ZOO(2) の商品レビュー
乙一さん著「ZOO2」 本作も「めぐお」さんから、ZOO1から引き続き読了。 本作も6篇からなる独立短編集。 前作もそうだったが奇妙な独創性が各物語の冒頭から始まっている。その独特なプロットの中で展開される奇異な世界観。 その中でも気になった2篇。 「Closet」 江戸...
乙一さん著「ZOO2」 本作も「めぐお」さんから、ZOO1から引き続き読了。 本作も6篇からなる独立短編集。 前作もそうだったが奇妙な独創性が各物語の冒頭から始まっている。その独特なプロットの中で展開される奇異な世界観。 その中でも気になった2篇。 「Closet」 江戸川乱歩オマージュなのか? 「人間椅子」の様な「D坂」の様な独特な癖を感じさせられる作品。 そして最後、「クローゼットの隙間から目を凝らしていた僕と目があった」という一文。 これは… 僕という一人称表現? 完全にミキ視点で読んでいたが、実はイチロウ視点というミスリードか。 イチロウ視点で読み直してみればクローゼットの中、鍵穴からミキとリュウジの経緯を覗き込んで見ているイチロウが想像できる。 叙述トリックに見事にやられた。 「神の言葉」 こちらの作品は太宰治「人間失格」を感じられる。 自分の存在というものに対して他者との対峙に強いコンプレックスを抱く主人公、その考え方や対峙方法や作った処世術はまるで人間失格の主人公「大庭葉蔵」。 そこに特殊能力を一つ付随させると… 結末として「人間失格」の葉蔵本人の薬物依存による精神崩壊に対し、今作品では能力依存による人間社会崩壊が描かれている様に感じる。 多く共感できてしまうがため、何かに依存しながら歩む怖さに震える。 乙一作品、これだけの内容を約40頁弱に収められる筆力と能力に卓越した素晴らしさを悉く感じられた。
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Closet 神の言葉 落ちる飛行機の中で 冷たい森の白い家 むかし夕日の公園で 血液を探せ の順で好き。 ミステリー風な話もあれば、SF、ほん怖ホラー、ファンタジー、コメディ?風な話もある。 神の言葉とかはよくこんな話思いつくなあと乙一の手広さにびっくりした。 2021.0...
Closet 神の言葉 落ちる飛行機の中で 冷たい森の白い家 むかし夕日の公園で 血液を探せ の順で好き。 ミステリー風な話もあれば、SF、ほん怖ホラー、ファンタジー、コメディ?風な話もある。 神の言葉とかはよくこんな話思いつくなあと乙一の手広さにびっくりした。 2021.0517.11
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わたしは1の『SEVEN ROOMS』がすごく面白くかったせいか、2のお話はあまりハマりませんでした。 解説にもありましたが、『SEVEN ROOMS』の印象が強すぎるんですよね…あれは仕方ない( ー̀ωー́)⁾⁾ウンウン でも、2はどのお話も一癖も二癖もあって、決してつまらなか...
わたしは1の『SEVEN ROOMS』がすごく面白くかったせいか、2のお話はあまりハマりませんでした。 解説にもありましたが、『SEVEN ROOMS』の印象が強すぎるんですよね…あれは仕方ない( ー̀ωー́)⁾⁾ウンウン でも、2はどのお話も一癖も二癖もあって、決してつまらなかった訳ではありませんでした。 血液を探せ! 乙一さんがコメディを書くとこんな感じになるんだなぁ…と思ったら本格ミステリでした。これは分からんかった。 冷たい森の白い家 こっっっっっっわ((((;゚Д゚))))))) Closet もう家のクローゼットしばらく開けられん:(;゙゚'ω゚'): 神の言葉 超能力でもなんでも、人の手に余る力っていうのは憧れますが、もし実際に使ってみると予期せぬ弊害がありそうで怖いですよね。 普通の生活が一番です。 落ちる飛行機の中で 誰かその空き缶拾ってくれえ むかし夕日の公園で 短いけどちゃんと怖い
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ZOO1に続き読んだ。こちらも短編集で、ジャンルが様々。「血液を探せ!」がテンポ良くツッコミどころもあり良かった。 「落ちる飛行機の中で」も設定がおもしろかった。 「Closet」は意味が分からなかったが、ネタバレを見てなるほど!と思った。天才か!笑
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久しぶりの読書にはちょうどいい短編。 どうせなら失敗しないようにハズレがない乙一を選択。 この本も色々なバリエーションの短編たち。 ただ全体的にユーモラスな物語が多いように感じた。 猟奇的なホラーはないが短編特有の理不尽さは随所に感じる。 おそらく『神の言葉』『落ちる飛行機の中で...
