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イッツ・オンリー・トーク の商品レビュー

3.6

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    6

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2016/11/25

絲山さんのデビュー作である表題作と「第七障害」の2作。 【イッツ・オンリ・トーク】 「無駄話さ!」というタイトルどおり、軽いタッチの15のエピソード。主人公の優子は新聞記者をしていたが、精神を病んですべてを失い、今も薬のお世話になりながら、絵を描いて暮らしている。 「セックスなん...

絲山さんのデビュー作である表題作と「第七障害」の2作。 【イッツ・オンリ・トーク】 「無駄話さ!」というタイトルどおり、軽いタッチの15のエピソード。主人公の優子は新聞記者をしていたが、精神を病んですべてを失い、今も薬のお世話になりながら、絵を描いて暮らしている。 「セックスなんてトーストを焼くみたいなものよ」という彼女と、EDの議員、うつ病のヤクザ、いとこの居候、痴漢、うつ病仲間との関係がさらっと描かれている。 それぞれのエピソードは面白いとか泣けるとかではないんだけど、すっ~と入ってきて心地よいのは絲山さんの無駄のない文章のおかげなのだろう。 特に私は、痴漢がお気に入り!私もこんな痴漢と付き合いたいと思ってしまったよ・・・ 【第七障害】 馬術で馬を死なせてしまった主人公順子が閉ざした心を回復していく様子を群馬の風景を織り込みながら、静かに描いていく作品。 野反湖でのシーンは胸にジワッと来て、読後がとてもよかった。 私は、こちらの作品の方が好きかも。

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2016/05/29

「沖で待つ」に続いて読んだ作者の作品。現代の市井のなんか冴えない人を書くのがうまい。私も含めこうパッとしない毎日だけど、何とかみんなやってるんだよな。希望と言えるのかもわからないものだけど、そんな小さな光を示してくれる作品だった。

Posted byブクログ

2018/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こういう、特にサスペンス的なことは何もなく、同年代の女性の日常(あるいは非日常)が淡々と書いてあるだけの本を面白く読めるようになったのは、30になってからだと思う。 多くは独身の女性が主人公なので、感情移入はできないけれど、理解はできる。 わたしも、結婚してなかったら、こんな人生だったのかなぁなんて。

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2016/03/15

「イッツ・オンリー・トーク」 〝トースト″の例えはすごいなぁと思った。 「第七障害」 個人的にはこちらの方がよかった。 競技中の事故で愛馬が死んでしまった(=殺してしまった)苦しみは読んでるこちらも辛い。が、言葉だけなのにその馬の愛らしさがありありと浮かんで来てとても愛おしくな...

「イッツ・オンリー・トーク」 〝トースト″の例えはすごいなぁと思った。 「第七障害」 個人的にはこちらの方がよかった。 競技中の事故で愛馬が死んでしまった(=殺してしまった)苦しみは読んでるこちらも辛い。が、言葉だけなのにその馬の愛らしさがありありと浮かんで来てとても愛おしくなる。 また、群馬の風景もとても魅力的に描写されていて、特に最後篤と訪れた山に囲まれた湖の場面には、群馬県の魅力が詰め込まれている。言葉だけでここまで映像を想像させ、さらに魅力を感じさせるってすごいなぁと、感動。 その場で2人が感じた「何度きても昨日生まれたような感じがする」「全てが嘘だった気がする」そんなふうに感じることができる場所。馬の天国ような場所。ここの文章は、読んでるこちらの空気が澄んでいくような気がした。 あと、若林で2人でルームシェアとか、突如としてトモフスキーのネガポジが出てくるとことか、絲山さんやっぱ大木兄弟好きやん!

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2015/10/20

とりあえず寝る女の、男の選択基準の話。短編2編収載で、あといっこは乗馬の話。あまり感じるものはなかったです。

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2016/03/08

さらっとしてる。まさにイッツオンリートークって感じ。終わり方は好き。構成も。他の作品も読んでみたい。

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2016/09/20

・すべては無駄話さ。 ・醒めた筆致。 ・アウトサイドに行きかけている人たち。 ・アンニュイな生活。 ・心と躰の感覚の乖離。 第七障害 表題作がクールなら、こちらはビタースイート。 愛馬を殺してしまったと思う女性が、時を経て人と関わり、乗り越えるまで。

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2015/08/17

全てはムダ話。女性目線から見た男女関係が描かれている、処女作でこの文章を書く事が出来るってすごい。どうしようもない男たちとの生活と病んでる自分、話すとどうしても暗くなりそうだけど、そこは鮮やかに描かれている。特に痴漢(あだ名、本当に痴漢だけど)とのやりとりは面白い。非現実的な体験...

全てはムダ話。女性目線から見た男女関係が描かれている、処女作でこの文章を書く事が出来るってすごい。どうしようもない男たちとの生活と病んでる自分、話すとどうしても暗くなりそうだけど、そこは鮮やかに描かれている。特に痴漢(あだ名、本当に痴漢だけど)とのやりとりは面白い。非現実的な体験を与えてくれる人物、少し危ないけど、そんな世界に触れたい気持ちは分かる気がする。

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2014/08/28

【本の内容】 引っ越しの朝、男に振られた。 やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。 EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。 ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。 高崎での乗馬仲...

【本の内容】 引っ越しの朝、男に振られた。 やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。 EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。 ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。 高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。 [ 目次 ] [ POP ] 人と人との関わり方を、あくまでも正直にまっすぐ描いた作品。 パンをトーストするのと同じくらい単純に、理由もなく何も残らないセックスをすると主人公は述べる、その表現がリアルだ。 飾りをすべて剥ぎ取ってしまえば、あとに残るのは無味無臭の、無駄話にも等しいセックスのみだという感覚に頷く女性は多いのではないだろうか。 ここでの対人関係はすべて「点」である。 昔ながらの付き合いが近所や親戚を含めた複雑な網目模様をなす「面」だとすれば、ここに出てくる関係はすべて1 対1である。 居候しているいとこでさえ、主人公と1対1以上のつながりを持っているようには見えない。 点が三角形に結ばれることがあったとしても、自分以外の2点の動きがどうなろうと自分には全く影響がない、そんな関係性だ。 希薄な関係と言うのは簡単だが、この小説を読んでいるとその関係にひどく心を揺さぶられてしまう。 そこには「点」の関係で生きてきた私たちの確かなリアルがあるのだ。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2014/08/24

EDの議員、うつ病のヤクザ、痴漢、駄目男のイトコ ・・・35歳の女の「すべて無駄話さ」 第七障害の篤がいいな この人の作品初めて読んだけど、すごく好きかも

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