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雨月物語 改訂版 現代語訳付き の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2024/06/19

千葉県に親の財産を食いつぶした男がいた。素直で心優しい妻と暮らしていた。ある日、男は「俺は京に出て商売で成功するのだ」と言って家から出ていった。その後、男は京都での暮らしはじめ、1年、2年と経っていった。男は「妻はもう死んでいるだろう」と考え始めていた。7年経ったある日、男は妻の...

千葉県に親の財産を食いつぶした男がいた。素直で心優しい妻と暮らしていた。ある日、男は「俺は京に出て商売で成功するのだ」と言って家から出ていった。その後、男は京都での暮らしはじめ、1年、2年と経っていった。男は「妻はもう死んでいるだろう」と考え始めていた。7年経ったある日、男は妻の元に帰ることにした。妻は生きており、痩せ衰えた姿になっていた。妻は男の帰りを喜びんだ。翌朝、男が起きると、妻の姿はどこにもなかった。家も荒れ果てた姿に変わっていた。浅茅が宿。 和歌山(紀の国)に若い男がいた。大雨の日、絶世の美女に出会い、一目ぼれ。家に帰った男は女の夢を見て、夢の中で女と交わる。次の日、女の家に行くと、夢で見た家と同じだった。男は美女は化物ではないかと疑いつつも夫婦になり、現実の世界でも交わる。ある日、旅行先で一人の老人があらわれ、美女の正体は蛇であると見破る。美女だった蛇は姿を消す。若い男がその後、別の女を妻にしたことを知った蛇は、男の妻に憑りついて殺してしまう。蛇性の婬。 貧福論。金は本来倫理とは関係ない。経済は国家の基本である。富める者は必ず心がねじけている、富める者の多くは愚者である、というのは間違い。孟子の言うように、一定の生業・財産のないものは定まった善心もない。 春の夜の闇。妖しくも美しい。 上田秋成『雨月物語』1776 読本 ※溝口健二。映画、雨月物語。 ********************* 京の水で顔を洗うと、色白になるって話だぜ。十返舎一九『東海道中膝栗毛』1802 賢い者、愚な者。邪しまな者、正しい者。貧しい者、豊かな者。貴い者、賤しい者。だれも風呂に入るときは裸になり、産まれたときのように自然の姿になる。欲垢と梵悩を洗い清めれば、旦那も下男もどれがどれやら見分けがつかない。式亭三馬『浮世風呂』1809 滝沢馬琴『南総里見八犬伝』1814 ※化政文化

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2023/01/09

現代語訳版を読み終わりました。 色々な昔話が読めて、興味深かったです。 妖怪が出てきたり、人の欲の深さなどをテーマにした話が、普段読んでいるジャンルとは全く違うので新鮮な気持ちで読めました。

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2022/11/20

なにをきっかけに読もうと思ったのか忘れてしまった. 現代語訳の部分だけ読了.あとで原文も見てみたが訳を読んだ後ならすんなり読めそう.源氏物語とちがって大衆の読み物だったわけだし. 全9篇の短編からなる.どれも幽霊が出てきたり,呪いがかかったり,大変. そしてどれもが強い印象を残さ...

なにをきっかけに読もうと思ったのか忘れてしまった. 現代語訳の部分だけ読了.あとで原文も見てみたが訳を読んだ後ならすんなり読めそう.源氏物語とちがって大衆の読み物だったわけだし. 全9篇の短編からなる.どれも幽霊が出てきたり,呪いがかかったり,大変. そしてどれもが強い印象を残さずにはいられない.濃い.

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2021/09/23

日本最古のホラー小説。 ホラー好きなら一読しておかねばと購入。 現代語訳付きなので、負担なく読むことができた。というか三連休のうちに読了。 原文も、注釈が(現在も使われるような言葉にまで)入っているので、現代語を読んですぐ原文を読むと、古文苦手でも頭にすっと入ってくる。 1776...

