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フェルマーの最終定理 の商品レビュー

4.4

783件のお客様レビュー

  1. 5つ

    407

  2. 4つ

    244

  3. 3つ

    71

  4. 2つ

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2022/06/27

読み終えてしまうのが勿体ないくらい興奮させてくれた。超難しい数学を平易なことばでイメージさせてくれる。300年余り証明できなかったフェルマーの最終定理を多くの数学者が挑戦しどのようにアプローチし挫折したかの軌跡、日本の谷山豊と志村五郎の功績が深く関わっていること、アンドリュー・ワ...

読み終えてしまうのが勿体ないくらい興奮させてくれた。超難しい数学を平易なことばでイメージさせてくれる。300年余り証明できなかったフェルマーの最終定理を多くの数学者が挑戦しどのようにアプローチし挫折したかの軌跡、日本の谷山豊と志村五郎の功績が深く関わっていること、アンドリュー・ワイルズの8年間の粘り強い飽くなき思考、ピエール・ド・フェルマーの天才さが印象的だ。ワイルズは現代の数学テクニックを使って証明したが、フェルマーはそのような数学テクニックがなかった当時どのように証明したのか?(夢想像がが膨らむロマンだ)

Posted byブクログ

2022/07/03

久しぶりにアカデミックな本を読んだ(笑) 素人には非常に難しい題材にも関わらず、自分が読んでも理解できる内容になっている著者の力量には心底感服した。 この著者の他の作品も読んでみたいと思う。

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2022/06/19

読み終えた。 5年前ぐらいに一度挫折した本書だか、この度再戦の末読了した。 数学IIBで終わっている自分にとっては5年経とうが変わらず難しく、正直内容の半分も理解できていない。 それでも、星4をつけたのはタイトルにもある周知の定理の、歴史の一部分を知ることのできた満足感からである...

読み終えた。 5年前ぐらいに一度挫折した本書だか、この度再戦の末読了した。 数学IIBで終わっている自分にとっては5年経とうが変わらず難しく、正直内容の半分も理解できていない。 それでも、星4をつけたのはタイトルにもある周知の定理の、歴史の一部分を知ることのできた満足感からである。 2度と読むことはないだろうけど、本当に読めてよかった。 フェルマーが少し難のある人間で証明を書ききらなかったことで300年以上も解き明かされなかったなんてロマンスの塊だな。

Posted byブクログ

2023/08/06

"その瞬間について語るとき、あまりにも鮮烈な記憶にワイルズは涙ぐんだ。 「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。とてもシンプルで、とてもエレガントで……。どうして見落していたのか自分でもわからなくて、信じられない思いで二十分間もじっと見つめていました。それから、日中は数...

