ミーナの行進 の商品レビュー
ミーナの行進、読了。 自分の成長によって忘れ去り失われたかのように見える過去の思い出たちは、実は忘却ではなく、何ものにも傷つけられない場所へと大切に仕舞い込まれたんだということに気づく。 奇しくもこの春、小学校時代の友人や大学の親友とネットを通じて再会した。彼等の写真を見、言...
ミーナの行進、読了。 自分の成長によって忘れ去り失われたかのように見える過去の思い出たちは、実は忘却ではなく、何ものにも傷つけられない場所へと大切に仕舞い込まれたんだということに気づく。 奇しくもこの春、小学校時代の友人や大学の親友とネットを通じて再会した。彼等の写真を見、言葉を読む時、忘れていたはずの記憶が、手触りと重さを持って蘇ってくる。 なるほど、歳を重ねるとはこういうことなんだ、と思う。
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中学生の朋子は芦屋の洋館に住む親戚と少しの間暮らすことになった。体が弱いいとこのミーナを中心にドイツ人のローザおばあさんと双子のように寄り添う家政婦の田口さん、雑誌の誤植を探すのが趣味の伯母さんとカバのポチ子が静かに暮らしている。 ミーナの集める古いマッチ箱、光線浴室で過ごす二人の時間、いつも不在のダンデイな伯父さん、ミュンヘンオリンピックのバレーボールに熱くなる二人、そしてそれぞれの淡い恋。
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ミュンヘンオリンピック世代(当時小5)にとって,懐かしい世界。男の子はみんな,バレーボール選手にあこがれた。
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「博士の愛した数式」のときも感じたけど、読みおわったあと、永遠に続くものっていうのはないんだなっていうのをすごい感じる。ある、かけがえのない一瞬、みたいのにすごくぐっとくる。 あと、この人のスポーツへの愛が本当に好き。 わたしはバレーボールにぜんぜん詳しくないけど、ひとつひとつの...
「博士の愛した数式」のときも感じたけど、読みおわったあと、永遠に続くものっていうのはないんだなっていうのをすごい感じる。ある、かけがえのない一瞬、みたいのにすごくぐっとくる。 あと、この人のスポーツへの愛が本当に好き。 わたしはバレーボールにぜんぜん詳しくないけど、ひとつひとつの文章に胸がつまりそうになるほどの愛を感じる。
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とりあえず、予想していたのとは違った結末だった。朋子がミーナのために起こした行動は、じんわりと胸にしみる。おじさんもそうだったのだと思う。バレーについて熱く語るミーナが可愛かった。私自身は当時の熱狂を知らないけど、母に訊いてみると本当にそんな時代があったのだとわかった。
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家族の事情で、一年間を伯母の家に預けられた朋子の視線から書かれたお話。同居する従妹のミーナは喘息もちのか弱い女の子だが、ミーナを中心に同居する家族が慎ましく思いやり溢れ温かく暮らしている。 とても素敵な物語
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訳あって岡山から母と離れ兵庫の親戚の家に預けられることになった朋子が、従妹のミーナと過ごした1年間の物語。 幸せそうでも、バラバラな家族。 「全員揃ってる。大丈夫。誰も欠けてない。」 ってみんなが不安を隠している。 朋子だけがそれに触れることができた。 ミーナは体が弱くカバの...
訳あって岡山から母と離れ兵庫の親戚の家に預けられることになった朋子が、従妹のミーナと過ごした1年間の物語。 幸せそうでも、バラバラな家族。 「全員揃ってる。大丈夫。誰も欠けてない。」 ってみんなが不安を隠している。 朋子だけがそれに触れることができた。 ミーナは体が弱くカバのポチ子に乗ってしか学校に行けないけど、想像力が誰よりも豊かでどこの国のお話でも書ける。 ミーナは、私のお気に入りの女の子です。
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いやー、いい話だった。小川洋子、いいなぁ。2007年の本屋大賞7位。芦屋の金持ちのおばさんの家に預けられた一年間のお話だけど、それがまぁ、こんないい人たちがいるなんて、というようないい話。お手伝いの米田さんや庭師の小林さんや、ローザおばあさんや登場人物、みんな大好きだ。特にミーナがマッチ箱から作るお話がほんとに素敵。私はこういうのが書きたいのだ、思ってしまう。きれいな、でもそれだけではない、せつないような話。ミュンヘンオリンピックの事件も聞いたことあるような、ないような。でも昔の日本には、こういう金持ちがいたのだ、と実感できるような話。
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フレッシー、マッチ箱、大豪邸、浴室、叔父さん・・・そして、カバのポチ子。不思議なものが満載だけれども、決してファンタジーではなく、一日一日過ごす普通の日々のかたまり。家庭の事情により、母と共に過ごすことが適わず親戚に預けられた少女・朋子。その状況だけでは可哀想なはずだけれど、その...
フレッシー、マッチ箱、大豪邸、浴室、叔父さん・・・そして、カバのポチ子。不思議なものが満載だけれども、決してファンタジーではなく、一日一日過ごす普通の日々のかたまり。家庭の事情により、母と共に過ごすことが適わず親戚に預けられた少女・朋子。その状況だけでは可哀想なはずだけれど、その毎日のなんと温かくきらめいていたことか。優しいということ、家族というもの、当たり前の日々というものを、とてもありがたく感じられる。生きていくうえで、自分の柱となる思い出がある人ほど、自分自身の人生を大切にできる気がする。私だって、持っている。 マッチ箱のイラストを含め、挿絵がとても素敵。
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すごく読みやすいです。それになんといってもここに出てくるミーナが可愛いです。無意識に可愛いような綺麗なような感じに描かれていて、主人公がミーナと一緒にいるのが嬉しい、みたいなところが伝わってきます。終わり方も凄く好きだったし、何度も読み返してしまう本です。本の中に出てくる「ビンの...
すごく読みやすいです。それになんといってもここに出てくるミーナが可愛いです。無意識に可愛いような綺麗なような感じに描かれていて、主人公がミーナと一緒にいるのが嬉しい、みたいなところが伝わってきます。終わり方も凄く好きだったし、何度も読み返してしまう本です。本の中に出てくる「ビンのジュース・ペットのかば・図書館・部屋」などなどの小物(?)が独特なかんじを出していたり、どこか懐かしいかんじがあって、それも見所だと思います^^
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