暗号解読(下) の商品レビュー
下巻はけっこう難解で(特に量子暗号 )、思った以上に読むのに時間がかかった・・・ 読んでいて「ん?んん??」と思う所が出てきてもその後に必ずといっても良いぐらい例え話が出てくるので、そこでおおよそ理解することができました。 この著者の例え話の上手さには感心するものがありますね! ...
下巻はけっこう難解で(特に量子暗号 )、思った以上に読むのに時間がかかった・・・ 読んでいて「ん?んん??」と思う所が出てきてもその後に必ずといっても良いぐらい例え話が出てくるので、そこでおおよそ理解することができました。 この著者の例え話の上手さには感心するものがありますね! 『フェルマーの最終定理』を読んだ時にも思いましたが、物理とか数学がそれほど得意でなくても楽しめるというのが良いなぁと思います♪
Posted by
文庫本だが、上下合わせて700ページの大作。サイモン・シンの本は「フェルマーの最終定理」、「宇宙創成」に続いて3作目の読書体験だが、この本も時間を忘れさせるほどの面白い本だった。 本書は、暗号の変遷史を辿る内容。しかし、単なる変遷史ではなく、暗号を作る人々、それを破ろうとする人...
文庫本だが、上下合わせて700ページの大作。サイモン・シンの本は「フェルマーの最終定理」、「宇宙創成」に続いて3作目の読書体験だが、この本も時間を忘れさせるほどの面白い本だった。 本書は、暗号の変遷史を辿る内容。しかし、単なる変遷史ではなく、暗号を作る人々、それを破ろうとする人々が織りなす人間ドラマを中心に描く。本書で紹介される暗号は、文字を入れ替えたり、表を使ったりする単純なものから、大戦中にドイツ軍が開発したエニグマ暗号機、巨大数の素因数分解を利用したものまで。最終章では、量子暗号の可能性を論じる。 暗号の歴史はまさに戦争の歴史だ。 「ポーランドがエニグマ暗号を解読できたのは、煎じ詰めれば3つの要素のおかげだったー恐怖、数学、そしてスパイ行為である。侵略の恐怖がなければ、難攻不落のエニグマ暗号に取り組もうなどとは、そもそも思いもしなかっただろう」。ドイツも日本も暗号が解読されたことが敗因となった。 「弱い暗号を使うぐらいなら、最初から暗号なそ使わない方がましだ」。暗号への過信は怖い。 古代エジプト文字の解読史も面白い。その形から表象文字だと考えられていた文字を、アルファベットのような表音文字であることを突き止め、解読までの物語はスリリング。 また、巨大な素数を使ったRSA暗号の成り立ちの説明も、ボブ、アリス、イヴを登場させてわかりやすく、面白い説明になっている。 「あぁ、なるほど」と思える快感が存分に味わえる★4つ。
Posted by
数学と量子力学が暗号に大きく関わっているとは思いもしなかった。現代のインターネット社会ではセキュリティと暗号の大切さは語りつくせないほどだ。それくらい我々の日常生活に密着している。そして中でも量子暗号は解読できないことにほっとした。これらを今から10年も前に唱えているサイモン・シ...
数学と量子力学が暗号に大きく関わっているとは思いもしなかった。現代のインターネット社会ではセキュリティと暗号の大切さは語りつくせないほどだ。それくらい我々の日常生活に密着している。そして中でも量子暗号は解読できないことにほっとした。これらを今から10年も前に唱えているサイモン・シンは先見の明がある。暗号リテラシー、量子暗号、非可逆性、非対称暗号、ワンタイムパッド等日常に潜む何故を考えていくきっかけにしていきたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やばい。おもしろい。 上巻よりも下巻の方が断然惹かれた。といっても、元々は一冊の本で、文庫化するに当たって分冊されたようだが。 この本の原著が20世紀に存在していたことが信じられない。今も生きている技術がきちんと解説されている。 そして、ちょっと前に話題になったFBI対Appleの争い。 すでにこの本ではプライバシーか安全保障かの争点が 見据えられている。 というよりは、今に始まったことではなくもはや何十年も前からそういう懸念があったと言うことだろう。 さらに、未来の話として量子コンピュータ、それを元にした量子暗号の話題まで盛り込まれている。最近では、Googleが活発に研究開発を行っている分野だ。 今後が楽しみ。
Posted by
現時点で、今年1番面白かった本。 自分がRSAなどの暗号を扱う仕事をしているので、尚更興味深く読めた。 暗号の歴史から、将来の展望まで非常に分かりやすく理解できた。 量子コンピュータが実用化されるとRSAは危殆化してしまう。 一方で量子暗号も実用化に向けて研究がされているとの...
