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ハゴロモ の商品レビュー

3.9

269件のお客様レビュー

  1. 5つ

    60

  2. 4つ

    107

  3. 3つ

    61

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2023/11/21

ばななさんのあとがきに書かれた言葉が、読み終わった私の気持ちをすっと代弁してくれた。 今読んで良かった、数年前に買った自分、積読して読むべきタイミングで読めました。 少し疲れた時に、また読みたい。

Posted byブクログ

2023/10/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

弱った心に優しく寄り添ってくれる、包み込んでくれるような作品だった。ありきたりな言葉になるけれど、時に疲れて立ち止まっても、大丈夫。また歩きだせるのだと。 思い出を振り返りながら、今を生きている人と少しずつ向き合い、前を向いていく様子が印象的だった。 スピリチュアルでファンタジーのような要素もあって、なんだかふわふわとした気持ちで読み進めた。 こういう、昔のあたたかい記憶が呼び起こされるような、優しい小説はとても好みだ。そして、よしもとばななさんの文章が大好きだと思った。

Posted byブクログ

2023/09/01

病気になった人のほうがつらいと、誰が決めたのだろう、と私は思った。病気にならず、泣かず、ちゃんとごはんを食べて、散歩もして、友達に会ったりしている人のほうがつらいということもあるかもしれないと、なぜ彼は思わなかったのだろう。 まるで春にきれいな風が吹いてきて鼻先がちょっとあたた...

病気になった人のほうがつらいと、誰が決めたのだろう、と私は思った。病気にならず、泣かず、ちゃんとごはんを食べて、散歩もして、友達に会ったりしている人のほうがつらいということもあるかもしれないと、なぜ彼は思わなかったのだろう。 まるで春にきれいな風が吹いてきて鼻先がちょっとあたたかく甘い匂いがするのが好きなのと同じように、冬にストーブの前にいて膝が熱くなって幸せになるように、ただただ楽しかった。 人の、感じる心の芯のところは、決して変わることがないようだ。 人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。いつのまにかふわっと包まれ、今まで自分をしばっていた重く苦しい重力からふいに解き放たれ、魂が宙に気持ちよく浮いている。 心の強い人は、たいてい心さえしっかりしていれば体はなんとかなる、って体のことをばかにしているんだ。 でも人って、ある線をすぎると、こんどは体が弱っていることが心を引っ張っていってしまうんだ。 たとえどんな死に方をしても、どんなつまらないことの巻き添えになって死んでしまったのだとしても、そのお父さんの魂が汚れることは決してない。つまらない意図で、つまらない人生に行き詰まってはた迷惑な生き方や死に方をした甘えた人が決して、絶対に遺せないずっしりしたものが確かにあるし、それは、形を変えて絶対に続いていくはず。 遺していく力の重みこそが、きっと人間が唯一このどうしようもなくたまらない世界の中に置いていける何かなのよ。

Posted byブクログ

2023/06/20

失恋と都会の疲れを癒すため、故郷へ戻ってきたほたる。大きな川の流れるその町で、彼女は大切な何かを取り戻せるだろうか。 長く続いた愛人関係を清算して、故郷に戻ってきたほたるという女性と、故郷で出会う人たちとの癒しと再生の不思議な話。 自分で何も選んでいないのにただ流させるように...

失恋と都会の疲れを癒すため、故郷へ戻ってきたほたる。大きな川の流れるその町で、彼女は大切な何かを取り戻せるだろうか。 長く続いた愛人関係を清算して、故郷に戻ってきたほたるという女性と、故郷で出会う人たちとの癒しと再生の不思議な話。 自分で何も選んでいないのにただ流させるように生きることは、自分もそう生きていた自覚があるので良くないことだという意識がずっとあったのですが、自然に、あるように流れてそのまま居ついてしまう事も、実はそんなに悪くないのかも……? と、少し救われるような気分になりました。 何も否定せず、そっと背中を押してくれる。 実際にはタイトルは、都会の生活で疲れ、奪われていた本来の姿を羽衣伝説になぞらえているのかなと思うのですが、それこそハゴロモのようにふわっと軽くて優しい話です。

Posted byブクログ

2023/05/08

再生をテーマにした青春小説。ばななさんの冬の情景描写が好きなのですが、「あとがき」を読んだらご本人はずっと東京暮らしだからこういう寒そうな地域の生活を知らないらしくてびっくり。 大失恋をして田舎に戻ったヒロインが、だんだん人生に対して希望を取り戻していく様子は、弱っている誰かに...

再生をテーマにした青春小説。ばななさんの冬の情景描写が好きなのですが、「あとがき」を読んだらご本人はずっと東京暮らしだからこういう寒そうな地域の生活を知らないらしくてびっくり。 大失恋をして田舎に戻ったヒロインが、だんだん人生に対して希望を取り戻していく様子は、弱っている誰かにそっと寄り添ってくれるはずです。

Posted byブクログ

2023/04/26

よしもとばななさんの本は初めて読みました。漢字の使い方や、書き方が独特だなーと感じた。 ファンタジー?のような部分もあるんだけど、なんだかスーッと馴染んでいて日常が描かれている。 前半はしつこいくらいに振られた悲しみや自分に何も残っていない虚無感の描写が続き物語が進んでいる感...

よしもとばななさんの本は初めて読みました。漢字の使い方や、書き方が独特だなーと感じた。 ファンタジー?のような部分もあるんだけど、なんだかスーッと馴染んでいて日常が描かれている。 前半はしつこいくらいに振られた悲しみや自分に何も残っていない虚無感の描写が続き物語が進んでいる感じがなかった。だけどそこもリアルでなかなか前に進めずにずっと同じような事を考えて思い出してしまうもんなー 徐々に物語が進んでいくなかで、グレーに見えていた町に優しい光が差してくる。 なんだか、なるようになるから川の流れに流されるように生きても大丈夫って思える。 帰れる場所は自分にはあるかなーこんなに優しい場所あるかなーなんて思ってしまった。 綺麗な川を見に行きたいな! ささっと読んでしまったので、ゆっくり読み直したい!

Posted byブクログ

2023/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日常を感じられる作品でした。 私の語彙力、読解力がないから 1回読んだだけでは理解した気になれなくて、 もっと読み尽くして理解したいっていう気持ちになりました。 川の描写が所々あるけれど、 なんでこんなに美しい表現が出来るんだろうって 思うくらい全部素敵。 もう一回ゆっくり読みたい!

Posted byブクログ

2023/04/11

再生の物語。優しい雰囲気の青春小説。私の語彙力では語り尽くせないけど文章がとにかく美しい。朝読書用に少しずつ読み進め、今朝ようやく読了。るみちゃんみたいな子、個人的に『TUGUMI』のつぐみと同じくらいすき。吉本ばななさん作品にハマりそうな予感がします。

Posted byブクログ

2023/01/08

自然界に生きる動物が、傷ついた身体をなめて、眠って癒すように、私たちの中にも、傷ついた魂を癒す何かがあるのでしょうか。 おとぎ話のようだけど、魂を癒すお話です。

Posted byブクログ

2022/11/06

川と雪のある町。どこかで会ったような思い出せない人。 大事だった縁が千切れたあと、また別の縁がやってくる。

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