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芸術起業論 の商品レビュー

3.9

102件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2011/03/15
  • ネタバレ

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芸術闘争論を先に読んで面白かったから前作のこちらも読んでみたがやはり面白い。 日本の文化を世界でどう文脈づけるか、という話は一応大学の専攻にかぶるところがあるのですごく刺激になった。

Posted byブクログ

2011/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の小さくくまとまった芸術家への怒りや不満がたっぷり。 刺激的な本だった。 「価値や評価は、作品を作る人と見る人との「心の振幅」の取引が成立すれば上向いてゆくのです。」 「コレクターはいいものを購入して自分自身をアピールできる上に、「寄付した作品の金額が税金控除の対象になっている」というところが重要なのです。」 「ヒットというは、コミュニケーションの最大化に成功した結果です。」 「そうでもしなければ、現在の成功者の生きる価値観に揺さぶりをかけられる作品は生み出せないのです。」 「時代の寵児になる程度の彼らのような芸術家たちは天才でも何でもなくて、ど根性物語をやり通しただけです。」 「ぼくの想定している美術作品の制作方針は、おそらく料亭やレストランを作ろうとすることに近いのだと思います。」 「普通の人にはどちらかといえば何でもない悩みをグズグズ携えて、それを言葉にできるわけでもなく、しかし何とか脱出したいという叫びが作品制作の動機になることがよくあります。」 「あきらめず新しい信念を形にするのがアーティストなのです。」 「では、それでなぜ最終的に日本人の芸術家が世界に通用していなかったのかというと、文脈の設定に対する理解不足と、人間と人間の勝負の瞬間に弱かったということもあると思います。」 「伝わるということは大切ですし、「その通り!」と共感が生まれることが大切なのです。」 「好き嫌いの判斷だけを言えるような位置に自分をおいておく。これは直感を温存できるいい方法です。」 「そういう意味では過剰な人でないと過剰なところにはたどり着けません。」 「発掘されていない宝を手に入れるために、1,自分の興味のある表現分野を探し、その分野の歴史を徹底的に学ぶ、2,その分野に興味を持ち始めた理由を探す。興味の源泉は肯定的なものだけではないから理由を探すとかならず行き止まりになるが、それでも原因を究明する、3,救命し終わるとそれが本当に自分の興味のある分野かどうかあやうくなっているので、自分の興味のある表現分野がどこにあるのか何度も検証し直す、4,興味の検証を終えて歴史を徹底的に学ぶと、宝島に行くための地図がみえてくる、5,地図を解析する勉強に励み、資金を整えて、いざ宝島にでかける航海をはじめる。」 「芸術家の成長には怒りが不可欠である」 「成功したいという情熱よりも、今のままではイヤだという不満がぼくを動かしている。」 「ここで好きな画家の傾向を文章でまとめさせます」 「ゼロからものを考えるときに、きっかけとなるのは、最近どういう楽しいことがあったか、どういう悲しいことがあったか、そういう事に尽きます。ごく単純なことです。」

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2011/02/16

著者のエネルギーが内容からはもちろん、装丁のビジュアルからもダイレクトに伝わってくる。国内外で高い評価を得ている現代アーティストの村上隆が、今のアーティストの現状を厳しく批判し、独自の方法論を解く。 「世界基準の戦略を考えろ」「個人をブランド化しろ」「今までの歴史のコンテクスト...

著者のエネルギーが内容からはもちろん、装丁のビジュアルからもダイレクトに伝わってくる。国内外で高い評価を得ている現代アーティストの村上隆が、今のアーティストの現状を厳しく批判し、独自の方法論を解く。 「世界基準の戦略を考えろ」「個人をブランド化しろ」「今までの歴史のコンテクストの上に立て」と、半ば暴言を吐くのだ。 しかし、その指摘はどれも、現代社会で生きていくための全ての人の指針になるように思える。

Posted byブクログ

2011/02/15

クリエイティヴなことをやりたい人は多いが、 アートとビジネスの関係をしっかり認識している人は意外と少ない。 しかも、絵を書く人、音楽をやる人、文章を書く人、髪を切る人、ケーキを作る人、など多くの職業の人が、その間の溝に直面することになる。本書には、そんな時の対処の仕方が書いてある...

クリエイティヴなことをやりたい人は多いが、 アートとビジネスの関係をしっかり認識している人は意外と少ない。 しかも、絵を書く人、音楽をやる人、文章を書く人、髪を切る人、ケーキを作る人、など多くの職業の人が、その間の溝に直面することになる。本書には、そんな時の対処の仕方が書いてある。 作品の好き嫌いは別として、海外でも成功した日本人のトップアーティストが、わかりやすく書いている本なので、クリエイティヴな事がしたい人なら、読んでみて損はない、というより読まないと損をする。

Posted byブクログ

2011/02/15

芸術ってなんだろう。私はそれがちっともわからなくて、でも、自分の中にある表現欲求みたいなものを燻らせて生きてきた。この本を読んで、それが分かるようになったとは思わないが、そのどうしようもなさを抱えて進むことを改めて覚悟できた。 対象に真正面から向きあってぶつかって、歴史や文脈を紐...

