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浮世でランチ の商品レビュー

3.3

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

    25

  5. 1つ

    1

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2024/02/18

読み終わったあと思ったのは、映画みたいな小説だなーという感想でした。 仕事を辞めてミャンマーへ行く現在、犬井やタカソウ、新田、鈴木と過ごす中学時代。場面展開が切り替わっていく中で、次第にそれぞれの境が無くなっていく感じ。旅が見せる郷愁のようなものだったのかなあ。 中学時代は皆と同...

読み終わったあと思ったのは、映画みたいな小説だなーという感想でした。 仕事を辞めてミャンマーへ行く現在、犬井やタカソウ、新田、鈴木と過ごす中学時代。場面展開が切り替わっていく中で、次第にそれぞれの境が無くなっていく感じ。旅が見せる郷愁のようなものだったのかなあ。 中学時代は皆と同じようなことをしたくなくて反抗していた丸山が、ミャンマーでは周りにどう見られているか考え浮かないように巻きスカートとサンダルを買っていたのには「そうか、そうなったか」と。社会に溶け込もうとしている丸山。でもランチは自分がしたいように食べたいから転職しても外で食べるという。私も学生時代、そして社会人になってからも決まったグループでランチをとる文化(?)に嫌気がさしているのでちょっと共感…。 登場人物たちや文章のちぐはぐ感が隠されていなくて、それが妙な人間っぽさを魅せているように思った。作者のなかに子どものような幼い部分がまだあるんじゃないのかなと考え、(25歳で丸山が自分を“女のコ”と言ったので、その部分に感じた)かっこつけないところに、私は密かに嬉しくなった。

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2023/10/25

ずっと読みたかったナオコーラさんの初期の作品。 めちゃくちゃ真面目に小説を書いていて良い。 過去と未来を行き来する、今まで読んだ著者の作品にはないスタイル。 P.34 手があって良かった。ものを運ぶよりも、細かい作業をするよりも、この、ものの感触がわかる機能が何よりいとおしい。...

ずっと読みたかったナオコーラさんの初期の作品。 めちゃくちゃ真面目に小説を書いていて良い。 過去と未来を行き来する、今まで読んだ著者の作品にはないスタイル。 P.34 手があって良かった。ものを運ぶよりも、細かい作業をするよりも、この、ものの感触がわかる機能が何よりいとおしい。ざらざらなもの、ぬるぬるなものを私に教えてくれる手に、キビダンゴをあげて、私は一生、自分のお供にしたい。 P.110 お店に行ったら、私の他にはお客さんがいなくって、店員のおばさんは英語がわからないらしくって、だから私は鍋を指して食べたいしぐさをしました。5分ぐらいしぐさを続けたら、やっとよそってくれました。肉骨茶は、骨付きの豚肉、湯葉、チンゲン菜のような野菜、エノキ、マッシュルームを漢方薬で煮込んだもので、スープを飲むと、体がジーンとしびれる感じがしました。そうしたら泣きたくなりました。帰りたい。 帰りたい。日本に帰りたいです。外国は、つらい。自分がいつまでもどこまでも考えの甘い、日本の女のコだということを、ひしひしと思い知らされます。 英語がわかる人にも、私の英語は通じないんです。もっとハキハキ喋れば通じるのかもしれないのに、私は自信のない喋り方しかできない。 思えば日本でもそうでした。日本語がわかる人にも、私の言葉は通じない。 誰にもなんにも、通じないんです。 P.121 「神様へ 私は夜に、布団に入ってもなかなか眠ることができません。 電灯を消すのが怖いので、どうしても消すことができない。目を閉じると薄闇ができるので、この闇で眠ろうと思うのですが、まぶたを閉じても、外が明るいのはわかるんです。神様は、夜に眠ることができますか? 丸山君枝より」 「丸山君枝ちゃん 私は眠ったことがありません。いつでも起きているのです。 君枝ちゃんは『夏』や『虫さされ』や『眠り』のある、素晴らしい世界に住んでいるのですね。 神」 「神様へ そうかもしれません。私は素晴らしい世界にいるのかも。 お風呂に入らないでいると、痒くなる、あたたかい体を持っています。 そしてお風呂に入ると、石けんの泡が、毎回違う形になるのを見ることができます。その泡の形は、そのときだけののもの、世界で私だけが見たものです。 葉っぱの影の形もそう、雨が窓を伝う水滴の形もそう、私だけが見ています。 立派な人間になれなくたって、周りの人に迷惑をかけたって、こうした化学変化が絶えず起きている世界で生きていけるのは嬉しいことです。 丸山君枝より」

