暗号解読(下) の商品レビュー
HALというのを知っていますか? 「2001年 宇宙への旅」に出てくるコンピュータ。はたまた、コンピュータ専門学校の名前?(最近(2015年)読んだ本ではロボットの名前) このアルファベットを1文字ずつ右にずらしてみましょう。Hの次はI、Aの次はB、Lの次はM、つまりHALはIB...
HALというのを知っていますか? 「2001年 宇宙への旅」に出てくるコンピュータ。はたまた、コンピュータ専門学校の名前?(最近(2015年)読んだ本ではロボットの名前) このアルファベットを1文字ずつ右にずらしてみましょう。Hの次はI、Aの次はB、Lの次はM、つまりHALはIBMのことだったのです。これが一番簡単な暗号。これだと、少しずつずらして意味の成り立つ文章を探していけば、すぐに解読できてしまえそうです。そこで、キーワードを最初に入れます。たとえば、TAKESHI。この場合、ABCDEFGHIJKLMN・・・はTAKESHIBCDFGJL・・・と対応させます。キーワードを最初に持ってきて、そこに入っているアルファベットを除いて順番に書き並べていきます。こうすれば、キーワードを知られない限り、解読は難しい。実は、それでも解読する方法が見つかるのです。文章の中に現れる文字の数を調べていき、一番多く現れた文字をE(ふつう文章を調べると13%くらいEが出てくる。これが最も多い。)と置き換え、次はA、次はTなどと変換していきます。それで、うまく文章が意味をなすかを調べるのです。少し時間をかければ解読ができるというわけです。という具合に、本書では暗号作成と暗号解読の歴史が順を追って描かれています。後半の内容はずいぶんと難しくなってしまうのですが、それでも二つの世界大戦の中での暗号にまつわる話など、驚くことばかりです。どんな分野にせよ、最先端で活躍する人々の物語は本当におもしろいものです。最後の量子コンピュータ・量子暗号の話はほとんど分かりませんでしたが。(物理学科出身だったのに、もうずいぶん昔のことになってしまった。)
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暗号の歴史と暗号製作者vs暗号解読者の歴史をたどった上巻に続き、下巻は現代の暗号と暗号の未来について。 仕事でもちょっと調べたDES、RSA、PGPの話が面白かった。
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カンバーバッチ主演の「イミテーションゲーム」を観たくて、予習しておこうと読んでいたのだが、なんと映画上映は明日までだった。DVDを待つしかないか…
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暗号の歴史を綴ったノンフィクションの下巻。 内容は、第二次大戦で暗号として用いられたネイティヴ・アメリカンの言語、古代言語の解読、コンピュータ時代の暗号、次世代の量子暗号など。特に公開鍵暗号に関しては一般に知られている発明者以前に、英国の暗号班が同等のものを開発していたという話は...
暗号の歴史を綴ったノンフィクションの下巻。 内容は、第二次大戦で暗号として用いられたネイティヴ・アメリカンの言語、古代言語の解読、コンピュータ時代の暗号、次世代の量子暗号など。特に公開鍵暗号に関しては一般に知られている発明者以前に、英国の暗号班が同等のものを開発していたという話は興味深い。 巻末には著者からの読者への暗号解読の問題が記載されている。この問題はスウェーデンのチームにより既に解読済みだが、解読プロセスを再現した訳者ら"チーム暗号猫"の活動についても記されている。
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暗号というテーマでここまで惹きこまれる本はあるだろうか。 上巻から通して暗号の歴史を理解する上で非常に分かりやすく、現代のコンピューター時代における暗号までも網羅されている。 改めてサイモン・シンの知識、筆力に驚かされる。 それと同時に内容を理解されながら訳されている青木さん...
暗号というテーマでここまで惹きこまれる本はあるだろうか。 上巻から通して暗号の歴史を理解する上で非常に分かりやすく、現代のコンピューター時代における暗号までも網羅されている。 改めてサイモン・シンの知識、筆力に驚かされる。 それと同時に内容を理解されながら訳されている青木さんも素晴らしい。 IT業界に身を置いているが、RSAや3DESの歴史などとても面白かった。 いつかは再読してみたい一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上巻ではドイツのエニグマ解読の物語であったが、下巻はその敵方であるアメリカの暗号作成に関する物語から始まる。 エヴァホ語を使った暗号作成、線文字Bの解読、公開鍵・秘密鍵の開発、量子暗号。 上巻が暗号と歴史との関わりに重点を描かれていた一方、下巻ではほぼ舞台が近代・現代ということもあり歴史との関わりはあまり描かれていませんでした。 私自身がコンピューターに関わる事が多いため、アリスとボブのストーリー、公開鍵・秘密鍵が生み出されるまでの話が興味深かったです。素数、すごい。 量子コンピュータと量子暗号、重ねあわせはどうもスッキリ理解することは難しかったですが、実現されれば計算速度など、異次元になるのだろうと思うとワクワクします。 暗号賛成派と暗号反対派の議論は興味深く、個人のプライバシーか犯罪者を捕まえるか、悩ましい問題です。 巻末には作者からのプレゼントとして、暗号解読の問題がついています。 翻訳者の方の問題の解説もついていて、本書で学んだ暗号解読手法を身につけることができるようになるかも?!
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上巻に比べて、暗号に使われる技術の幅が広がったためか、脇道にそれることが多かった印象。上下どちらかだけを読むなら上巻が断然おすすめ。
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【文章】 読み易い 【気付き】 ★★★・・ 【ハマり】 ★★★・・ 【共感度】 ★★★・・ 第2次世界大戦から、未来の暗号化技術について。 第2次世界大戦時、アメリカはナヴァホ族の人間を暗号通信手段として利用していた。 話者が限られている言語が暗号の代わりを果たしてい...
【文章】 読み易い 【気付き】 ★★★・・ 【ハマり】 ★★★・・ 【共感度】 ★★★・・ 第2次世界大戦から、未来の暗号化技術について。 第2次世界大戦時、アメリカはナヴァホ族の人間を暗号通信手段として利用していた。 話者が限られている言語が暗号の代わりを果たしていた。 暗号解析技術と、読み方の分らない古代文字の解析技術は似ている。 暗号化の時と復号化の時で、別々の鍵を用いることによって、 鍵配送問題を解消した、公開鍵秘密鍵暗号方式は現代の暗号化技術に利用されている。 強力な暗号化技術が犯罪に利用される懸念。 今後生まれてくるであろう、量子コンピュータに対抗できるのは、同じく量子力学を応用した量子暗号。
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戦争には絶対にかかせない暗号。もしこの暗号がやぶられていなかったら、太平洋戦争は違う局面を見せていたかもしれない。これからも暗号は進化続けるのだろう。
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