空白の叫び(上) の商品レビュー
何故少年3人は犯罪をおかしてしまったのか。そして少年院での暮らしとは。3人それぞれの視点で話が進みながら明らかになっていきます。500ページを超える上巻はとても苦しくも読み応えのあるものでした。下巻で詳しく感想を書かせていただきます。
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3人の少年が殺人を犯して少年院に入る話。 罪を犯すまでのそれぞれの心境が細かく描写されているので、病んでるな…と思ったり、これはしょうがないかな…と思ったりしながら長い前半を読み進める。 葛城くんと久藤くんはわかりやすいのだけど、一見真面目で素直な神崎くんが、自分でも気づいていない闇をかかえ、罪を犯したことを全く悪いと思っていないところが不気味。保身のために他人に頼るところなど、幼稚な面もあるが、計画的に母親を殺しているところをみると、この子が1番サイコパスなんじゃ?と思ってしまう。
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序盤は主人公入れ替わり立ち替わりで読みにくい印象。 事件が起きてから、またその書き方に慣れてからか、読む手が止まらなくなる。 それにしても、どうしてこの人の話は救いがないのに引き込まれてしまうのか。 これから下巻を愛でてきます。
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少年犯罪についての本は、周りの大人達や被害者側の視点から書かれることが多いが、これは当事者達からの視点のみ。 葛城、神原と違って家庭環境に大きな問題がないのに日々瘴気をためている久藤のようなタイプが一番怖いと思ってよんでいたが、結局全員怖い´д` ; わかりやすい不良なわけで...
少年犯罪についての本は、周りの大人達や被害者側の視点から書かれることが多いが、これは当事者達からの視点のみ。 葛城、神原と違って家庭環境に大きな問題がないのに日々瘴気をためている久藤のようなタイプが一番怖いと思ってよんでいたが、結局全員怖い´д` ; わかりやすい不良なわけではないだけに余計に。 刑務所のくだりが辛すぎて暗い気持ちになりながら読んでいた。
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三者三様、全く違う家庭環境の中学生たちが、それぞれまさかの殺人を犯してしまう。 なぜ彼らが殺人者となってしまったのか、そこに焦点を当てる第一部。全く理解しえないのだけれど、追い詰められてしまった経緯はどこか納得してしまう部分も。 第2部は閉ざされた世界ならではの少年院。そこにも絶対的な力関係が存在し、壊れて行く心。同じ中学生同士と言うことで、ひそかに繋がりを求める。 中々、壮絶な小説です。
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退屈な日常の中で飼いならしえぬ瘴気を溜め続ける久藤。 恵まれた頭脳と容姿を持ちながら、生きる現実感が乏しい葛城。 複雑な家庭環境ゆえ、孤独な日々を送る神原。 世間への違和感を抱える三人の少年たちは、どこへ向かうのか。 少年犯罪をテーマに中学生たちの心の軌跡を描き切ったミステリー長...
退屈な日常の中で飼いならしえぬ瘴気を溜め続ける久藤。 恵まれた頭脳と容姿を持ちながら、生きる現実感が乏しい葛城。 複雑な家庭環境ゆえ、孤独な日々を送る神原。 世間への違和感を抱える三人の少年たちは、どこへ向かうのか。 少年犯罪をテーマに中学生たちの心の軌跡を描き切ったミステリー長編。
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3人の中学生の少年が殺人を犯してしまうまで、少年院で巡り会う、少年院を出て来てからの3部作になっている。中学生の子供は子供の部分もあり大人もビックリするぐらい大人な面もある。その部分を3人の個性も生かしながら、上手く物語にはめて行ってた。事実でないことを祈る重い内容でした。
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図書館にて借りました。 大好きな貫井先生作品。分厚かったのでまだ手に取ってない作品でした(笑) 余りの大作には覚悟がいるので・・・(^^; 上下巻に分かれていて、上巻は3人の少年たちが殺人を起こし、少年院に入り、全く関わりの無かった3人が接触するまでになってます。 久藤、葛城、神原。 この作品は所謂、マスコミが煽り書きたてて書き立てっぱなしにする、「心の闇」がテーマ。 よっぽどの快楽殺人者でもない限り、誰彼かまわず殺したりなんかしません。中学生が「殺さなければ」いけない動機を非常に丁寧に冷静に書いてくれます。 久藤はいじめられた経験から力関係が全てだと、産休代理教師の柏木にも思い知らせてやろうとレイプしたが、反対に執着され殺してしまう。 エリートでお金持ちの両親を持つ葛城はどうしても生理的にも合わない幼馴染との間で、決定的な事があり殴り殺してしまう。 母親に捨てられた神原は祖母と叔母に育てられるが、祖母の死により遺産を巡る実母の叔母への仕打ちに耐えかね実母を焼き殺す。 そして少年院。 はっきり云ってこの中での暮らしを読みのが一番辛かった。 似たようなことが確かにあるんだろうが、本当にきつい。 あと、この年代は「サル並み」て云うけど本当だなと思った(笑) 少年らにしたら笑い事じゃないけど、色んな意味で大変ですね。 この少年院編「接触」に入ると何かと、「更生」「反省」と出てきますが、「反省してるか?」と聞かれれば「反省してます」と答えるのが「正しい解答」として教官たちは捉え、その回答しか許さないのだから本当にこれで遺族の望む「更生」「反省」になるのか心底疑問です。 神原も作中で、「言葉には力がない。でも嘘は効果的だ。」と学んでしまったことですしね。 結局、少年院とは「犯罪を犯したらこんな痛い目に身体共々合いますよ、逆らえませんよ」と「お仕置き」の場所なんでしょうか? 自宅近辺に少年院があるので、たまに通りますがあそこに入ってる少年達もそう思ってるのでしょうか? 確かに「身をもって思い知らなければいけない」こともあると思いますが、「教官に従順=更生」てシステムもどうかと思う。 色々と考え、そして惹きつけられてます! 個人的に葛城君がツボです(笑) どうなる下巻!?期待してます(^^)
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久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。〈上巻〉第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面...
久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。〈上巻〉第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面を克明にたどりながら描く。その3人が同じ少年院に収容されて出会うのが第二部。過酷で陰湿な仕打ちで心が壊されていく中、3人の間には不思議な連帯感が生まれる。〈下巻〉第三部。少年院を退院した彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして、再び3人が出会う日がくる。 少年犯罪を少年の視点から描いた、新機軸のクライムノベル。
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ここまで嫌な登場人物ばかり出てくる本を読んだことはありません。(褒め言葉です。) だからこそ共感できる面もあります。 まとめは下巻で。
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