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2022/09/03

タイトルがいいなと思いました。 犬井は? 三上さんは? など、気になるところほどあえて結末を見せず、読後に靄がかかった感覚になるのも含めてひとつの作品なのかもしれないな〜と思ったり。思わなかったり。 ストーリーがあるようでないような とりとめのなさ、その浮遊感が浮世っぽかったです...

タイトルがいいなと思いました。 犬井は? 三上さんは? など、気になるところほどあえて結末を見せず、読後に靄がかかった感覚になるのも含めてひとつの作品なのかもしれないな〜と思ったり。思わなかったり。 ストーリーがあるようでないような とりとめのなさ、その浮遊感が浮世っぽかったです。

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2023/06/10

会社を辞め、旅をしながら。学生時代の多感な時期を思い起こすストーリー。小さい世界で生き辛い毎日を大人になれば解決すると考えていたけれど「大人になっても対して変わらない」読み初めの1人ランチの一節が自然と手をとる一冊でした。

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2021/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

退職後、海外旅行をしている主人公と 14歳で中学生の主人公が交互に登場する。 毎週水曜日に決まったメンバーで集まり、小学生からの友人・犬井の部屋で「宗教ゴッコ」をして楽しんでいる。行為自体は遊び半分であるが、主人公以外の4人はそれなりに神様の存在は信じている模様。だけれど、肝心の主人公は信仰心がなく、もとい「神様はいない」と断言する。 . 主人公が海外旅行中に巡る国々の多くは、 仏教などが盛んな地。 さらに、以前働いていた職場でお喋りとして有名だった三上さんにも、“教会”という宗教が密接に関わっている場所が絡んでくる。 好意的に思っている友人が恋愛感情を持っている男性に対して、嫉妬心でなのか、わざと相手と話す回数を増やしたりと、丸山の不器用さが読んでいて辛い。 でも、丸山の人間関係への考え方は共感。 たとえば、同い年の女の子は仲良くして当然 だと思われている、とか。 私自身、同世代より年上の方とのほうが話していて気が楽なもので。

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2020/11/21

大人に守られているのに世の中すべてに反抗している思春期のヒリヒリする感じが痛くて懐かしい 主人公の場合は大人になっても社会に馴染めないんだけど、ラストの腑に落ちないことばかりでも悩みながら自分の気持ちを伝えようという言葉に納得 犬井くんのその後を見たかったなぁ

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2020/02/14

桃源郷なぞどこにもなくとも地球は回る。世界は動く。自分だけ動かないなんてことはできない。お気に入りのもの、人、いつか無くなるとして違うところに光は差す。 エーエムピーエムなくなっても、ドリア以外のランチを食べて生きていかねば。

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2019/06/10

このキラキラペン可愛いー。どこで買ったのー? こーゆー男友達が居たなー。 どーしてるかなー元気かなー。

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2018/06/17

「人生ってきっと、ワタクシたちが考えているより、二億倍自由なのよ」。 中学に入ってから不登校ぎみになった幼なじみの犬井。 学校という世界に慣れない私と犬井は、早く25歳の大人になることを願う。 11年後、OLになった私だが、はたして私の目に、世界はどのように映るのか? 14歳の私...

「人生ってきっと、ワタクシたちが考えているより、二億倍自由なのよ」。 中学に入ってから不登校ぎみになった幼なじみの犬井。 学校という世界に慣れない私と犬井は、早く25歳の大人になることを願う。 11年後、OLになった私だが、はたして私の目に、世界はどのように映るのか? 14歳の私と25歳の私の今を鮮やかに描く文藝賞受賞第一作。

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2017/07/22

主人公の子供の頃の話と現在。 会社を辞めミャンマーに旅に出る。 丸山は自分の世界観を持ってるんだろうな。 だから1人でもいつも平気なんだ。 私も新田さん同様憧れちゃう。

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