芸術起業論 の商品レビュー
今年に入って、全然本を読んでない・・・。 6月に入って初の本ブログです・・・。 で、芸術起業論。 はっきしいって、この人の作品は好きじゃありません。 でも、芸術って好き嫌いではなく、純然たるビジネスであると研究をしてきた日本人アーティスト第一号であることは、間違いがないのです。...
今年に入って、全然本を読んでない・・・。 6月に入って初の本ブログです・・・。 で、芸術起業論。 はっきしいって、この人の作品は好きじゃありません。 でも、芸術って好き嫌いではなく、純然たるビジネスであると研究をしてきた日本人アーティスト第一号であることは、間違いがないのです。 私自身はアーティストではないけれど、ダーリンがアーティストなので、今後彼をどう売り出していくべきか、どうマネージメントしていくべきなのかという点で、すごく参考になった1冊であります。 アートってやっぱり、特別であって特別な世界ではない。日本とはケタ違いの金持ち相手にどう商売をやっていくかというのは、抽象的な世界ではなく、インテリジェンスなビジネスなのです。そしてそのビジネスの世界で生きていくには、相手の土壌を知ること・ひたすら学んでいくことを常に実践しなくてはならない。 この本を読んでつくづく思ったのが、自分はひたすら勉強するしかないということでした。 芸術の世界に興味がなくても、一ビジネス書として面白いと思います。 筆者は人に自分の真意を伝えるためには、言葉がものすごく大切だと考えているので、言いたいことがとてもわかりやすいし伝わりやすい。 読んでやる気の出る一冊でした。
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「新しく出ていく者が無謀をやらなくて一体何が変わるだろうか」 見城徹の一節が良く似合うのも無理はない 当出版物において出版界における幻冬舎のスタンスの確固たるを改めて魅せられたし 多くは芸術をぬるま湯の如き内輪でぬくぬくと共有される装置として完結させてしまいがち でもプロは...
「新しく出ていく者が無謀をやらなくて一体何が変わるだろうか」 見城徹の一節が良く似合うのも無理はない 当出版物において出版界における幻冬舎のスタンスの確固たるを改めて魅せられたし 多くは芸術をぬるま湯の如き内輪でぬくぬくと共有される装置として完結させてしまいがち でもプロは違う 芸術たる概念の本家本元欧米における芸術の文脈をインプットし 同時代の文脈を自らが築きゆくべく 本場のマーケットに果敢に挑戦してゆく その勝ち負けの世界において 村上隆がやったことは商品戦略 いわゆるマーケティングであり 芸術の流通における口利き 資金提供 広告企画 商品販売を徹底して行い作品の価値を高めていった そして 何より「ニーズの優先」 多くのクライアントの要望に出来るだけ応える それは時代のニーズに応えることでもあり さすればクライアントはパトロンたりえるのである 作品を公に発表する限りその作品は社会と関係を持つ事になるが その結びつき(社会への影響力)の強度を強めるにはマーケットへの導入 そこでの勝利が必要となる 彼は日本の芸術を世界の文脈に導入させるための先人を切ったようなもので 世界への門戸を開いたパイオニア的存在なのだ 正直彼の作品そのものを見てもひかれるものはない しかしそれは表面的断片的に見ているだけであり 美術史という文脈 作品の外を演出する戦略を通してそれを見るなら また話は別である 彼にとってアニメやサブカルは日本における芸術の力を世界の文脈に導入させる戦略としての一素材だったわけであり 彼の作品の真核は日本のこれからの芸術を発展へと導く口火をきること そのものと捉えても過言ではなかろうや 光悦 魯山人 かつてのへうげものの志は21世紀において村上隆へと受け継がれ 芸術そのものの力 可能性を最大限に発揮できる土台を構築するに至った 芸術が社会としっかり結びつき 日本の経済および人の心を豊かにさせる準備はもう既に整っているのかもしれない
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村上隆がこれほどアツく語る方だったとは。アートの世界を生き抜くための実践に裏打ちされた言葉は重く、アクチュアル。美術界で村上さんのとってきた戦略が、唯一の正解であるとは限らない(歴史が決めること)だろうが、「日本」と「世界」のあり方を見据えた上で「自分のあり方」を定義してゆく、と...