久しぶりの読書にはちょうどいい短編。 どうせなら失敗しないようにハズレがない乙一を選択。 この本も色々なバリエーションの短編たち。 ただ全体的にユーモラスな物語が多いように感じた。 猟奇的なホラーはないが短編特有の理不尽さは随所に感じる。 おそらく『神の言葉』『落ちる飛行機の中で』は人気だろうな。 どちらもラストが切ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
血液を探せ! 朝起きたら血まみれ、そんな中輸血の血液を探すのだが、ツッコミどころ満載のコミカルな短編小説でした。面白かったです。 冷たい森の白い家 愛情を貰っていないと、人間は善悪が分からなくなり、冷酷無比になってしまう。 なぜこの人は思いやりがないのだろう、と疑問の余地もない。性悪説を感じた。 Closet 叙述トリックでした。 Whoは分かったがHow は分からなかった。 夜読んでいたが怖くなって読むのやめた。 神の言葉 言霊の力を使いこなす主人公の最悪で最高な結末 途中の世界・主人公が奇妙で、弟にも何か特別な力があるのではと思った 主人公が願い叶った最後の世界が、安堵できるものだとは思えない。毎回テープを聞いて後悔し涙を流す。彫刻で机に傷を付けるとそれを忘れて日常だと錯覚する。この過程の残酷さを、不可逆な彫刻で表すことに凄みを感じた。 落ちる飛行機の中で 血液を探せ!と同じく、シリアスなシーンがコミカルに書かれた脱力系のお話。 まともな人が全然いない。 ずっと次の展開が気になるっ!という状態で読み進めるので、読み終わった後少し寂しい感じがしました。 「一日のうちに二人も殺せないわ……」の真意や伏線が分からないので少しムズムズ(女の子に自分と同じ理不尽な不幸を味わせたくなかった?) むかし夕日の公園で すごく短いのにめちゃホラー
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静かな恐怖をじわじわと感じさせる短編集。 大人向けの怖い童話とミステリが巧妙に織り交ぜられた「冷たい森の白い家」は、無駄を省いた文体が世界観とマッチしていて読み進めるのを止められなかった。 本作も面白かったけど、個人的には『ZOO1』の方が好み。
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「冷たい森の白い家」は、乙一作品ならではの、自分が知らなかった感情を抉り出されるような感覚を味わえます。
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ZOOの続きです。 全体的にホラー感強めなのが良かったです! 気に入ったのは、落ちる飛行機の中でが好きでした!
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単行本『ZOO』(9784087745344)の分冊文庫版・2巻目。単行本でも336ページだったものが2冊組になるとこんなにページが増えるものなのか。文庫の方が字が大きいから?? さて、1に引き続き15年振りに読み返しました。 《血液を探せ!》…ちょっと奇を衒い過ぎな感じ...
単行本『ZOO』(9784087745344)の分冊文庫版・2巻目。単行本でも336ページだったものが2冊組になるとこんなにページが増えるものなのか。文庫の方が字が大きいから?? さて、1に引き続き15年振りに読み返しました。 《血液を探せ!》…ちょっと奇を衒い過ぎな感じが。 《冷たい森の白い家》…薄気味悪いのに美しく、不思議と読んでいる間は雪原の中にいるような、シンとした静謐さを感じた作品。けど赤毛の少女に対してのこの幕の引き方でいいの?とも思う。モヤモヤ。 《Closet》…何度も読み返しちゃったよ。トリック炸裂。けどスペアキーの件は偶然だったって事よな。 《神の言葉》…いいなあこの中二っぽく邪悪な感じ。正直、机のくだりとかはあまりよくわかってないけど、そういう雰囲気への没入を楽しむのが大事、という事で。 《落ちる飛行機の中で》…面白い!墜落する飛行機内という究極の緊張状態かつ時間制限の中で繰り広げられるゆるーく雑な会話劇。なのにハードロックなソウルまで感ぜられる変な作品。人生に絶望し「世界中にいるすべての人間を殺してまわりたい……。」(p199)と希っていた彼が奇しくも救った幾つかの命。こんな形でも人生はままならないなんてね。真っ赤な夕焼けの向こうに消えゆく背中。 《むかし夕日の公園で》…オビで「幻の短編」と紹介される、4ページで終わる極短編。子供時代、部屋の天井四スミの陰には何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、なんかよくわからない雑木林にも何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、風呂で髪を洗っている時や歯を磨いている時も後ろに何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、絶えず何らかの‘モノ’が身の回りに居るような感覚があったものだが、いつしかどこかに忘れてしまった。そんな懐かしさを思い出したやわらかなホラー作品。 なんだか1・2を通して、全体的に腐臭とか死臭とか血の匂いとか、『ZOO』即ち動物園というタイトルらしく臭くて賑やかな作品群だったなあという感想。 長編も読んでみたくなりますね。 19刷 2024.4.14
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