秘密の花園 の商品レビュー
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女性作家ならではの視点で様々な葛藤を描いた作品という所なんだろうか。 前半は靄がかかっている感覚でしたが、徐々に晴れていく感じが面白かったです。 ですが、なかなか難しい作品でした。
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面白かったです。 女学園ものでしたが、どこか影があってヒリヒリする空気が好きです。 みんな秘密を抱えてて…那由多も淑子も翠も好き。司書教諭の笹塚も好き。 那由多と翠のふたりの間にある感情がとても好きです…翠の方がちょっと片想いが多いですが。恋慕でもないし、友情では足りないし…ただ...
面白かったです。 女学園ものでしたが、どこか影があってヒリヒリする空気が好きです。 みんな秘密を抱えてて…那由多も淑子も翠も好き。司書教諭の笹塚も好き。 那由多と翠のふたりの間にある感情がとても好きです…翠の方がちょっと片想いが多いですが。恋慕でもないし、友情では足りないし…ただただ尊い。 那由多が抱えた秘密、これ気色悪いオヤジの自業自得なのであって、彼女が病む必要ないのに…那由多の取った行動、すごくスカッとしたので。高校生でこれが出来るって、強いな。。
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積読から。 三浦さんは高校生の頃に出会ってからずっと好きなんだけど… 高校という狭い世界での危うい女子高生たちの内面をすごいきれいに描いている。 世界観がしっかりしてて、引き込まれる感じもある。 純文学ぽいというのか、、 わりと空気が重いので、 カラッと明るいのが読みたい...
積読から。 三浦さんは高校生の頃に出会ってからずっと好きなんだけど… 高校という狭い世界での危うい女子高生たちの内面をすごいきれいに描いている。 世界観がしっかりしてて、引き込まれる感じもある。 純文学ぽいというのか、、 わりと空気が重いので、 カラッと明るいのが読みたいときには合わないけど、 こういうのが読みたい気分のときもあるよね。
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女子高生3人がそれぞれの目線からオムニバス形式で同時進行していく三つの小説。 それぞれの女子高生が独特の視線を持っており、女子高生ってこんな考えを持っていたりするのかと私のような年寄りには新鮮でした。 それぞれの目線でそれぞれを見つめるその展開も含めて読んでいて楽しめる一冊だと思います。 実際に読んだのはこちらの文庫本ではなく単行本でした。
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スイの気持ちがなんとなく一番わかる気がした。 男女じゃないからこその愛はあると思う。何も生み出せない関係だからこそ、感覚とか勘で繋がったり、安心できる。もし那由多がいたら、憧れるだろうな。互いに適度な距離感、必要なときに求めて、踏み込んで良いものかしっかり図っているところがとても...
スイの気持ちがなんとなく一番わかる気がした。 男女じゃないからこその愛はあると思う。何も生み出せない関係だからこそ、感覚とか勘で繋がったり、安心できる。もし那由多がいたら、憧れるだろうな。互いに適度な距離感、必要なときに求めて、踏み込んで良いものかしっかり図っているところがとても好き。 那由多の話で、言葉はときに無力だと痛感したし、家族を探せない父というのもわかるなと思った。希望は災厄の一つというのも印象的。最後に那由多がスイに話したのは良かったなと思う。スイならなんとなくわかってあげられたんだろうなって。
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大人になる前の未完成な、カトリックの女子校に通う3人の少女のお話。 大人によって傷つけられ、そしてそれが性に関することであることが3人の共通点であると思った。 自身の葛藤を他人に打ち明けることができず、1人で悩む少女たちはそれを乗り越えて大人に成長していくのだろう。 私は淑子の...
大人になる前の未完成な、カトリックの女子校に通う3人の少女のお話。 大人によって傷つけられ、そしてそれが性に関することであることが3人の共通点であると思った。 自身の葛藤を他人に打ち明けることができず、1人で悩む少女たちはそれを乗り越えて大人に成長していくのだろう。 私は淑子の気持ちが痛いほど分かってしまう。 自分は誰かの1番、特別にはなれなくて、でも好きな人の特別になりたくてすべてを投げ出してもいいと思う。 だがそう思っているのは私だけで、先生は違う。 自分とか立場とかの方が大切でどれほど願ってもあの人の1番に今の私はなれない。 私じゃなくてもいいのではないかと思うから、いつか来るであろう終わりが怖い。 20歳になった私は少し遅れた思春期を迎えているようだ。 いつかあの人よりも好きな人ができるのだろうか。
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バーネットの小説とも松田聖子の歌とも内容的に全く関係のない三浦しをんさんの初期青春小説ですが「舟を編む」とは完全に異質な世界の物語でしたね。遊び心を感じたのは、那由多と丈の姉弟の名が数量の単位である事、色を冠した名前、紺(幻)・翠・碧の兄姉弟でしたね。本書は相当に難解で特に哀しい...
バーネットの小説とも松田聖子の歌とも内容的に全く関係のない三浦しをんさんの初期青春小説ですが「舟を編む」とは完全に異質な世界の物語でしたね。遊び心を感じたのは、那由多と丈の姉弟の名が数量の単位である事、色を冠した名前、紺(幻)・翠・碧の兄姉弟でしたね。本書は相当に難解で特に哀しいのは、那由多・淑子・翠のヒロイン3人が自らの抱えた秘密と悩みを素直に打ち明ける勇気を最後まで持てない事、そして単純なハッピーエンドで安心させてはくれない事ですが、私は那由多が復帰した様に淑子も何時か必ず帰って来ると信じたいですね。
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オムニバス形式で主人公たちの本当の心理がわかっていく。キリスト教の女子校ってこんな感じなのかな?って思った。自分は共学しか行ったことないから新鮮に感じた。 この作品で卒論を書いた子に話を聞きたい!
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カトリックの女子校へ通う少女たちの其々の秘密と葛藤が描かれている作品。 那由多、淑子、翠と主に3人の少女たちの秘密が各章で描かれているのですが、広い意味で其々が「性」に対してのコンプレックスを持ち、皮肉にも処女信仰であるカトリックの学校が舞台という設定は面白かったです。 作中で其...
カトリックの女子校へ通う少女たちの其々の秘密と葛藤が描かれている作品。 那由多、淑子、翠と主に3人の少女たちの秘密が各章で描かれているのですが、広い意味で其々が「性」に対してのコンプレックスを持ち、皮肉にも処女信仰であるカトリックの学校が舞台という設定は面白かったです。 作中で其々の少女をお姫様に例える描写に凄く納得してしまいました。 どんなに打ち解けた友人でも知らない秘密は誰だってあると思います。罪悪感や羞恥心から言葉に出来ないままに心の底に鬱々と育った秘密を、間接的な言葉でありながらも発することの出来た那由多に、この作品の救いを感じました。
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女子高生3人の特別なような、普通なような日々。それぞれ性格も考え方も違うが、大人と子どもの端境期に見られる自己肥大と自己卑下、突発的衝動、残酷さなんかは共通している。淑子が一番子どもに見えて大人かもしれない。 どちらかといえば鬱々とした雰囲気が漂うが、なんとなくノスタルジー。
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