秘密の花園 の商品レビュー
少女の「永遠」性。何と甘美で、秘めやかな響き。人間は誰しも成長を止めることはでき ず、幼さを失い、いつしか老いてしまう。けれどその中にあって、「少女」という時代は一種のパラレルのように感じられる。芽吹きの芳香を惜しみなく放ちながら、まだ成長したくはないと世の中を拒むように独自の文...
少女の「永遠」性。何と甘美で、秘めやかな響き。人間は誰しも成長を止めることはでき ず、幼さを失い、いつしか老いてしまう。けれどその中にあって、「少女」という時代は一種のパラレルのように感じられる。芽吹きの芳香を惜しみなく放ちながら、まだ成長したくはないと世の中を拒むように独自の文化を築く。 自分にも果たして、そんな時代があったのだろうかと振り返る。例えあったとしても、この小説の中に描かれている少女たちのように繊細な描写をされてはひとたまりもない存在だったろうなと思う。 学校とは閉じた世界の最たるものだが、そこに信仰と少女だけのという要素が加わって、より濃密な空間にされているような錯覚を呼び起こす。 本当は誰もが、自分の中に閉じた花園を保持し、外部の侵入を拒む反面、諦めている。だれかが踏み入って来たなら、それを歓迎することができるか。それとも誰かの花園に触れたいと願うこともいずれ…。 ややこしいこと色々書いたが、私はこの世界観が割りと好きだ。*****かつて少女だったころ、主人公の彼女たちのように特別な存在になりたかったし、自分の内側と向き合うことに必死だったから。ほんの少し、懐かしいところもあったのだ。
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カトリック系女子高生3人のお話。3人3様に各秘密を抱えている。その秘密に纏わる3篇による作品。共通点は女の性。 '07.04.29読書完了
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三人の女子高生を、一人ずつ主人公にした 3つの短編集。 一つ一つが独立した話しでありながら、あとになるにつれて 全てがつながっていく。 自分自身は共学だったから、女子校という雰囲気だけで 特殊な感じがしちゃいますがw 爆笑の渦に惹きこんでくれるエッセイとはまた違った 淡々としな...
三人の女子高生を、一人ずつ主人公にした 3つの短編集。 一つ一つが独立した話しでありながら、あとになるにつれて 全てがつながっていく。 自分自身は共学だったから、女子校という雰囲気だけで 特殊な感じがしちゃいますがw 爆笑の渦に惹きこんでくれるエッセイとはまた違った 淡々としながらも 狂気も含んでいる とても惹きこまれる作品です☆ 一度 女子校を体験してみるのも よかったかも(^^ゞ
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最初は普通に見えたのに、途中から、思春期特有の繊細さに辟易。淑子は結局、普通の結婚(金持ちなりの)をし、失踪も青春時代のよい思い出くらいに思うのではないか。残りの二人はそれなりに、生きづらく生きていくのでは。
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小中高一貫のミッション系の女子校に通う3人の少女の物語。 こういった「女子もの」は作者がどっぷり感情移入してハマり込んで書かれる事が多いため「10代の女の子は共感出来るけど、大人はちょっと無理」みたいな事を書かれがちだが、なんとなく10代の女の子もどっぷり共感しないし、大人も共感...
小中高一貫のミッション系の女子校に通う3人の少女の物語。 こういった「女子もの」は作者がどっぷり感情移入してハマり込んで書かれる事が多いため「10代の女の子は共感出来るけど、大人はちょっと無理」みたいな事を書かれがちだが、なんとなく10代の女の子もどっぷり共感しないし、大人も共感しない、ただ作者が実際に見たであろう事感じたであろう事がリアルで生々しい。 引き寄せられたり、突き放されたりする文章で3人の少女を傍観するという印象。
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モロッコ旅行中の友達。三浦しをんの女子高物。カトリック系女子高校に通う3人の女の子の話。川原泉の『笑うミカエル』を思い出した。が、もちろんそれより全然暗いです。「普通」な女子高生「孤独でいれる」女子高生。こういう登場人物たちは結構好き。なんとなく暗くて、アンニュイ〔?〕な雰囲気は...
モロッコ旅行中の友達。三浦しをんの女子高物。カトリック系女子高校に通う3人の女の子の話。川原泉の『笑うミカエル』を思い出した。が、もちろんそれより全然暗いです。「普通」な女子高生「孤独でいれる」女子高生。こういう登場人物たちは結構好き。なんとなく暗くて、アンニュイ〔?〕な雰囲気は、好き。がつっとくる良い本!というわけではないが、なんとなく、くらーくだらーっと良い小説。
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那由多って素敵な名前だなぁ。カルピスの事とか、その人に入り込めるのは一部の人間だけだとか小さい共感をたくさん感じた。
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