イッツ・オンリー・トーク の商品レビュー
絲山秋子のイッツ・オンリー・トークを読みました。 等身大の女性の悩みや行動が描かれた中編が二つ収録されていました。 イッツ・オンリー・トークは、病気のために仕事のキャリアを断たれてしまった橘優子が自分と折り合いをつけていくという物語でした。 奇妙な登場人物たちが現れて優子と関わ...
絲山秋子のイッツ・オンリー・トークを読みました。 等身大の女性の悩みや行動が描かれた中編が二つ収録されていました。 イッツ・オンリー・トークは、病気のために仕事のキャリアを断たれてしまった橘優子が自分と折り合いをつけていくという物語でした。 奇妙な登場人物たちが現れて優子と関わっていく様子が「すべてはムダ話」というトーンで描かれています。 第七障害は、乗馬の事故で乗っていた馬を負傷させてしまった早坂順子の物語でした。 その馬は予後不良で安楽死の処置となってしまいましたが、その馬の思い出が順子を苦しめるのでした。 そのことを忘れるために、順子は群馬から東京に出てくるのですが、結果的に彼女を助けるのは群馬の乗馬仲間なのでした。 仲間たちの温かい思いやりの中で彼女は少しずつ癒されていくのでした。
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著者が高崎に住んでいるのは知ってたが、出身東京なのは知らなかった。ちょっと、「道理で」と思った。県民からしてみると、見方に温度差があるようなところがなくもない。むずがゆい。 表題よりは第七障害のほうが好き。
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だめんずうぉーかー的な話、だと思う。誰のことも好きにならないところが決定的に違うところだけど。書店員の書いたあとがきが好感もてる。それを望んだ絲山秋子さんにも。「不愉快な本の続編」が気に入ったので読んでみたが、併録の第7障害も含めて、大分作風が違って驚き。
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なんだ、この軽やかさは。すらすらすらすら読めてしまう。 決して共感できる主人公とは思わないけれど。 ほんとはお話しだけ欲しいのにというお話し。気になる人を気に入りすぎて、近づきすぎて、破たんせずにはいられない。ホントはずっと話をしてそばにいられればいいのにね。 男女の理想的な...
なんだ、この軽やかさは。すらすらすらすら読めてしまう。 決して共感できる主人公とは思わないけれど。 ほんとはお話しだけ欲しいのにというお話し。気になる人を気に入りすぎて、近づきすぎて、破たんせずにはいられない。ホントはずっと話をしてそばにいられればいいのにね。 男女の理想的な距離って、一瞬なのね、あるいは、そんなものは存在しないのかもしれないという昔からのテーマだけど、ドライな文体が新鮮な気付きを与えてくれる。
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登場する男性陣は皆、何かしら負の要素を抱えながらも淡々と受け入れて生きている感じで、不思議な魅力を持っています。デビュー作の本書から読み始めましたが、馴染んでくるともっと好きになれそうで次作以降が楽しみ。
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良い。良い。 続けて2回読んだ。(他に読む本がなかっただけだけど・・・) 痴漢の存在が・・・、好きだった。
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素っ気無くも諧謔味のある文章のとりこになります。 栴檀は双葉より芳しいといいますが、 デビュー作にして何作も書いておられるような趣きを感じました。
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「沖で待つ」で第134回芥川賞を受賞した著者のデビュー作。 んーーー……こんなに感想を言い難い作品も珍しい。面白い・面白くないは別にして、何とも表現し難い。読んでみて初めて解るタイプの小説だと思う。 とても読みやすくてさらっとしているけれど、実は哲学的な要素が強いように感じた。...
「沖で待つ」で第134回芥川賞を受賞した著者のデビュー作。 んーーー……こんなに感想を言い難い作品も珍しい。面白い・面白くないは別にして、何とも表現し難い。読んでみて初めて解るタイプの小説だと思う。 とても読みやすくてさらっとしているけれど、実は哲学的な要素が強いように感じた。何気ない台詞や言葉が、ものすごく深かったりします。 登場人物が個性的で、印象に残る。ひとりの女性(主人公)を中心に、何人かの男性が出てくるのだけど、全て恋愛には通じない。だけど何もないわけじゃない。その関係性を描くのが絶妙で、だけど「こういう関係ってあるよね」と思わせる。 解説(絲山さんの大ファンの書店員による)によると、絲山作品は、『絲山・A』と『絲山・B』に大別されるそうで。Aが「沖で待つ」のような作品なら(私は未読ですが)、この「イッツ・オンリー・トーク」はBなのだそう。 だから絲山さんを知るためには、『絲山・A』を読んでみる必要があるのかも知れない。 併録されている「第七障害」はまた、「イッツ~」とは全然違う感じだし(そこまで奇をてらっていない)、この一冊だけでは語れないのかもしれない。 けれど何となく思うのは、好き嫌いはけっこう分かれそうだなぁってことです。映画化してるみたいだけど、どんな風になってるんだろう。。
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私に向いていると紹介されて読んだ本。 少し読み始めただけで、あぁこれ好きな感じだ、とわかった。 主人公との共通点があまりにも多くて驚いて、短いのであっという間に読んでしまった。 この本が最初の絲山作品で良かった。
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