ハゴロモ の商品レビュー
頭にぱっと浮かんでくる情景。とっても優しくて温かい小さな物語。 冒頭の川の流れの描写や何か出来事やもののたとえが良かった。例えば、「石のまわりによどむちょっとした流れ」なんかは、些細だけどいつか見た光景として想像できる。こういった描写に、懐かしいような感性が研ぎ澄まされるような感...
頭にぱっと浮かんでくる情景。とっても優しくて温かい小さな物語。 冒頭の川の流れの描写や何か出来事やもののたとえが良かった。例えば、「石のまわりによどむちょっとした流れ」なんかは、些細だけどいつか見た光景として想像できる。こういった描写に、懐かしいような感性が研ぎ澄まされるような感じがして好き。
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久々の再読。やっぱりなんだかいいんだよね。癒される。ファンタジーのような感じで、でも現実っぽくて、文章を読んでるうちに気持ちがほっこりした。また心が乾いてしまったら、読んで慰めてもらおう。2016/6/30完読
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弱っているときに救いになる優しい小説。 ほたるとみつるが最後まで身体を結ばなくてよかった。それによって、お話が安くて薄っぺらいものにならずに終幕を迎えられている。
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10年前に購入し、なぜかそれからずっと読み進められずにいた本。今日すらすらとよみおえてしまった。とてもよかった。きっと今読めたからこそよかったのだろう。
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失恋してふるさとに戻った主人公がすこしずつ回復していく話。まだ大丈夫じゃないときに、無理して大丈夫になろうとすることが一番よくない、無理して元気になろうとしなくていい、と言われて、ほっとした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
美しい川の描写から始まり、物語全体がこの川の流れのようにゆっくりと、しかし確実に進んでいく。 本当にそんなことあるのか、というようなファンタジックな展開なのに、なぜか感情移入してしまう。失恋から徐々に立ち直っていく主人公の、常に率直で素直な心のせいだろうか。 「恋愛はとてもすばらしい。でも、この世の中は、もっともっと大きなことでできているんだ」 「私は失恋してかわいそうな感じで仕方なくここにいるわけではなく、ひまだし好き好んでここにいるのだ、そしてこれからもどこにいたっていいのだ。そしたら、私をしばっていた鎖がまた一つ切れたのがよくわかった」 べき論にしばられて、回復すべき、立ち直るべき、忘れるべき、そう考えていたら苦悩からは絶対に逃げられない。大事なのは、ただ在るべき姿で、好きに人生を生きること。 時の流れを恐れてはいけない。
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大人のためのやわらかなおとぎばなし。 ふわふわで口に含むとほろり、ととけてしまう甘さ控えめのケーキのようなおはなしでした。 UAがBGMによく合います。 新潮文庫の100冊と言うキャンペーンが、2006'9,25迄やってます。 対象の本の帯にあるマークを2枚集めて送...
大人のためのやわらかなおとぎばなし。 ふわふわで口に含むとほろり、ととけてしまう甘さ控えめのケーキのようなおはなしでした。 UAがBGMによく合います。 新潮文庫の100冊と言うキャンペーンが、2006'9,25迄やってます。 対象の本の帯にあるマークを2枚集めて送ると、Yonda?マスコット人形がもれなくプレゼントです。 ※別の読書サイトから感想を移行中なので、その当時のオハナシ。
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読むと心が洗われる、という表現がぴったしな(川が物語のキーワードであるので、命の洗濯なんて言葉も浮かんでくる)、人の心の余白を埋めて満足感に満たしてくれる文章がこれでもかと詰め込まれている、よしもとばなな的ヒーリングファンタジー。たまに読み返して、「同じような気持ちでそばにいるだ...
読むと心が洗われる、という表現がぴったしな(川が物語のキーワードであるので、命の洗濯なんて言葉も浮かんでくる)、人の心の余白を埋めて満足感に満たしてくれる文章がこれでもかと詰め込まれている、よしもとばなな的ヒーリングファンタジー。たまに読み返して、「同じような気持ちでそばにいるだけで、語り合う言葉がないほうがかえって通じ合えるということのすばらしさ」なんていう思っても人に言ったり言葉で書いてみたりしなさそうな、けれど気付いた後に気付く前の自分には戻れないようなハッとする一文に包まれたくなる。
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よしもとばななさんいわく「青春小説らしい青春小説」。後書き含めて読んでいて面白かった。ちょっと現実的じゃないな、っていう部分と、誰もが一度は抱えたことがあるどうしようもない空虚感みたいなものがあって、それが凄く綺麗に描かれていたように思います。 ほたるがその後どういう選択をしたの...
よしもとばななさんいわく「青春小説らしい青春小説」。後書き含めて読んでいて面白かった。ちょっと現実的じゃないな、っていう部分と、誰もが一度は抱えたことがあるどうしようもない空虚感みたいなものがあって、それが凄く綺麗に描かれていたように思います。 ほたるがその後どういう選択をしたのかとか、未来に向かって前を向いている姿が印象的でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
記憶には言葉がよく似合う。離れていってしまう恐怖心から手に取った一冊。誰にでも恐ろしいくらいの孤独が現れる。それは何にも例えようがないもの。鋭く痛く貫くような。でもそんな傷でさえ、ちゃんと時が癒してくれる。「時間薬」とはまさにそのことだ。人を失った苦しみは何にも比べようがないから助けてあげられないけれど、いつかあなたにも暖かい光が差し込みますように。全てのあやまち、迷いから抜け出せますように。私の大切な一冊にこめて。 「何か大切なことを忘れているような気持ちにさせる。
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