暗号解読(下) の商品レビュー
SSLのNP問題や量子暗号により、暗号の考案解読合戦は理論上、考案者側の勝利に終わる。 ここまで高度になると、ちょっと理解するのに苦労する。 でも面白い。 論理好き、暗号好きはぜひ。
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下巻の方がサイモン・シン氏らしさが出ていて面白い。 失われた言語を暗号と捉えた第5章や公開鍵発明の第6章は、特に人間味溢れるドラマとして描かれている。 科学者の本能である発見を誇る姿勢とは対照的に、暗号作成者は発見を隠すことが能力になる。その制約の下で、ここまで調査分析をし、一冊...
下巻の方がサイモン・シン氏らしさが出ていて面白い。 失われた言語を暗号と捉えた第5章や公開鍵発明の第6章は、特に人間味溢れるドラマとして描かれている。 科学者の本能である発見を誇る姿勢とは対照的に、暗号作成者は発見を隠すことが能力になる。その制約の下で、ここまで調査分析をし、一冊の本にまとめ上げるサイモン氏の才能には毎回驚かされる。他の本では高らかに陰謀説を謳い上げそうなエシュロンやNSAにも本題から逸れない程度に触れておしまい、それより素因数分解の暗号技術に熱を込めて解説、そうしたセンスも素晴らしい。ちなみに最終章の量子暗号と懸賞問題はさっぱりわかりませんでした(苦笑)。
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上巻とは異なり、インターネットによる電子取引等、暗号が現在の私たちの生活といかに密接に関わっているかを綴った下巻。学生時代は高等数学なんてなんの役に立つのやらなんて思っていたけれど、私たちの生活の利便を守ってくれる現代の暗号と数学は切っても切り離せないことを実感。正直に言って量子...
上巻とは異なり、インターネットによる電子取引等、暗号が現在の私たちの生活といかに密接に関わっているかを綴った下巻。学生時代は高等数学なんてなんの役に立つのやらなんて思っていたけれど、私たちの生活の利便を守ってくれる現代の暗号と数学は切っても切り離せないことを実感。正直に言って量子暗号についての章はリカイしようと努めてもさっぱり頭に入ってこなかったけれど、こういうことに日夜頭を働かせている人がいるんだな〜と思うと不思議。数学がからきしダメだった私としては、一回理解できたらどんな感じがするのだろうと思ってしまう。この著者のサイエンスノンフィクションは、難しいことを分かりやすく、かつ研究者の熱意や人生といった感動を持って伝えてくれる所がすごい。他のシリーズもチェックしなければ。
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暗号作成と解読の歴史には、その性質上秘密裡に行われることが多いため、時には国の命運を左右するほどの最重要な課題でありながらそれに関わった人々は、名前はおろか成果さえ長い間知られることのない事実があります。 この本を読み終えて、現代の情報化社会の根幹を成す暗号化のシステムを築き上げ...
暗号作成と解読の歴史には、その性質上秘密裡に行われることが多いため、時には国の命運を左右するほどの最重要な課題でありながらそれに関わった人々は、名前はおろか成果さえ長い間知られることのない事実があります。 この本を読み終えて、現代の情報化社会の根幹を成す暗号化のシステムを築き上げた人々の知らざれる苦闘の物語に胸が熱くなりました。暗号作成者とそれを破ろうとする解読者たちが作った進化の歴史をその周辺の古代文字にまで遡り、難しい暗号の原理も交えながら読み物として成り立たせるのは並大抵な筆致ではできません。さすがに「フェルマーの最終定理」を書いた作者ならではです。 門外漢の私にとっては、肝心の原理の部分はほとんどが理解の範疇を超えてたので、人間ドラマの部分の感想になるのは否めません。それでも通信におけるたとえ話の部分はわかりやすいものでした。登場するのはアリスとボブの恋路を邪魔するイブという設定ですからこれは興味が持てます。アリスはどうやってボブに秘密の手紙を届けたらいいのか??というテーマですから・・ しめくくりは暗号の未来における量子コンピューターの世界を披露する内容でしたが、まさにチンプンカンプン、読み流すしかないページではありましたが、暗号の世界における気の遠くなるような数字の扱いなどを読むにつけ(地球上のすべてのコンピューターをつないでも暗号解読には宇宙の年齢よりも時間がかかる・・という記述があります)人間の頭の中にある壮大なロマンに惹かれずにはいられないのでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エニグマを巡る攻防でハラハラ。解読に貢献したアラン・チューリングのその後のエピソードは胸が痛いです。アップル社のは彼に由来しているというネタを聞きつけ、Macにしててよかった、と思ったりしました。
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RSA暗号は開発者のfamily nameだとばかり思っていたが、歴史的には英国GCHQのEllisが先んじていたらしい。暗号の歴史においてこれは一つの典型である。暗号学に係る発見は外交・軍事上の政治により隠蔽される運命にある。本書が描いてきたのはまさに暗号のそういう歴史だった。...
