闇の守り人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2011年4月11日読了 読み始めると一気に読んでしまいたい衝動に駆られて困る作品だな、としみじみ思いました。 最初は緩やかで、徐々に加速していく物語はとても魅力的\(^o^)/ 今回はバルサが過去と向き合う物語で、思っていたよりも根の深い陰謀に息を呑みました。皆に疑われ、追われ、でも最終的には手を貸してしまうバルサの懐の深さに感服!彼女の怒りや牧童たちの思惑も含まれているとはいえ、あの腹のくくり方は清々しいったらない。彼女は本当に心身ともに強い女性なんですね。これはある種、女性しかない強さなのかもしれない。 折に触れて、チャグムと過ごした日々を思い返す彼女は用心棒ではなく母の心境なのだろうと思います。そして、死を予感してタンダを想う彼女は、やはり女なのだとも思う。本人は気付かずとも、多くの面を持っているからこそ、やはりバルサは強いんでしょう。 運命を信じないと言い切ってみたいものです。 カッサも氏族と己の信念の間で揺れ、チャグムのようにしっかりと成長していましたね。短剣所持を許されたけれど、まだ大人の世界を知らない少年が見せる強さと葛藤がすごく丁寧に描かれていて良かった。 それに反してユグロの汚さときたら。バルサの過去の事情で悪い奴が出ないことはないとは思っていませんでしたが、ここまで真性の悪が出てくるとは思いませんでした。前回は政治的な事情で…というのがありましたが、今回は純粋に己の欲望ってのが怖いですね。ルイシャを得てカンバルを裕福に…というのは建前で、自分を英雄に仕立て上げようという思いが怖い。鬱屈した時代を過ごしたからこその反動なのかもしれないけど…(;一_一) 結果的に、バルサがジグロときちんと向き合って別れられたので良かったと思う。きっと、帰るときは清々しい気持ちだったに違いない。 折に触れてタンダを思い出す彼女が可愛くて仕方ない、回でした。
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期待を裏切らんね。 バルサの生まれた国での新しい物語。 育ての親ジグロとの距離感がなんとも切ない。 またまた名言満載で、人物たちの言葉がいちいち心に刺さるのです。通勤中に読んで何度も落涙しそうになりました。
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精霊~が、面白いけど何だか気持や話の中に入りきれないまま終わってしまった感じがしていたのだけど。 こちらは最後まで、バルサと旅できたような気持ちになれました。 話の流れも面白いし、ハラハラするしで楽しかった( ´ ▽ ` )ノ! ちょっと涙もジワリ。 次は夢~です♪楽しみだっ。
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心の闇。人のが見えるのも、自分のを見せるのも、ドキッとする。だけど、隠しごまかしては生きられない時がくるんだろうな。 そんな場面で、私は逃げ出しちゃうに違いないんだけど(ケンカもできない、陰で文句ばかり言うよーなニンゲンなんです( ; ; ))、 憎しみとか、うらみとかって、一時...
心の闇。人のが見えるのも、自分のを見せるのも、ドキッとする。だけど、隠しごまかしては生きられない時がくるんだろうな。 そんな場面で、私は逃げ出しちゃうに違いないんだけど(ケンカもできない、陰で文句ばかり言うよーなニンゲンなんです( ; ; ))、 憎しみとか、うらみとかって、一時の鬱憤ばらしじゃなくならないんだね。 壮絶に、自分と向き合わないと。そんなこと、逃げ癖ついてる私にできるかしら…
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「守り人」シリーズ 第2作。 前作よりも、さらに世界観が深まり、 おもしろさもアップ。 こういう作品を生み出せるって ってほんとすごい。
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スゴすぎる‼ このような物語が書けるって どういうことだ⁈ 沢山のメッセージがあって ビックリです いつまでも「私って案外スゴイのよ」なんて言ってちゃダメだな...と思いました f^_^;)
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女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名をそそぐために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。...
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名をそそぐために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。 (裏表紙紹介文より) *** 前作の直後あたりから始まる2作目。 故国カンバル王国に帰ったバルサが、25年前の王位継承問題から続く王国の内政問題から建国にかかわる秘密にまで足を突っ込むことになるお話。 今回はバルサと亡き養父ジグロとの愛憎入り混じった絆が描かれました。 何というか、とても深いお話でした…。 (児童文学よりの本シリーズならなおさら)描かないままでもいられたであろう、ジグロの“親友の娘を守ることで生じる複雑な想い”や、バルサの“自分の運命とジグロへの複雑な想い”が、これでもかと言うほどに描かれていて。 2人の感情に読んでて切なく、やるせない思いがしました。 特に、〈槍舞い〉のシーンは…胸にくるものがありました。 読み終わってみると、バルサがこのタイミングで帰郷したのには、やはり運命的な何かがあったんじゃないかなぁと感じずにはいられません。 過去に起きてしまったことは変えられないけれど、過去の出来事への認識や想いは変えられる。 そして、この先のバルサの生き方にも変化が起きるんじゃないかなぁと思えて良かったです。
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守り人シリーズは全部読んだけど、断然これ。 途中でこれって…と気付いたけど、それでも読ませる話だね。 バルサみたいに己を貫いて生きたいものです。 と同時に、思い出深すぎてどうしようかもてあましている本です。
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『精霊の守り人』の続編。こんなにも早くバルサの過去に迫るとは。 バルサの故郷カンバル王国で展開される、バルサと養父のジグロを巻き込んだ陰謀と その名残に振り回される人々の物語。 人間の持つ醜さ、弱さといった暗い面に真正面から向き合った作品だった。 そうした弱さを抱えた人間である祖...
『精霊の守り人』の続編。こんなにも早くバルサの過去に迫るとは。 バルサの故郷カンバル王国で展開される、バルサと養父のジグロを巻き込んだ陰謀と その名残に振り回される人々の物語。 人間の持つ醜さ、弱さといった暗い面に真正面から向き合った作品だった。 そうした弱さを抱えた人間である祖先を、異界での儀式で弔うことで 彼らの哀しみや思いが、貧しいカンバルの貴重な財源である宝石ルイシャとなって 同じように醜い子孫の生を紡いでいくという設定や物語の展開には、思わず鳥肌が立った。 人間は醜いがその営みはだからこそ美しいと思わされる。 このシリーズの最高傑作なんじゃないかと思える作品だった。
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女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは―。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。 ...
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは―。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。 壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。
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