村上隆がこれほどアツく語る方だったとは。アートの世界を生き抜くための実践に裏打ちされた言葉は重く、アクチュアル。美術界で村上さんのとってきた戦略が、唯一の正解であるとは限らない(歴史が決めること)だろうが、「日本」と「世界」のあり方を見据えた上で「自分のあり方」を定義してゆく、という方法論は、「文化の吹きだまり」として存在してきた日本にくらす私たちとって、またグローバル化にさらされる現在、美術の文脈を離れても有効なものとして迫ってくる。感染した!
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芸術と経済の関係をどう捉えれば良いのか、そのような問題意識を持って読んだ本。 芸術には主観だけではなく、客観も必要。評価されなければ、歴史には残らない。
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表紙にびびる。海洋堂とのやり取り等がおもしろい。 何事においても、目的を持って研究して達成する。確かにそうですよね。 生きている意味を感じるために創作をしている、という言葉が印象に残る。彼でもそうなのか。
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ものすごい「パワー」に満ちあふれた本でした。表紙もすごいし(笑)。 芸術にかける想いっていうのが本当にすごい。 世界(つまりは世界の中心にいる白人社会)に認められる芸術を目指すパワー。 千年後も残る「芸術の文脈」を作りたいという目標。(奈良の大仏と宇治の平等院へスタッフと行ってみ...
ものすごい「パワー」に満ちあふれた本でした。表紙もすごいし(笑)。 芸術にかける想いっていうのが本当にすごい。 世界(つまりは世界の中心にいる白人社会)に認められる芸術を目指すパワー。 千年後も残る「芸術の文脈」を作りたいという目標。(奈良の大仏と宇治の平等院へスタッフと行ってみせたこと←これって私が無意識に求めていたことかも……。仏像制作はオタクのフィギュア文化と似てるとか) 手塚治虫、黒澤明、小澤征爾さんを世界で「文脈」を作った人として評価している。 そのために、お客様である白人社会の大金持ちの要望に応えるためにあらゆる分析と実践をする。 そして、自分の表現したいことを明確にし、はっきりと文章にまとめること。(価値を生むのは、才能よりサブタイトル) 芸術には金銭と時間が必要だからこそ、お金にこだわる。 日本人の「かわいいもの」を愛でる気持ちをつきつめる→オタク文化→それを欧米社会へ翻訳。 第一章 芸術で起業するということ 芸術には、世界基準の戦略が必要である なぜ私の作品は一億円で売れたか 芸術作品の価値は、発言で高めるべき 芸術は、想像力をふくらませる商売である 芸術の顧客は、栄耀栄華を極めた大金持ち 業界を味方につけて重圧をかけるべき 業界の構造を知らなければ生き残れない 経済的自立がないと、駒の一つになる 「金さえあれば」が言いわけならダメだ 第二章 芸術には開国が必要である 芸術家は、技術より発送に力を注ぐべき 世界で評価されない作品は、意味がない 個人の歴史の蓄積をブランド化する方法 価値を生むのは、才能よりサブタイトル 原題の芸術作品制作は集団でやるべきだ 芸術界の構造は、凡人のためにできている 世界基準の「文脈」を理解するべきである 芸術家は世界の本場で勝負をしなけれb! 日本の本道では、世界の評価はもらえない 第三章 芸術の価値を生み出す訓練 六八〇〇万円の源は「門前払い」だった 評価されていない作品ほど大化けする 世界に、唯一の自分の核心を提出する 自己満足を超える価値を発見するには 世界にプレゼンテーションをする秘訣 歴史を勉強すると自由な作品が作れる 歴史のひきだしを開けると、未来が見える 歴史から自分だけの宝を見つける方法 展覧会を成功させるには根まわしが要る 権威は自分で作りあげなければならない 第四章 才能を限界まで引きだす方法 作品が歴史に残るかどうかが問題である 徹夜なんて、努力のうちに入りません 芸術家の成長には、怒りが不可欠である はじめての題材にこそ、うまみがある 挫折を超えられるかどうか、の分岐点 「光を見る瞬間」をどう作るか!? 劣悪なかんきょうは、芸術を生むのには最適 ひたすら作品の奴隷になるという境地 賛否両論の概念が、未来を開いてゆく
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★「芸術」という特権らしきものに逃げ込まない★学生と学校が支える美術という「芸術論を語りあうだけで死んでいける腐った楽園」に背を向け、作品を作り続けるためにお金を儲ける術を探る。天才として生き抜くのは容易ではなく、美術史を分析し欧米の芸術のルールを踏まえ、綿密な計画と鍛練を踏まえ...