"その瞬間について語るとき、あまりにも鮮烈な記憶にワイルズは涙ぐんだ。 「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。とてもシンプルで、とてもエレガントで……。どうして見落していたのか自分でもわからなくて、信じられない思いで二十分間もじっと見つめていました。それから、日中は数学科のなかを歩き回り、何度も机に戻っては、それがまだそこにあることを確かめました。ええ、ちゃんとありましたよ。私は自分の気持ちを抑えられなくて、とても興奮していました。あれは私の研究人生で最も重要な瞬間です。あれほどのことはもう二度となしえないでしょう」(p.415)"  "私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない"という文句とともに有名なフェルマーの最終定理が、数々の数学者の苦闘を経て、3世紀以上の後に遂に証明されるまでを描いたドキュメンタリー。  本書を読んで抱いた印象は、訳者の青木薫がほとんど代弁してくれている。 "正直言って私は少々むっとした。というのも本書のはじめの方では、数学にくらべて自然科学は劣っている、劣っていると繰り返し強調されているからだ。たしかに証明の厳密さという点では負けるかもしれないが、「自然科学には自然科学のすごさがあるのだ!」と、数学への対抗意識が燃え上がった。(略)これほど美しく、しかも科学の道具としてはおよそ役に立ちそうもない大定理が証明されたのだから、数学者が得意絶頂になるのも無理はない。そう自分に言い聞かせて、とりあえず先に進むことにした。しかしまもなく私は、対抗意識などどこへやら、数学と数学者の世界に引き込まれてしまったのである。(p.486)" 一応大学で物理学を学んでいる身としては、証明が厳密であること一事を以て数学が自然科学に対して優越しているとする気はないが、確かに数学には他の自然科学にはない独特の純粋さがあることは認める。それは、論理とアイデアだけを頼りに、頭脳の中で一個ずつブロックを積み上げていく純粋さである。  フェルマーの最終「予想」がこれほど多くの数学者を惹きつけたのは、その主張が極めてシンプルであることが大きいと思う。主張だけなら、おそらく数学を学び始めの中学生でも理解できる。しかし、それは300年以上もの長きにわたり数学者たちのアプローチを跳ね除けつづけた。 "「その問題はとても簡単そうなのに、歴史上の偉大な数学者たちが誰も解けなかったというのです。それは十歳の私にも理解できる問題でした。そのとき私は、絶対にこれを手放すまいと思ったのです。私はこの問題を解かなければならない、と」(p.37)" 2012年にABC予想の証明を発表した京大の望月教授が若い頃に「シンプルだがその奥に深い構造がある問題に取り組みたい」と口にしていたというのをNHKの特集で見たが、フェルマーの最終予想などはまさにそのような問題の一つだと言えるだろう。  この本には難解な数式など一切登場しない。にもかかわらず、物足りなさは感じなかった。それは、一つにはサイモン・シンの筆力によるものだ。フェルマーの最終定理を巡る歴史をまとめ上げる構成力・表現力は、数多のサイエンスノンフィクションの中でも群を抜いている。また、数式は確かに使っていないのだが、例えば数学的帰納法や背理法といった、なぜ定理の証明がこれほど困難を極めたかを理解するうえで必要な数学の知識は抜かりなく解説しているのは見事である。そして何よりも、最終定理に挑み続けた数学者たちの人生そのものがドラマに満ち溢れているからだ。フェルマーの最終定理の完全な証明を成し遂げたのは、アンドリュー・ワイルズである。だが、この偉業は彼一人に帰されるものではない。各時代の数学者たちが着実に一つ一つ進展を積み重ねていき、次の時代の数学者にバトンのように繋げていく。その様には、本当に圧倒される。読み始めたとき、1995年の出来事を語るのに紀元前6世紀を生きたピュタゴラスから語り起こすのは些か大袈裟に思ったのだが、本を閉じるときには納得させられるのである。  定理が証明される過程で、谷山=志村予想の谷村・志村をはじめとして多くの日本人が重要な役割を果たしたことには、同じ日本人としてとても誇らしく思う。

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2022/05/29

数学者・フェルマーが作った「フェルマーの最終問題」が出題されてから、アンドリュー・ワイルズがその解法を見つけ出すまでの350年間の物語である。その謎が解き明かされるまでに数々の数学者がその謎を解こうと奮闘する姿がとても格好良かったです。途中途中で出てくる数学的に難しい言葉は飛ばし...

数学者・フェルマーが作った「フェルマーの最終問題」が出題されてから、アンドリュー・ワイルズがその解法を見つけ出すまでの350年間の物語である。その謎が解き明かされるまでに数々の数学者がその謎を解こうと奮闘する姿がとても格好良かったです。途中途中で出てくる数学的に難しい言葉は飛ばし飛ばしにして読んでいたものの、その間に挟まる人間ドラマが秀逸でこれが本当に起きていたことのかとおもうととても信じられない気持ちになった。 そして、この問題を解いたアンドリュー・ワイルズがそこにたどり着くまでの8年間もとても面白い。まさか、日本人の提唱した理論がその謎の解明に大きく解明していくことになろうとは…、同じ日本人としてとても嬉しい気持ちになりました。 例えたとえかなわなくても、その熱意が解明に繋がった歴史の積み重ねがとても感動的なものだと思いました。

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2022/05/10

フェルマーの最終定理史を本当に最初から順番に書いている やや冗長だがエピソードが面白いので中弛みせず読めた 暗号解読の本も読んでみたい

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2022/05/17

難しい話ではなく、数学者たちの歴史や努力の跡、数字の面白い偶然など、フェルマー以外の話もたくさん載っている。ピュタゴラス、オイラー、エウクレイデス、ケプラー、アインシュタイン、リーマン予想、私でもふむふむ、そうなんだーって読める。それぞれが数が大好きで、数の不思議やその偶然は偶然...

