ブレイブ・ストーリー(下) の商品レビュー
そうか、全巻合わせて1,431頁もあるんだな。読み終わって気付く。出版社の方針だろうが子供向けを意識した表紙で損をしている。大人の読者が避けてしまうには、あまりにもったいない作品だ。 ミツルは過酷な現世に立ち向かうため幻界での悪となった。そして孤独となった。一方ワタルは仲間を選...
そうか、全巻合わせて1,431頁もあるんだな。読み終わって気付く。出版社の方針だろうが子供向けを意識した表紙で損をしている。大人の読者が避けてしまうには、あまりにもったいない作品だ。 ミツルは過酷な現世に立ち向かうため幻界での悪となった。そして孤独となった。一方ワタルは仲間を選んだ。普通ならば「孤独」を否定して「仲間」を礼賛するが、それほど単純な構造にしないところが物語に深みを与えている。上巻があったからこそ下巻でのワタルがミツルへの思いが印象的だ。 下巻まで来ると物語は予定調和のうちに幕が閉じる。だが、それでいい。それがワタルの答えであり、意外性など不要だ。
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魔界の扉が開き、幻界の人々に襲いかかる。ワタルに先んじて「運命の塔」を目指す友人ミツルとの対立、そして倒れていく仲間。現世での運命を変えるための旅は、幻界で自らを変える旅となり、自然とワタルの願いも変わっていく。とかく理不尽な出来事に見舞われるこの世で、運命を呪うのではなく、自ら...
魔界の扉が開き、幻界の人々に襲いかかる。ワタルに先んじて「運命の塔」を目指す友人ミツルとの対立、そして倒れていく仲間。現世での運命を変えるための旅は、幻界で自らを変える旅となり、自然とワタルの願いも変わっていく。とかく理不尽な出来事に見舞われるこの世で、運命を呪うのではなく、自らがそれに挑む。その葛藤で得たものこそが、ワタルの行きて還りし物語に込められた宝なんだろうな。
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最初はゲームのRPGのように、魔王的なものを倒すために旅をするんやろうなと思ってましたが、そんなありきたりな話ではない。 だって、冒険の舞台になるヴィジョンに行くのは中巻からやしね。 上巻はひたすら現世でのお話です。 しかも、これが切な過ぎる家庭崩壊のお話です。 親父の浮気⇒親父...
最初はゲームのRPGのように、魔王的なものを倒すために旅をするんやろうなと思ってましたが、そんなありきたりな話ではない。 だって、冒険の舞台になるヴィジョンに行くのは中巻からやしね。 上巻はひたすら現世でのお話です。 しかも、これが切な過ぎる家庭崩壊のお話です。 親父の浮気⇒親父出て行く⇒離婚⇒浮気相手が家にやってくる⇒母親一家心中を図る。 というような最悪の状態が主人公を襲うわけです。 そんな現状を打破して、元の平和な家庭を取り返すために、少年はヴィジョンを目指すわけです。 ヴィジョンに入ってからも、人種差別、宗教対立など現実に呼応する問題が多く、単なるアドベンチャー小説ではない。 また、一人で殺戮での解決を目指すライバルと、あくまでも仲間を大切にしながら、目的を達成しようとする主人公の対比がいいですね〜。
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2012.8.28 推薦者:ハイジ(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-168.html)
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宮部みゆき作,ファンタジー系の長編小説. 単行本で上下だったものを,上中下に分割文庫化したものだそうです. ファンタジー好きとしては前々から読んでみたかったのですが,ライトノベルもちょくちょく読む身としては,ファンタジー系のライトノベルとの違いって結局あるのだろうか,と読む前...
宮部みゆき作,ファンタジー系の長編小説. 単行本で上下だったものを,上中下に分割文庫化したものだそうです. ファンタジー好きとしては前々から読んでみたかったのですが,ライトノベルもちょくちょく読む身としては,ファンタジー系のライトノベルとの違いって結局あるのだろうか,と読む前は思っていました. 上巻あらすじを読んでみると分かるように,時代設定は普通の現代であり,そこからファンタジーな世界に行く,というままある話です.しかし,この"現代"の方のストーリーが意外と重厚で,かつ主人公の立ち位置の設定がファンタジーな側とうまくマッチしていたように思いました.("サクセスストーリー"なのは,愛嬌.というかサクサク進んだほうが読んでる方は飽きませんからね.) 詳しくは是非読んでもらいたいですが,"主人公の成長"が小説の肝ですので,若干不甲斐ないところもままありますが,それも含めてストーリー,と楽しんでもらえるといいのでは. ICO,英雄の書,あたりも読んでいこうかと思います.
