1,800円以上の注文で送料無料

イッツ・オンリー・トーク の商品レビュー

3.6

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/02/26

「キング・クリムゾン」に目を奪われて購読。期待を裏切らない素晴らしさだった。 「イッツ・オンリー・トーク」は、キング・クリムゾンのエレファント・トークのなかで繰り返しぼやかれるセリフだ。これと同名の本作品は、まさにキング・クリムゾン的な世界である。 暴力的な狂気とニヒリズムが...

「キング・クリムゾン」に目を奪われて購読。期待を裏切らない素晴らしさだった。 「イッツ・オンリー・トーク」は、キング・クリムゾンのエレファント・トークのなかで繰り返しぼやかれるセリフだ。これと同名の本作品は、まさにキング・クリムゾン的な世界である。 暴力的な狂気とニヒリズムが渾然一体となっている。それは作中で「へんなの。不気味だよ」と言われるような、変な世界なのである。 しかし、この変さは、決して乱雑なものではない。むしろ整然としている。この丁寧さも魅力的であり、とてもうまいと思った。 「第七障害」もよかった。すごく丁寧に創られている。上州弁がさりげなく出てきて、ニヤついてしまった。ただ、キンクリ感はあまり感じられなかったのは残念だ。 解説で、絲山作品にはAとBがある、Aは芥川賞的で、Bはキンクリ的だ(と私は解釈した)、とあった。なるほど、Aもいいが、やっぱりBを読みたいなあ。

Posted byブクログ

2013/02/14

「第七障害」は好きな終わり方。表題作はなんというか、もやもや。居候はもっと若い男かと思って読んでいて最後で話全体のイメージが変わってしまった。

Posted byブクログ

2013/02/06

2編収録。表題作は都会的でハイソ、別作は田舎に憧憬をもつ質素。タイトル はどう訳するのだろう。某辞書には、「only talk:《be ~》口先{くちさき}ばかりである。」とあるが、どうも作品の内容とマッチしているようには思えない。口先ばかりではなく、やることはやっているからね。...

2編収録。表題作は都会的でハイソ、別作は田舎に憧憬をもつ質素。タイトル はどう訳するのだろう。某辞書には、「only talk:《be ~》口先{くちさき}ばかりである。」とあるが、どうも作品の内容とマッチしているようには思えない。口先ばかりではなく、やることはやっているからね。一般的には顰蹙を買うような登場人物に対して、主人公が今までにないとらえ方、価値観を見出しているのが新鮮であった。設定に対する説明の少なさは、映画のようである。

Posted byブクログ

2012/10/09

悪くない。トモフスキーもでてくるしちっとも嫌いじゃない。 だけどどーもこの頃、こういう小説を真に受けることができない。 小説なんて「ムダ話さ」。ムダ話に飽きてしまったのかもしれない。 あと「第七障害」で馬の死を嘆いた後ですぐ男の話に移るのは、やめてほしいと思ったね。そういう「...

悪くない。トモフスキーもでてくるしちっとも嫌いじゃない。 だけどどーもこの頃、こういう小説を真に受けることができない。 小説なんて「ムダ話さ」。ムダ話に飽きてしまったのかもしれない。 あと「第七障害」で馬の死を嘆いた後ですぐ男の話に移るのは、やめてほしいと思ったね。そういう「女」の出し方って、ないよ。

Posted byブクログ

2012/09/26

「イッツ・オンリー・トーク」…精神の病で躁鬱病を発症してリタイアしたキャリアウーマンが主人公。ちょっと村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読んだ時に似た読後感。どんだけ文学的香りを放っていても、下ネタの多い作品は苦手だわ。 「第七障害」…乗馬競技に夢中になっていた主人公が、愛馬...

「イッツ・オンリー・トーク」…精神の病で躁鬱病を発症してリタイアしたキャリアウーマンが主人公。ちょっと村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読んだ時に似た読後感。どんだけ文学的香りを放っていても、下ネタの多い作品は苦手だわ。 「第七障害」…乗馬競技に夢中になっていた主人公が、愛馬を安楽死させることになって、東京に逃げ込んで、紆余曲折の末、だんだん癒されていくストーリー。こちらは、ちょっと感情移入できたかな。 以上の中編2篇。1つ目はちょっと苦手だったけど、少し他の作品も読んでみたい気も。。

Posted byブクログ

2012/06/29

2003年、「イッツ・オンリー・トーク」で第96回文學界新人賞を受賞。 「イッツ・オンリー・トーク」は廣木隆一監督によって「やわらかい生活」のタイトルで映画化されている。

Posted byブクログ

2012/06/28

高学歴で新聞社に入社、バリバリ仕事してきた優子は、精神病棟に一年入って出てくる。 設定は重たいんやけど、絲山さん流の淡々とした文調で暗さはない。 合意の痴漢と定期的に会い、絵で稼いだお金を食い潰しつつ、女に捨てられたいとこを養い… 妙なおかしみがあるな。

Posted byブクログ

2012/06/19

「ばかもの」を映画で見て、小説を読んでみたいと思った絲山秋子の文學界新人賞受賞作。 大学卒業後にメーカー入社、営業職として勤務した後に心の病を患う。 と、何となく私の大好きな山本文緒を彷彿させる経歴の著者…。 話もとってもアンニュイな感じで、つかみづらい…。 主人公もうつ病を患...

「ばかもの」を映画で見て、小説を読んでみたいと思った絲山秋子の文學界新人賞受賞作。 大学卒業後にメーカー入社、営業職として勤務した後に心の病を患う。 と、何となく私の大好きな山本文緒を彷彿させる経歴の著者…。 話もとってもアンニュイな感じで、つかみづらい…。 主人公もうつ病を患った経験を持っている設定なのですが、考えすぎた結果として「Don't think.FEEL! 」というブルース・リー的なメッセージなのかと捉える事にしました、私は。 「私は衝動的に行動したが自分の感情を信用してはいなかった」 という通りに(性的な意味で)かなり奔放な生活を送りつつも、 そんな自分の社会的な位置付をどこかで探してしまう主人公。 「愛が無いのに心がこもっていた。不思議だった。」 うーん、この一言、考えさせられます。。。

Posted byブクログ

2012/06/09

2作ともすごく良かった。 イッツ・オンリー・トークの方は 読み終わりが、なぜかすごく切なくなりました。 どちらの作品も 強い女性なのに、どこかほっとけなくて そこがまた可愛いなと。 分かる分かるって思いながら すぐ読めました。

Posted byブクログ

2015/10/20

はじめて絲山さんを読む。 精神病の主人公が、一癖ある男たちと過ごす日常。よくある日常とは遠い出来事ばかりだが、文体は淡々としていて、感情が抑え目なところが丁度良かった。「痴漢」ってネーミングの男が魅力的に描かれているのが面白い。 「それはパンをトーストするのと同じくらい単純なこと...

はじめて絲山さんを読む。 精神病の主人公が、一癖ある男たちと過ごす日常。よくある日常とは遠い出来事ばかりだが、文体は淡々としていて、感情が抑え目なところが丁度良かった。「痴漢」ってネーミングの男が魅力的に描かれているのが面白い。 「それはパンをトーストするのと同じくらい単純なことで、理由も名前もない、のっぺらぼうのトーストは食べてしまえば実にあっけらかんと何も残らないのだ」

Posted byブクログ