RSA暗号は開発者のfamily nameだとばかり思っていたが、歴史的には英国GCHQのEllisが先んじていたらしい。暗号の歴史においてこれは一つの典型である。暗号学に係る発見は外交・軍事上の政治により隠蔽される運命にある。本書が描いてきたのはまさに暗号のそういう歴史だった。 ところで本書、原題はThe Code Bookであるのに和名は「暗号解読」となっている。でも実際は強力な暗号をつくる人の努力も描かれていはいるわけで、もっとうまいことタイトルの訳をつけたいところだよなーと思う。
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ついに暗号解読者と暗号制作者の戦いは量子の世界へ 普段使わない知的好奇心がぐんぐん刺激される 本当にこのシリーズは面白い
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読了。購入本。 暗号解読 下巻 量子物理学出てきちゃった… って感じでさっぱりわからないんですけどね。 それでも、実に面白いお話です。 第二次世界大戦時に使用していたナヴァホ族の話言葉が暗号なみにスゴイぜという話。 クレタ島の古代文化の線B文字 このへんまでは上巻の流れで...
読了。購入本。 暗号解読 下巻 量子物理学出てきちゃった… って感じでさっぱりわからないんですけどね。 それでも、実に面白いお話です。 第二次世界大戦時に使用していたナヴァホ族の話言葉が暗号なみにスゴイぜという話。 クレタ島の古代文化の線B文字 このへんまでは上巻の流れで解読系。 こっから コンピューター化により暗号の難易度が一気に加速します。 暗号の鍵をどう扱うかが大事です。 素数を使う現代型暗号 個人が暗号使ったっていいじゃない!的なプライバシーの守る権利の戦い。 量子暗号…。 全編通して暗号史であり数学史という感じす。 政府系機関での暗号に携わる人はけっして口外してはいけないので表舞台に出ることはない。そしてその暗号が形骸化し、公表しても問題なくなって初めて陽の光を浴びることができる。 その時には晩年であったり亡くなっていたりと、そういう秘密を扱う仕事である以上、仕方ないという部分はあるのだろうけれどね。せつないねぇ。 サイモンシンの本はほんと面白い。 『ビッグバン宇宙論』っていうのと『宇宙創造』っていう本が出てるのでそのうち読みたいと思いますが、ひも理論とか超ひも理論とか出てくるんだろうか。 数年前に、スティーブン・ホーキング氏の本読んで挫折した経験が…。
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最初の方は簡単だけど後半はハハアそういうものですか、ヘヘェ。という感じ。暗号解説に歴史や人間模様が織り込まれ、きちんとエンターテイメントなのです。面白い。あと賢くなった錯覚が得られて得した気分。
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上巻に続き下巻も相当面白かった。 下巻の内容は、古代文字の解読、RSA、量子暗号について書かれています。相変わらず、難しい内容をわかりやすく書かれているため、そのもの自体の理解もできるし、解読・開発者の人的ドラマがしっかり書かれているため、読み応えがあった。 読まなくては損。
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