘性がある。 実際は、恋と勉強と食欲と未来への希望と不安、てなとこだろうけど 小説の世界では、その日常の中のほんの少しの聖なる輝きを取り上げることが多く そんな感覚は男目線独特なのかと思っていたけど 三浦しをんは同じ女性。 なんだろうこの人、不思議… とはいえ、 社会を知る前の、大人になる前の、 女子特有の潔癖な感じとか孤高な感じとか凛とした思考回路とか とうに過ぎ去った身にしてみれば まぶしいかもしれない。 だってもう、私は自分の身を案じる男性教師側の思考になっちゃってるから。 自分だけが歳を取っていき、目の前に現れる生徒たちは永遠に若いままだと感じる老教師の側になっているから。

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2017/12/03

那由多、翠、淑子という3人の女子校生。笑顔の裏の怖い顔とか、恋した時の思い込みの激しさとか、自分の心の中にだけ存在する暗いものとか、女子校生ってそういうものだったな、と思い出した。最後に明るい光が見えた気がして安心した。

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2017/11/06

想像以上に湿っぽかったというか重かった。キャラ設定や人間関係は小説ならではって感じでそこまでリアルじゃなかったけど、トラウマとか被害妄想とか現実逃避とか、主人公の3人それぞれに感情移入できる部分があった。とりあえず最後どうなったのかが気になる…

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2017/09/06

著者のエッセイを読了後に読んだ本書は、まるで紙の側面で指を切ったように鋭利な傷を作ったような感覚に陥った。3人の少女の視点が那由多→淑子→翠の順で結びの部分をのりしろにして繋がっていく。彼女たちの気持ちを100%理解できないことは残念だ。それは自分が男だからだと思う。そして、永遠...

著者のエッセイを読了後に読んだ本書は、まるで紙の側面で指を切ったように鋭利な傷を作ったような感覚に陥った。3人の少女の視点が那由多→淑子→翠の順で結びの部分をのりしろにして繋がっていく。彼女たちの気持ちを100%理解できないことは残念だ。それは自分が男だからだと思う。そして、永遠に理解できないかもしれない。三篇の物語それぞれが、ともすると中途半端に終わっているような印象を受けるかもしれないが、それは著者が読者に「その続きは想像しなさい」と言っているようで、物語に奥行きを感じさせる。

Posted byブクログ

2017/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読とは思えないくらいまったく記憶になかった。男性主人公が多いと書いたばっかりなのに、女子高生が主人公。女性作家の女性に対する視点は、冷たく、近親憎悪のような愛情でいて、それでも突き放せない苛立ちのようなものをいつも感じる。10代特有の不安定さは、誰もが共感できるものでありながら、言葉にすると途端に違和感を感じることも多い。しかし、しをんさんは絶妙なバランスでその隙間に物語を作り上げている。「消えてしまわないで。それだけでいいの」という静かなエールがほんのりと温かい。

Posted byブクログ

2017/01/14

人間は言葉を使ってお互いに近づこうとするものだと思っているのに、言葉は届かずに、ふとした瞬間にひとりだと気づく。少女は大人からしてみれば季節とともに入れ替わる永遠性を持つ存在。記号として扱われ消費されるのを嫌うのは少女の側。

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2016/10/11

翠ちゃん、那由多ちゃん、淑子ちゃん 場所はフェリスかなぁ?と思いました。 最後結局どうなったのか気になります。

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2016/05/21

20160521 「女の子同士」はこの上なく煩わしいのに、時にいとも容易く男女の恋愛さえ凌駕してしまう。 読みながらすごくドキドキしました。那由多、淑子、翠それぞれの内面が分かる構成がとてもおもしろかったです。 こういうのを読むとなんだか心酔してしまいます。奥ゆかしさがあるという...

20160521 「女の子同士」はこの上なく煩わしいのに、時にいとも容易く男女の恋愛さえ凌駕してしまう。 読みながらすごくドキドキしました。那由多、淑子、翠それぞれの内面が分かる構成がとてもおもしろかったです。 こういうのを読むとなんだか心酔してしまいます。奥ゆかしさがあるというか、年頃の女の子のお話はいつもドキドキしながら読んでいます。それはすごく心地よくて、だからやめられません。 結局最後どうなってしまったのか、明確に書かれていないけれど、余地があり余韻が残って心地よいです。ずっとこの物語のことを考えていられるので。 「何億人の男がいたって関係ないのよ。たとえ離れ小島に二人きりでも、その相手を好きになってしまえばそれが恋なんだから。」「それは錯覚というものじゃないの?」「だからそれが恋なんだってば」

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