難しい話ではなく、数学者たちの歴史や努力の跡、数字の面白い偶然など、フェルマー以外の話もたくさん載っている。ピュタゴラス、オイラー、エウクレイデス、ケプラー、アインシュタイン、リーマン予想、私でもふむふむ、そうなんだーって読める。それぞれが数が大好きで、数の不思議やその偶然は偶然なのか、法則があるのか、そして法則が証明できるか、を突き詰めようとしている。素数の不思議や美しさ、も語られていて、  博士の愛した数式 を思い出した。

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2022/04/24

サイエンス・ライターとして至高の域の仕事。常人には想像もできないほど難解なはずの理論を、子供にも理解できるようなコンセプトに落とし込むことで、こんなにも膨大でハイコンテクストな証明の道筋の、その背骨の部分を全くの素人にも理解させてしまう。深い理解力、本質を的確に拾い上げられるセン...

サイエンス・ライターとして至高の域の仕事。常人には想像もできないほど難解なはずの理論を、子供にも理解できるようなコンセプトに落とし込むことで、こんなにも膨大でハイコンテクストな証明の道筋の、その背骨の部分を全くの素人にも理解させてしまう。深い理解力、本質を的確に拾い上げられるセンス、そして解説力の全てを高いレベルで備えていないとできない仕事。知的好奇心が大いに刺激され、非常に楽しい読書体験だった。

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2022/04/20

これはおもしろい。一気読み必至。 数学的な背景が絶妙な難易度で解説されていて、天才数学者たちの苦闘の歴史やヒューマンドラマにドハマりしました。 翻訳も素晴らしい。

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2022/09/28

フェルマーの最終定理を巡る数字者達の冒険小説。そして、数学のドラマティックな歴史物語。 サイモン・シンのプロローグから、読み始める勇気をいただく。 専門的な数学を細かに説明せず、業績の偉大さに焦点を当てようとする。(細くなくてもわからないけどね!) 始まりは、紀元前6世紀。既に...

フェルマーの最終定理を巡る数字者達の冒険小説。そして、数学のドラマティックな歴史物語。 サイモン・シンのプロローグから、読み始める勇気をいただく。 専門的な数学を細かに説明せず、業績の偉大さに焦点を当てようとする。(細くなくてもわからないけどね!) 始まりは、紀元前6世紀。既に神格化されるピュタゴラス。「世界は美しい数でできている」という思想からの研究が数学の黄金期を作る。ピュタゴラス教団の教祖として活躍するが、彼に反する者は抹消される。多くの弟子と共に戦死し、迫害が続く。それが、数学を広めることとなる。 紀元前3世紀、エウクレイデスが、幾何学的知識の集大成 「原論」を。ディオフォントスが、数論的知識を「算術」に編纂する。 このあたりの書物が、、幾たびかの戦闘で喪失され、暗黒時代が続く。 17世紀 フランス人裁判官のフェルマーが、アマチュア数学者として、その才能を発揮。意地悪な天才で秘密主義。論文にも興味無し。「算術」を好み、愛読する。その中でピタゴラスの定理を知り、その上級パターンとしてフェルマーの定理を思いつく。 「驚くべき証明を見つけたが、それを書くにはこの余白は狭すぎる」とんでもないメモを残して、証明を書き記さないで亡くなる。 フェルマーの息子が、「算術」の余白に書き込まれたメモをまとめて出版する。その余白の難問に数学者達が挑む。そして、最後に残ったものが、フェルマーの最終定理となった。そして、証明できないまま300年残ることになる。 まず、18世紀オイラーという計算の天才が挑む。 19世紀ソフィジェルマンとう女性数学者が男子と偽り研究を続ける。 そして、長い間数学の僻地だったであろう日本で、 1955年 谷山=志村予想が発表される。 1984年 ゲオハルト=フライが、フェルマーと谷山志村予想の二つの理論を結合する。 そして、遂に、アンドリュー・ワイズが、10歳の時街の図書館でフェルマーの最終定理と出会い、その証明をすることを決心する。 1986年から独りで研究を始める。6年の月日をかける。過去の理論を駆使して遂に、1993.6.23ケンブリッジにてその成果を発表する。 論文化した後、修正にも苦労するも、1995年修正論文を発表して最終定理に決着をつける。 それはそれは、天才だらけ。不遇の天才も多かった。女性研究者は認められない時代も長かった。 そして、いつの時代も戦争は、文化や業績を簡単に破壊する。 一つの難問は証明されたけれど、まだまだあるみたいですよ。そして、コンピュータによる解析の是非など、数学の世界も終わりが無さそうです。

Posted byブクログ