★「芸術」という特権らしきものに逃げ込まない★学生と学校が支える美術という「芸術論を語りあうだけで死んでいける腐った楽園」に背を向け、作品を作り続けるためにお金を儲ける術を探る。天才として生き抜くのは容易ではなく、美術史を分析し欧米の芸術のルールを踏まえ、綿密な計画と鍛練を踏まえて社会に勝負する。「なんとなくよい感じ」では相手にされず、欧米美術史の中での相対的な位置づけから「だから(スーパーフラットは)素晴らしい(知的にひねりがある)」と言わせる。そのために集団で制作しマネジメントを徹底する。極めて明確な目的と手段があるのが素晴らしく、非常に納得した。それを言ってはおしまいよ、的な部分もあるし、世界で勝負するのははるか厳しい道だが、腹をくくった強さにあふれている。 美術に比べ建築の方が世界で活躍する人が多いのは、早くから同じ土俵に乗ることが多いからなのだろうか。世界で戦う芸術家としてほかに挙げるのは杉本博司。「美術」と「芸術」の言葉の使い分けはよくつかめなかった。
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ずばっと言ってくれてるから、すかっとする。 著者の視点で見た、日本のアートマーケットのだめなところ、アメリカの良いところ、などを書いている。
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アーティストという職業(肩書き)の場合、「食べるために作品を作るのか」それとも「作品を作りたいから食べる必要があるのか」そこがシビアになりきれるかどうかのポイントだと思う。 アーティスト自身が、自分が表現したいものを作品として作り続けるために、作品を売らないといけないと考える。 ...
アーティストという職業(肩書き)の場合、「食べるために作品を作るのか」それとも「作品を作りたいから食べる必要があるのか」そこがシビアになりきれるかどうかのポイントだと思う。 アーティスト自身が、自分が表現したいものを作品として作り続けるために、作品を売らないといけないと考える。 それ自体、なんらおかしな状況ではなく、芸術を生業とする以上、必要最低限のことではないか? 「神聖な芸術の世界で、お金の話をするな!」 そんな鎖国された日本において、アーティストを夢見る若手作家に何が必要なのだろうか。 自分自身、日本・世界のアートシーンやギャラリーの状況について無知ではある。 そのため自分の経験からものを言えないが、これまで僕が会ってきたアーティストはプレゼンがとても上手い。 自分の作品について、これまでの人生との関係性、そして社会に対してその作品がどのようなインパクトを与えられるのか?それを常に自問自答し続けてきたのだろう。 村上隆は言った「すべてのアーティストは起業家である」 世界レベルでの勝負がしたければ、ただ自分の思いを表現するだけではなく、自分と社会(歴史)との関係性を認識した上で、作品を作っていかなければならないのだろう。 ただ、僕が彼の作品を好きにならないように、高い金額で取引される作品が「良い作品」な訳ではない。 全ての評価が受け手に委ねられるアートにおいて、唯一の客観的評価である「お金」。 そこに評価基準を持ってくる場合、彼の言い分はまぎれもなく王道かつ正論である。
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芸術がアートマーケットを意識する時代。 アートとは? 世に名前を残すためには? 芸術で食べていくには? 成功するなら成功者に習え。 とても説得力ある本です。 彼のすごさがわかります。
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