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本の読み方 の商品レビュー

3.7

133件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

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2014/05/27

これは良書。この本自体をスローリーディングするべき。硬質で清らかな文体は惚れ惚れする。小説よりもある意味文章が生かされているような。決して教条的ではないので、実用性は乏しいが、平野啓一郎の小説に対する姿勢がもっとも興味を引かれる。

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2014/03/18

速読やフォトリーディングの効用が説かれる中で、あえて流れと逆流しているかのようなスロー・リーディングの勧め。 著者は、芥川賞受賞者の作家ということで、納得しました。 速読が効果的なのはビジネス書。小説を速読することは、私にはとても無理だからです。 文章に誇りを持つプロの作家とし...

速読やフォトリーディングの効用が説かれる中で、あえて流れと逆流しているかのようなスロー・リーディングの勧め。 著者は、芥川賞受賞者の作家ということで、納得しました。 速読が効果的なのはビジネス書。小説を速読することは、私にはとても無理だからです。 文章に誇りを持つプロの作家として、読み飛ばしのようなイメージのある速読に物申したいのでしょう。 現代の読者は、速読コンプレックスに陥っていると言います。 「書き手はみんな、自分の本をスロー・リーディングしてもらう前提で書いている」 「かつての人間たちは、みんなスロー・リーダーであり、スロー・リスナーだった」 心血を注いで書き上げた文章を読み飛ばすな、という作者の主張がまっすぐ向かってきます。 言っていることは正論ですが、かなり舌鋒鋭いため、たじたじになります。 たとえば 「速読家の知識は単なる脂肪である。」 「それは何の役にも立たず、ムダに頭の回転を鈍くしているだけの贅肉である。」など。 そこまで言わなくても、と思いますが、それほどプライドを持って書く側にとっては腹に据えかねる風潮なのでしょう。 忙しい日々の中で、効率的に本を読むのは大切ですが、スロー・リーディングはきちんと読書の時間を設けて楽しむもの。 それぞれの読書環境が、少し違うように思います。 速読法を学んでいない自分としては、たしかに巷にあふれる速読法の本は気になります。 ただ、それは小説には向かない読み方だと重々承知しているため、習得しようという気持ちには至っていません。 急いで読んだところで、頭に入らず、結局また読み返さないとダメになってしまうからです。 著者の作品は未読ですが、難解なのだそう。 そうした本は、誰も速読はしないと思いますが。 だからといって、スロー・リーディングはゆっくりならばいいというわけではなく、一定の速度が必要だと説きます。 音読も書き写しもスロー・リーディングには適さず、ゆっくりと読み返すのが最適なのだそうです。 言葉を変え、表現を変えて著者が説くのは、「量より質」ということ。 たしかに多読よりも、少しの本を読み込んで深く理解する方が自分の実になっていきます。 自分のものとすることで、血になり肉となっていく本の情報。 たしかにスピーディな速読では、読後に内容についてあれこれ考える時間も省略されている気がします。 読書は浅く広くではなく、狭く深く。 なかなか激しい文章も見られますが、その主義主張には納得できます。 読み込めず、頭にはいらない時はもちろんのこと、一度読んだ本は再読しての内容確認を心がけようと思いました。 ちなみに、この本に登場したリリーディング(読み直すこと)という言葉を、読書ブログ名に使っています。 ロラン・バルトも大江健三郎もリリーディング推奨派だそうです。

Posted byブクログ

2014/03/05

本を娯楽としてパパパ…と読む私には非常に考えさせられる本。私はパパパと読んで同じ本はよほど気に入ったものでなければ再読しないのだけれど、この本はすでに2,3回読んでます。

Posted byブクログ

2014/02/07

今回この手の速読本は読んだことがあったのですが、そもそも普通に読んでいても実際に頭に入っている実感がとぼしいなと思ったきっかけで、Amazonでこの本を購入しました。実際に読んでいってみると理論はまあどっかで聞いたことのあるようなのが大半なのですが、実践編では名作的な小説を今まで...

今回この手の速読本は読んだことがあったのですが、そもそも普通に読んでいても実際に頭に入っている実感がとぼしいなと思ったきっかけで、Amazonでこの本を購入しました。実際に読んでいってみると理論はまあどっかで聞いたことのあるようなのが大半なのですが、実践編では名作的な小説を今までに味わったことのない深い奥のほうまで読めました。というより今まで全く表面的なところしか読んでいなかったというほうが性格なのだろうけれども。名作の小説を読むところで一つ一つの表現に注目して読む宇読み方はかなり参考になりました。普段あまり読書できていない人は、読書に興味が出たらぜひ読んでほしい一冊です。

Posted byブクログ

2013/12/21

 先日の日経新聞に平野啓一郎氏のショート・エッセイが掲載された。以前テレビでドナルド・キーン氏と対談をしていた平野氏を覚えていた。どんな作品があるのか興味を持っていたところにその記事だったので、ぜひ別の作品も読んでみたくなった。  『速読』といわれるものがはやり出してからどれく...