日本最古のホラー小説。 ホラー好きなら一読しておかねばと購入。 現代語訳付きなので、負担なく読むことができた。というか三連休のうちに読了。 原文も、注釈が(現在も使われるような言葉にまで)入っているので、現代語を読んですぐ原文を読むと、古文苦手でも頭にすっと入ってくる。 1776年刊行。時代背景もあってか、仏教と神様の信仰が厚かった時代を感じる。 民俗学を勉強してから読むと、その世界をより楽しめるかも。あとはホラー/怪談愛があれば面白いし、修めておくべき一冊。 鬼とは、死者の霊を指すこと。など 樹神と書いてこだまと読むらしい。もののけ姫! 描写は全体を通して、荒廃した家の様子(床の穴からススキが生えているなど)や旅をして楽しむ風景など、自然の描写が丁寧で頭に情景が浮かびやすい。 注釈を読んでいると、元となった話があってそれを日本風、当世風にしているように思うが、著者の上田秋成の主張も盛り込まれているようだった。特に「貧富論」はそれがわかりやすい。財宝を軽んじて名誉を重んじる=そのために戦をして命を軽んじている。 という話にはハッとするものがあり、今もある「戦国時代の武士は忠義心があってかっこいい」という信奉に一石を投じている。儒教に反抗的という解説を読んで十分に理解できた。 とはいえ、一つ一つの話を見ると、そんなことで死んだの?命を大事にしなよ…と思うものや、夫が帰るのをまって死んでしまった妻、浮気されたうえ駆け落ちされて怨霊になってしまった女など、救われてほしい人が救われない。でも世の中こういうもの、ってことかなと思った。しかし、解説の中で、死んで成仏することによって辛い現世から解放されたという意味のことが書いてあって、そう読むのか!と思ったものもあった。 あと、昔の歴史書は政治的敗者の怨霊が歴史の予告をするという形式をとっていると。へえ~!

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2020/11/30

現代語訳と原文、解説がセットになってるので、おても読みやすかった。原文と比較すると、現代語訳ではかなり文章を補ってくれてるのが分かる。 内容も、全体的には怪奇寄りだけど、全編パターンが違うので飽きない。1篇が短いのも◎。

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2020/11/26

安永5年(1776年)刊行、江戸時代中期の不思議短編九編現代訳版。讃岐に流された崇徳院天皇の怨霊、映画「雨月物語」の基になった浅茅が宿。能の演目道成寺にも登場「蛇性の婬」。栃木大平山大中寺を舞台人間の肉を食う坊主「青頭巾」など。ホラー要素よりも当時のもののけ感をファンタジー的に...

安永5年(1776年)刊行、江戸時代中期の不思議短編九編現代訳版。讃岐に流された崇徳院天皇の怨霊、映画「雨月物語」の基になった浅茅が宿。能の演目道成寺にも登場「蛇性の婬」。栃木大平山大中寺を舞台人間の肉を食う坊主「青頭巾」など。ホラー要素よりも当時のもののけ感をファンタジー的に読めました。

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2020/11/04

1冊全部読めて無いのですが、非常に面白かった。 情緒がすごい 和歌めっちゃ詠んできます 短編なので読みやすいのもgood!

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2020/01/05

初めて読んだのは10年ほど前で、今回読み返すのは恐らく3回目。古文に精通しているわけではないが、幻想的な世界観、流麗な文章には惹きつけられるものがある。現代語訳も世界観を守りつつわかりやすい。訳者あとがきも味があってよい。

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2017/12/25

前々から気になってた本。やっと読めた。 もっと恐ろしい話かと思ってたけど、現代訳で読むとそうでもないなあ。ところで菊花の約って雨月物語だったのか

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2017/08/10

溝口健二の映画でしか知らなかった物語。 映画では描かれなかった7編も興味深く読むことができる。全編、怪異小説とは言っても恐怖より悲しみを感じる。 原文と現代語訳の両方が楽しめる良書。

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