雨月物語 改訂版 現代語訳付き の商品レビュー
内田樹さんが、たしか村上春樹さんの書評??書いてるのを読んだときに、 雨月物語の吉備津の釜との関連を挙げていた気がして、それで気になって読んでみた。 もともと小学校の時に読んだことがあって(もちろん小学生用に訳されているやつね。)読んだ気になってたんだけど、まぁ年月を経て読ん...
内田樹さんが、たしか村上春樹さんの書評??書いてるのを読んだときに、 雨月物語の吉備津の釜との関連を挙げていた気がして、それで気になって読んでみた。 もともと小学校の時に読んだことがあって(もちろん小学生用に訳されているやつね。)読んだ気になってたんだけど、まぁ年月を経て読んでみるとまた違った見え方がして面白いというか。 多分、小学生の頃は「ちょっと怖い怪談昔話」くらいに読んでいたと思う。もっと子供を怖がらせる手法にとんだ現代の怪談話はもっとたくさんあったから、雨月物語が特別怖い話なわけではなかった。 今読んでみるとどうだろう。村上春樹になぞらえて考えながら読んだのもあるかもしれないけど、 「あっちの世界」と「こっちの世界」のつながりが曖昧で、それをふと超えてしまった日常の話、というようにとらえたって感じかなぁ。 最近、思うのよね。そんなに「あっち」も「こっち」も隔てのあるものではないと。それは「死」を軽く考えてるとか、そういうわけじゃなくって、やっぱり「こっち」で生きてる人が、「あっち」に行ってしまうことは大きなことで、どんなに灯が潰えてしまいそうでも、そこに足を踏み入れそうになっている人に、簡単に行ってほしくはない。二度と「こちらの姿」では会えないというのは、大きなこと。 ただ、「あっち」も「こっち」も、分断された世界なんかじゃなくて、ふと踏み入れられるような身近さを、近頃感じる。 だから、「そういう話には慣れているの」という意味じゃなくて、もっと自然に「そういうこともあるわよね」という感じで、このお話を読んだ気がしました。 とりわけ夜。「あっち」と「こっち」が混ざり合って、この世ならざるものがふとそばにいると感じるあの感覚。 私は、幽霊的な意味で金縛りを信じてはいないのだけど、小さいころからよく金縛りにはあっていて、あれは脳が目覚めてるのに、体が眠っている感覚だから、無理やり体を動かそうとすると元に戻ったりとか、そういうのは普通にあったのよね。あの感覚「トレインスポッティング」で、確か主人公が薬でトリップするときに、ベッドに沈んでくようなシーンがあったんだけど、あれに似てる。ただあのまどろみの中で、普段とは違う金縛りの感覚で、おなかから太ももあたりがずしって重くなって、何か視線のようなものを感じる時とか、耳鳴りがするときとか、「あ、これは目を開けちゃダメなやつだ」とか、思う時があったのを思い出す(今もないわけではないけれど)。 幽霊とか見たことないし、そのくせ嘘だってわかっていても、怪談話とか大嫌いだし、「世にも奇妙な物語」とか未だにトラウマの人間だし、「幽霊が見える」という知り合いがあんまりに胡散臭いので、「そういうのって自分の見えたものを都合のよいように合理化する一種の思い込みだよ」とか思う人間なのだけれど、 「見えないけどいる」という感覚や「その人を離れて場所に残る思いの強さ(私は多分これを幽霊と呼んでると思う)」は、信じてる。 あら。オカルトみたいなレビューだな。
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江戸時代のホラー小説集。日本のホラーならではの恐怖と悲しみに彩られた、現代にも通じる幻想・怪奇小説です。
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江戸時代に出版された、怖い話・不思議な話の短編集。 9話すべての現代語訳が前半にあり、各話の最初にテンポがよくて短いあらすじが紹介されています。原文もちゃんと後半に収められていて、この構成がとてもいいです。さらっとしたあらすじのあとで物語を読んで内容を楽しんで、それから読む原文は...