芸術ってなんだろう。私はそれがちっともわからなくて、でも、自分の中にある表現欲求みたいなものを燻らせて生きてきた。この本を読んで、それが分かるようになったとは思わないが、そのどうしようもなさを抱えて進むことを改めて覚悟できた。 対象に真正面から向きあってぶつかって、歴史や文脈を紐解いて、自分の立ち位置を客観化する戦略。そこにはもはや必然性があるといえるんじゃなかろうか。あとはもう、やるか、やらないか。自分に問い続けたい。

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2011/01/14

村上隆さんが、芸術で世界と渡り合うとはどういうことか、をストレートに語った、ものすごく熱い本。欧米のルールと歴史的文脈を十分に理解した上で新しい概念を提示する、しかし欧米の表現の真似をするのではなく日本の内側から出発して表現する、自分の業と欲望を見つめなければ本当によいものはでき...

村上隆さんが、芸術で世界と渡り合うとはどういうことか、をストレートに語った、ものすごく熱い本。欧米のルールと歴史的文脈を十分に理解した上で新しい概念を提示する、しかし欧米の表現の真似をするのではなく日本の内側から出発して表現する、自分の業と欲望を見つめなければ本当によいものはできない、受け手の高い評価があってこそスケールアップした展開が可能である、つくりたいときに自由度をもつためにはそのための戦略とマネジメントが必要であるなど、どれも実現するのは容易くないが、実に本質的な考えが提示されている。村上さんは芸術について書いているわけだが、僕は学術研究の世界と重なって見える。研究で世界とどう渡り合うのか。その本質は同じだと強く感じた。

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2011/01/06

個人的には、村上氏が翻訳の大切さを語ってくれていたのが印象に残っている。「見れば分かる」は怠慢、全てを説明出来ないと、少なくとも説明しようとしないといけない。

Posted byブクログ

2011/01/02
  • ネタバレ

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なぜ、これまで、日本人アーティストは片手で数えられるほどしか世界で通用しなかったのでしょうか。 単純です。「欧米の芸術のルールを踏まえていなかったから」なのです。 ~~~そのルールに従わない作品は「評価の対象外」となり、芸術とは受け止められません。 美術の世界の価値は、「その作品から、歴史が展開するかどうか」で決まります。 ロバート・キャパが撮った『崩れ落ちる兵士』がやらせかどうかはともあれ、 その一枚で歴史が変わったのだから、本物でも偽物でも作品そのものは重要なのです。 ゴッホにしてもピカソにしてもデュシャンにしてもウォーホールにしても 彼らを説明する文脈であるサブタイトルの方が重要だと思いませんか。 ~~~「何の才能もないのに。やっぱり自分の耳を切り落としたのが評価に響いているんだろうな」 芸術の世界だけではなく、その業界にもどの分野にも特有の文脈がありますが、 「文脈の歴史の引き出しをあけたり閉めたりすること」が、価値や流行を生み出します。 発掘されていない宝を手に入れるため、ぼくは次のような五段階の方針をとりました。 ①自分の興味のある表現分野を探し、その分野の歴史を徹底的に学ぶ。 ②その分野に興味を持ち始めた理由を探す。興味の源泉は肯定的なものだけではないから   理由を探すと必ず行き止まりになるが、それでも原因を究明する。 ③究明し終わるとそれが本当に自分の興味のある分野かどうか危うくなっているので、   自分の興味のある表現分野がどこにあるのかを何度も検証しなおす。 ④興味の検証を終えて歴史を徹底的に学ぶと、宝島に行くための地図が見えてくる。 ⑤地図を解析する勉強に励み、資金を調えて、いざ宝島に出かける航海を始める。

Posted byブクログ

2010/12/24

86ページ  そのため「日本固有の文化からにじみ出た作品」を解説することに際して、ぼくは長く苦渋をなめてきました。   ◆苦渋→苦汁 195ページ  欧米と日本の抜本的な格差   ◆抜本的→根本的

Posted byブクログ

2010/12/14

数年前に友人が貸してくれて読んで目からうろこだったのです。今思えば出たばかりだったのでした。今は交流が無いけど、その友人に感謝。今回また仕事場の本棚にあったのを借りて読み返しました。芸術家ではないけどああ、甘っちょろいことしてちゃいかん、がんばんなきゃ!と思います。今関わってる仕...

数年前に友人が貸してくれて読んで目からうろこだったのです。今思えば出たばかりだったのでした。今は交流が無いけど、その友人に感謝。今回また仕事場の本棚にあったのを借りて読み返しました。芸術家ではないけどああ、甘っちょろいことしてちゃいかん、がんばんなきゃ!と思います。今関わってる仕事にも当てはめてみるとかなり面白いのでした。・・・そうそう、ベルサイユの展示、行ってきたんです。あはは。いいや、これ。って感想です。ケースに入ってないともっと良いなあと思ったのはありましたが。(一部だったのでその作品だけは何か事情があったのかな)

Posted byブクログ