現時点で、今年1番面白かった本。 自分がRSAなどの暗号を扱う仕事をしているので、尚更興味深く読めた。 暗号の歴史から、将来の展望まで非常に分かりやすく理解できた。 量子コンピュータが実用化されるとRSAは危殆化してしまう。 一方で量子暗号も実用化に向けて研究がされているとのこと。 今後も暗号の動向には注目していきたい。
Posted by
相変わらず、安定と安心のサイモン・シンといったところか。本当に細かいところまでよく取材していると感動する。元々そんなに暗号やその歴史に興味はなかったが(ほとんどの読者がそうだろうが)、著者によって暗号の世界に引き込まれていった。一見するとつまらなそうな内容に興味を持たせる技術には...
相変わらず、安定と安心のサイモン・シンといったところか。本当に細かいところまでよく取材していると感動する。元々そんなに暗号やその歴史に興味はなかったが(ほとんどの読者がそうだろうが)、著者によって暗号の世界に引き込まれていった。一見するとつまらなそうな内容に興味を持たせる技術には、脱帽だ。 個人的には「フェルマーの最終定理」や「宇宙創成」の方がインパクトという点では上だったと思うが、本書もかなり質であることは間違いない。文句なしにオススメできる。
Posted by
科学ジャーナリスト、サイモン・シンによる暗号の進化とそこに魅せられた人間たちの物語の下巻。 下巻では第二次世界大戦でアメリカの軍事連絡の暗号化に貢献したナヴァホ族のエピソードに始まり、そこから派生して古代言語の解読のエピソードを挟みつつ、世界の様々な数学者が活躍し、現在のインタ...
科学ジャーナリスト、サイモン・シンによる暗号の進化とそこに魅せられた人間たちの物語の下巻。 下巻では第二次世界大戦でアメリカの軍事連絡の暗号化に貢献したナヴァホ族のエピソードに始まり、そこから派生して古代言語の解読のエピソードを挟みつつ、世界の様々な数学者が活躍し、現在のインターネットにおいても極めて重要な役割を担っている公開鍵・暗号鍵という概念の誕生が描かれる。そして最終章では究極の暗号、未来の暗号である量子暗号の概念が、量子力学・量子コンピュータの極めてわかりやすい解説とともにまとめられている。 暗号という謎めいたツールから、これだけ多くの歴史やそこに関与した人間のドキュメンタリーをまとめあげる力量には改めてうならされる。また、公開鍵・暗号鍵に関する説明(第Ⅵ章 アリスとボブは鍵を公開する)は非常にわかりやすく、インターネットに関する基本的な技術としての暗号技術を知ることもでき、実用性も高い。
Posted by
全く知識のない人でもすんなりと読め、かつ深く学ぶことができる。 狭く浅く、広く浅く書かれた本を読んできたが、この本は本当に深い。読みごたえがある。 気分は暗号解読者。 蛇足: 小学生のころ、簡易な暗号を使って友達と手紙交換したことを思い出した。推理小説を読んで暗号が出てきてはそ...
全く知識のない人でもすんなりと読め、かつ深く学ぶことができる。 狭く浅く、広く浅く書かれた本を読んできたが、この本は本当に深い。読みごたえがある。 気分は暗号解読者。 蛇足: 小学生のころ、簡易な暗号を使って友達と手紙交換したことを思い出した。推理小説を読んで暗号が出てきてはそれを使って書いたものだ。懐かしい。もっとしておけばよかったな、なんて。
Posted by
とても楽しく読ませてもらった。 こういうものは理屈抜きにして面白いものだと思う。 「量子」という言葉が出てきてからは難しくて、分からなくなってしまったが……。 数学や物理が好きでなくても、こういう読み物は面白い!
Posted by
映画「イミテーションゲーム」を観て懐かしくなり、サイモン・シンの「暗号解読」を再読。前回は単行本だったが、上下の文庫本を改めて購入。 読み返してみると意外にエニグマ暗号の話はそれほど比重を占めておらず、チューリングに対する言及も少なかった。が、英国政府の暗号解読に対する力の入れ方...
映画「イミテーションゲーム」を観て懐かしくなり、サイモン・シンの「暗号解読」を再読。前回は単行本だったが、上下の文庫本を改めて購入。 読み返してみると意外にエニグマ暗号の話はそれほど比重を占めておらず、チューリングに対する言及も少なかった。が、英国政府の暗号解読に対する力の入れ方、機密保持の方針は映画ても描かれていたように非情。
Posted by