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ついに最終巻に突入した本書を、私は常に鳥肌を立てて読んでいました(笑)大事なものをすべてつぎ込んだ、そんな巻です。 ここまでくると自分の運命云々だけでなく、幻界の危機と存亡にも関わる事態にまで発展してきてまさに壮大です。佳境に突入し、もうだめだと諦めかけていたところに差し込ん...
ついに最終巻に突入した本書を、私は常に鳥肌を立てて読んでいました(笑)大事なものをすべてつぎ込んだ、そんな巻です。 ここまでくると自分の運命云々だけでなく、幻界の危機と存亡にも関わる事態にまで発展してきてまさに壮大です。佳境に突入し、もうだめだと諦めかけていたところに差し込んだ希望の光がとても眩しかったです。 能力があるだけに目的のために手段を選ばず一人で突き進むミツルの姿は、読んでいて痛ましかったです。ミツルの言っていることは、同じ現世から来ているワタルにとってもっともな主張のようにも思えるのですが、あんな残酷なことをやっているのに罪悪感が無いなんて恐ろしい限りでした。 教王とカッツ、そしてミツルは、最後にはみんな改心して救済されるんじゃないかと淡い期待があっただけに、結構最後は切なかったです。道を踏み誤ることは、すなわち身の破滅を導くのです。優しいけれど決して甘くはないというのが、全巻通して読んでみての感想。現実的な冒険ファンタジーとでも言いますか。 読み終えた今、一本のRPGをやり終えた後みたいな達成感と満足感があります。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
400ページ以上で3冊にもわたる超大作だったので、読み終えた時には達成感がありました。 美鶴のその後と大松香織の件をもっと詳しく書いて欲しかったです。 少しモヤモヤが残る形になってしまいました。 テレビゲームの世界のような話に引き込まれて、 ページをどんどん進めていけました。 ファンタジーと並行して 現実のリアルを突きつけられる場面が多々あって、 夢見るだけにしない、 ちゃんと自身を見つめさせてくれる作品だと思いました。
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映画で興味を持ったのだけど、映画とは結末が違った気がする(うろ覚えでちがうかも)。上巻ではほぼ主人公の家庭の話でなかなか進まないのだけど、舞台が変わってからは一気に読み進めていける。でもほとんどおぼえてないんだよな。いつか再読しよう。
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単なるファンタジーとして、括ることが出来ない、して欲しくない作品です。 特にわたしの場合は、似たような経験をして、変えることが出来たら、、、と思うような出来事が家庭内でありました。 ちょうどその頃に読んだ本でした。 ワタルが嫌いでした、現実から目を背けて、何も知らない子供で、...
単なるファンタジーとして、括ることが出来ない、して欲しくない作品です。 特にわたしの場合は、似たような経験をして、変えることが出来たら、、、と思うような出来事が家庭内でありました。 ちょうどその頃に読んだ本でした。 ワタルが嫌いでした、現実から目を背けて、何も知らない子供で、何とかして逃げられる方法を探しているようで。 けれど彼の状況が、自分の状況が重なって、苦しくて、涙が出て、何度も何度も本を閉じて、やっと読み終わりました。 そして、彼の、変わらない現実を受け止めるという決断に、もの凄く感銘を受けました。 変えられない、変わらない現実を受け止める、現実をありのままに許すこと。 それは私自身が、家庭内で起こった出来事に対して、迷いながら、自分で出した答えと同じでした。 自分の選択が正しかったのだと、教えてくれたように感じました。 ファンタジーだけれど、ゲームでもRPGでもない。隣の家族で、自分の家庭内で、いつだって起こりうる残酷な事実と、それでも過去に戻れない現実を生きる私たちへの道標のような小説です。
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母から拝借。 最後まで読めなかった。 母も最後まで読めなかったらしい。 ファンタジー好きは前半が合わず ファンタジー嫌いは中盤が合わない。 大人には退屈で 子供には長すぎる。 ラストは知りたいけど 多分再読はしない。
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