 先日の日経新聞に平野啓一郎氏のショート・エッセイが掲載された。以前テレビでドナルド・キーン氏と対談をしていた平野氏を覚えていた。どんな作品があるのか興味を持っていたところにその記事だったので、ぜひ別の作品も読んでみたくなった。  『速読』といわれるものがはやり出してからどれくらいの時が経っただろうか。自分も何度か挑戦してみたが全くモノにならなかった。  その挫折感を引きずっていたところ、作家の平野啓一郎氏が「本の読み方 (スローリーディングの実践)」という新書をPHP から出版した。この書でいわゆる『速読』では実のある読書はできないと論破してくださり、全く納得しているところである。  実は平野氏も一時は「速読」ができるかもしれないと挑戦してみたそうだ。しかし速く読んでしかも内容を正確に把握することなど不可能であるとの結論に達した。きちんと読もうとすればするほどゆっくり何度も読まなければいけない。スローリーディングで作者の意図を汲まなければ、その本の内容は理解できないのだ。  作者は一般にじっくり読んでもらう(スローリーディング)ことを前提で書いているものだという。だから書き手の視点で読む、書き手なったつもりで読むことを勧めている。そうすれば「作者の意図」がつかみやすくなり、作品の理解度が高まるということだ。  また後半は何本かの著名な作品をテクストとして取り上げ、具体的にスローリーディングの実践を指導してくれており、これからの読書人生に大きなインパクトを与えてくれたと感謝している。今後はまず手始めに平野氏の作品からじっくりスローリーディングしてみたい。

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2013/11/24
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量より質の読書をすすめる本。印象的だったのは、速読本とは一種の自己啓発本だったという部分と、速読は極上のボルドーを一気飲みすることと同じてはないか?という部分。あと高瀬舟とカフカの橋の考察が面白かった。

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2013/09/16

実践編は参考になったけど、 平野啓一郎本人の作品は、あまり読み込ませてくれない印象だったので、なんだかなあ。 蛇にピアス、読んだ時には気持ち悪さが先に立って解釈する余裕がなかったので、ちゃんと確認できてよかったです。

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2013/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者が「すずらん本屋堂」に出演しているのを観て著者に興味を持ったので、著者の著作の中で一番興味のあった本書を読んでみた。前半は読んでいても参考にならなかったが、実践編は著者が文章をどういう過程を経て分析しているのかがわかって読んでいて参考になった。

Posted byブクログ

2013/06/30

1量から質への転換、基礎編 2誤読のすすめ、魅力的なスローリーディングテクニック編 3古今のテクストを読む、スローリーディング実践編 本があふれたため、速読するようになったが、速読は良くないと説く。贅肉である。先人達は量、多読を薦めているが、速読は勧めていない。速読は自己啓発本...

1量から質への転換、基礎編 2誤読のすすめ、魅力的なスローリーディングテクニック編 3古今のテクストを読む、スローリーディング実践編 本があふれたため、速読するようになったが、速読は良くないと説く。贅肉である。先人達は量、多読を薦めているが、速読は勧めていない。速読は自己啓発本の中に可能なものもある。速い仕事は良くないことが多い。 記憶の領域、メモリーは、意外と少ない。長期記憶に置こうする。そしてじっくり考える味わうことが必要なのだ。 辞書に当たるとは、今は言わないのか?分からない言葉は辞書を引いて確認する。なぜという疑問を持てと言う、より奥に=深く読めという。人に説明する事を前提に読めという、複数の本と比較せよと言う、わが身に置き換えてみよと言う、これらは、内容をよく理解して考えながら、自分の経験(読書も含めて)に照らし合わせて、本の内容を自分のものにせよと言うことではないのか?著者は出来た方法を示す&皆もやれ、それが必要だ。出来そうな感じがする。このあたりの言い回しの巧みさ。 齋藤 、松岡とは違った方向から読んでいるが、主張は同じと見た。 3実践編 こころ 違和感に注目。友情を考えることがテーマと思えた。友情と愛情、先生の死によって美化されるからではないか? 高瀬舟 感情の踊り場とは何なのか?不自然さは読後感じた。足るを知る、とは思わなかった。 橋 誤読の例、勝手な解釈はいかほどのものか? 伊豆の踊り子 知らなかったことばかり。主語が無いのが、実体がなくてよい、あやふや消える。 蛇とピアス 他の作品との比較してしまうことはある。論理的に説明できるのはすごい。 21 「速読の後に残るのは、単に読んだという事実だけだ。スロー・リーディングとは、それゆえ、得をする読書、損をしないための読書と言い換えてもいいかもしれない。」 32 相手の発言をスマートな論じ方、伝える力の池上さんのようなトークの内容と思った。 74 読者が本を選ぶように、本もまた読者を選ぶのである。

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2013/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・私たちは、ともかくも、手にはいる情報を一通り揃えておかなければ、何もできないというような世界に生きている。しかし、そうした時代の文学や音楽が、その分、質的に豊かになったかといえば、誰もが答えに戸惑うだろう。 ・どうやっても過去の世界ぬは戻れないが、子供の頃、お金もないのでじっくり選んで何んども聞いたCDや本の事は、よく覚えているし、今の自分の血となり肉となっている。大人になって大人買いした割には何度も聞いてないアルバムや、必要に迫られてさっと読んだほんとなんて、中身はおろか読んだかどうかすら思い出せないものもある。そんな読書、何にもならない。無意味である。 ・多忙な社会人にとって、じっくりと本を読む時間は、最も手軽で安価なリラックスの時間であり、普段最も疎遠な、自分自身と向き合うための時間である。 ・速読とは、明日のための読書: 大量の資料を明日の会議までに。朝の短い時間でざっと新聞を。 スローリーディングは、今日明日という即効性はないが、5年後、10年後、長い目で見た時に、人間的な厚みを与え、本当に身についた教養を授けてくれる。 ・・

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