芸術起業論 の商品レビュー
日本の(美術)大学について「腐った楽園」と表現している。 その意味を、日本人の誰もが、一度は実感しているだろう。
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アーティストを自称するなら読め! と、友人のブログに書かれていたので読んでみた。「アーティストを自称してるのか?」という質問は華麗にスルーさせていただくとして、著者の村上隆氏の言葉 "何があっても作品を作り続けたいなら、お金を儲けて生き残らなければならないのです&quo...
アーティストを自称するなら読め! と、友人のブログに書かれていたので読んでみた。「アーティストを自称してるのか?」という質問は華麗にスルーさせていただくとして、著者の村上隆氏の言葉 "何があっても作品を作り続けたいなら、お金を儲けて生き残らなければならないのです" は、心に突き刺さる言葉だった。 ずいぶん昔のことになるが、ソフトウェアの生産性について友人と話していた時に言われた言葉を思い出す。「で、そのすご腕プログラマーはいくら稼いでんの?」この言葉で、ハンマーで殴られたかのように頭がクラクラ来たのを今でも忘れられない。時間あたりのコーディング量や機能実装量ではなく、金額で生産性を測るなどという考え方は、その時までのオレにはなかった概念だからだ。 ソフトウェア開発を生業とする私のような人間は、時に、プログラミングコンテンストを目指してるかのような、あるいはアカデミックな研究をしているかのような、振る舞いや言動をしてしまう傾向がある。ビジネスとしてソフトウェア開発をしていることは自覚しているのだが、美しいコードに出会った時の感動や、それを自ら生み出した時のエクスタシーを忘れることはできず、時には追い過ぎてしまうこともある。"日本人の芸術家は、商売意識が薄く、芸術を純粋無垢に信じる姿勢をとりがち" と村上氏は指摘するが、プログラマーに対する指摘と置き換えても、そのまま当てはまるかもしれない。自戒を込めて…。 "プログラミングを続けたいのなら、お金を儲けて生き残らなければならないのです。" 生き残って、良いソフトウェアを作り続けるために、本書を一読されたい。
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「芸術闘争論」のレビューに含む。http://booklog.jp/users/curibow/archives/4344019121
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アートをロジカルに捉えたいと考えていて ようやくどういう風に捉えられているのかがわかった。 文脈を把握して、新たな価値を創造するのはMKTにもつながるものだと感じた。
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そんなに感動はない。生きていくためには、金が必要。 それは好きなことして絵を描いてる人も一緒。みたい。 売れるまでコンビニの廃棄弁当を食べてたような筆者が 世界の有名ブランドに認めらた、戦略までを網羅している。 読んだら、なんで表紙に顔面ドアップのワケが分る。 福永☆睡...
そんなに感動はない。生きていくためには、金が必要。 それは好きなことして絵を描いてる人も一緒。みたい。 売れるまでコンビニの廃棄弁当を食べてたような筆者が 世界の有名ブランドに認めらた、戦略までを網羅している。 読んだら、なんで表紙に顔面ドアップのワケが分る。 福永☆睡魔ドアップ
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これは芸術の暴露本だ。 収入から費用を引いた差額が利益である。芸術作品では、この差額がウン百万、ウン千万とあまりにも普通の感覚とかけ離れているので、人々はその中の付加価値を疑ろうとする。現代アートとなればなおさらだ。その利益を芸術家という大きな主語は、「プライスレス」だと嘘をつく...
これは芸術の暴露本だ。 収入から費用を引いた差額が利益である。芸術作品では、この差額がウン百万、ウン千万とあまりにも普通の感覚とかけ離れているので、人々はその中の付加価値を疑ろうとする。現代アートとなればなおさらだ。その利益を芸術家という大きな主語は、「プライスレス」だと嘘をつく(本当にそう思い込んでる人もいるだろう。) この著者のすごいところは、利益を報酬として正直に捉え、どう稼ぐかと言う事を業界の構造も考えながら暴露しているところだ。こんなに声高に芸術とお金を結び付けて大丈夫なのかと心配になる。 しかし、これは錯覚だったということに初めて気づく。芸術家は「お金を気にしない」という考えは、日本の教育・風潮が生み出したものであり、第一線で活躍する人ほどお金に執着しながら、泥臭く美を追求していることを本書で知らされることになる。
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論、というほどにまとまってないけれど、果たして単行本一冊分ダラダラ書く必要があったのか?という気はするけれど。 根本的な主張、考えには納得できる。美大生とかはどんな気持ちで読むのかな。 芸術をやるにはタフでないとね。 本気で命を削ってる人を前にしたとき、それがでないと生きていけな...