江戸時代に出版された、怖い話・不思議な話の短編集。 9話すべての現代語訳が前半にあり、各話の最初にテンポがよくて短いあらすじが紹介されています。原文もちゃんと後半に収められていて、この構成がとてもいいです。さらっとしたあらすじのあとで物語を読んで内容を楽しんで、それから読む原文は、筋が分かっているだけに内容がすんなり入ってきながら古文の響きやリズムを楽しめます。 他の出版社のバージョンは読んでいないですが、ソフィア文庫おすすめです。
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日本の心霊、怪奇ものの先駆けと一般的に言われているけど、ちょっと違うと思う。あえて表現するなら「感動的奇談」かな。とにかく怖いけど楽しい。
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怪異小説というべきか。短編で読みやすい。特に印象に残ったのが、蛇性の淫。 美人に化けた蛇に気に入られてしまった男が付きまとわれてしまうお話。しかも和歌山の道成寺には蛇が塚があるようです。
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鬼灯の冷徹で雨月物語に触れていたので手に取ってみたけど、吉備津の釜以外知らなかったです。 むしろ吉備津の釜が雨月物語の一つだということも知らなかった。 現代語訳は前半に、後半は古文形式。とはいえ前半の現代語訳もなんだか怪しいのがチラホラ。だいぶん、て大分のことですよね? それでも...
鬼灯の冷徹で雨月物語に触れていたので手に取ってみたけど、吉備津の釜以外知らなかったです。 むしろ吉備津の釜が雨月物語の一つだということも知らなかった。 現代語訳は前半に、後半は古文形式。とはいえ前半の現代語訳もなんだか怪しいのがチラホラ。だいぶん、て大分のことですよね? それでも面白いです。 全般的にお坊さんは強いってことでしょうか。神道より仏教信仰が盛んだったという解釈でいいのかな?
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教科書にも取り立てて大きく書かれることはあまりない作品だが、タイトルの美しさには前々から惹かれており、やっと読むことができた。「浅茅が宿」「夢応の鯉魚」「蛇性の淫」が印象的。訳文のみを読んだが、自然な訳で大変読みやすかった。しかし、あの世界観と雰囲気を保ったままいきなり出てくる「...
教科書にも取り立てて大きく書かれることはあまりない作品だが、タイトルの美しさには前々から惹かれており、やっと読むことができた。「浅茅が宿」「夢応の鯉魚」「蛇性の淫」が印象的。訳文のみを読んだが、自然な訳で大変読みやすかった。しかし、あの世界観と雰囲気を保ったままいきなり出てくる「メートル」表記には一瞬真顔にならざるを得ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が読んだのは、『日本の文学 古典編 雨月物語 42』ほるぷ出版であり、角川ソフィア文庫ではない。しかし、ほるぷ出版の方は登録しようにも、見つからなかったので代わりにこちらで登録した。 上田秋成によって、1776年(安永5年)に刊行された、怪異小説であるが、「白峰」「菊花の約」「浅茅が宿」「夢応の鯉魚」「仏法僧」「吉備津の釜」「蛇性の釜」「青頭巾」「貧富論」と、確かにどれも不気味な話であった。 私のお気に入りは「青頭巾」で、日本の昔話独特のおどろおどろしさを感じることができ、また、何かに固執し続ける人間の執念のすごさを感じることができる。
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平野啓一郎の『一月物語』(タイトルが本書のパロディ)つながりで読んだ。 短編集。各話にオバケやモノノケが登場する。現代語訳は不自然なところがない。 「義を尽くさない軽薄な人とは交わるな」「妻を大切にすべし」「浮気をするな」「美しい女に溺れるな」「仏道をはずれるな」「根拠なく...
平野啓一郎の『一月物語』(タイトルが本書のパロディ)つながりで読んだ。 短編集。各話にオバケやモノノケが登場する。現代語訳は不自然なところがない。 「義を尽くさない軽薄な人とは交わるな」「妻を大切にすべし」「浮気をするな」「美しい女に溺れるな」「仏道をはずれるな」「根拠なくお金をさげすむな」などのわかりやすい教訓が各話に込められている。 蛇の化身の美女が登場する「蛇性の婬」が好きだ。 心のどこかでは罠と知りつつ美女に惹かれ恋に溺れるのは哀しい男の性である。
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原文→現代語訳→原文で一巻ずつ、丁寧に読み進めたいな…そんなトキメキを最初の『白峯』ですでに感じていました。美しく深く、でもギョッとするような中に軽やかな感じが入り混じり、久しぶりにイマジネーションを刺激された。どのお話も良いけど『菊花の約』は特に印象深い。命を捨て信義を守る。私...
原文→現代語訳→原文で一巻ずつ、丁寧に読み進めたいな…そんなトキメキを最初の『白峯』ですでに感じていました。美しく深く、でもギョッとするような中に軽やかな感じが入り混じり、久しぶりにイマジネーションを刺激された。どのお話も良いけど『菊花の約』は特に印象深い。命を捨て信義を守る。私には眩しい。現代でも、私でも、できるはず。何を大切にし何を選ぶか、自分で決められる。他人に笑われるとしても…きっと…
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