論、というほどにまとまってないけれど、果たして単行本一冊分ダラダラ書く必要があったのか?という気はするけれど。 根本的な主張、考えには納得できる。美大生とかはどんな気持ちで読むのかな。 芸術をやるにはタフでないとね。 本気で命を削ってる人を前にしたとき、それがでないと生きていけない人を前にしたとき、例えばその人が音楽で表現してたときでも、自分のやってることを間違っても同じ音楽とは言えない。 僕はガチなんです、って、そういう本。
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アートの世界でのビジネス論が紹介されてた。 それらを通して、あらゆる業界でも 成功するには手法を学ぶ必要があると認識。 アートにおいては、 手法を実施しているか、していないかの 差が激しく(特に日本において)、 イメージがしやすかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の芸術に対する考え方を述べた本。売れる絵を著者なりに考察している。売れる絵を買うのは富裕層。富裕層が買う絵は高値が付く絵。高値が付く絵は芸術の本場NYで評価される絵。NYで評価される絵は欧米の芸術の歴史を踏まえた絵でありかつ、その歴史を更新するような絵・・・というように。 著者の芸術に対する執念を感じることができる本。その原動力になるのは飢餓感。恐れ入る。1流の人は考えている内容が濃ゆい。何かで1流になろうとするならとことん考え尽くし、人の何倍も努力しなければならないと思った。人の価値を決めるのは考えの深さかなと思った。
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・今の芸術の評価ルールを構成しているのは、欧米。だからこそ、独自のアートを打ち出していくだけではなく、その欧米の文脈に則った形で自らのアートのストーリーを構築していく必要があるという話は、多くの場面で当てはまる。聞き手の文脈に則った形で伝えるというのは、コミュニケーションの基本中...
・今の芸術の評価ルールを構成しているのは、欧米。だからこそ、独自のアートを打ち出していくだけではなく、その欧米の文脈に則った形で自らのアートのストーリーを構築していく必要があるという話は、多くの場面で当てはまる。聞き手の文脈に則った形で伝えるというのは、コミュニケーションの基本中の基本であり、伝わらなければ何も言っていないのと同じ。 ・日本には芸術を評価する基盤が無いことを歴史的な流れを踏まえて説明しているのも分かりやすい。明治維新以降、特権階級が無くなったことから欧州のような芸術も生まれなくなったこと、太平洋戦争で敗戦国となってアメリカの管理下での平和を享受してきたことから、独自の思考軸を持てなくなってしまったことなど。 そこで、まずは欧米のルールの中で認められる→欧米の権威を持って日本に凱旋する→独自の世界観を打ち出していく、という流れを村上隆氏は考えた上で行動を起こした。このように文脈を踏まえた戦略眼を持ちながら行動したことが成功の要因ということだ。 ・欧米のルール、特に現代芸術の発信源であるアメリカでは、「独自性」を打ち出すことが重要となる。今までのものとはここが違う、ということ。つまり、単に変わったもの、作りたいものを作るのが独自性、ということではなく、相手の文脈を踏まえた上で、その流れの中においてこういう所が違うから独自なんですよ、というストーリーも説明する必要がある。 村上隆氏は、そのような説明を付加することによって、日本のサブカルをハイカルチャーにもっていった。 ・日本の文化は生活に卑近なところから生まれてきたことが多い。アニメ・漫画は敗戦後の日本で生み出されてきた生活に卑近なもの。だからこそ、生活に遠いところにある欧米の芸術とは異なっている。そして、それは今後の世界にとっても新たな価値軸ともなりうると村上隆氏は指摘している。このように歴史を踏まえて自らの思考・表現を位置づけるかは、グローバル化が進む現代そして今後において非常に重要な観点と言える。
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