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本の読み方 スロー・リーディングの実践 PHP新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | PHP研究所/PHP研究所 |
| 発売年月日 | 2006/09/01 |
| JAN | 9784569654300 |

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商品レビュー
3.7
133件のお客様レビュー
本書は、芥川賞作家である平野啓一郎氏が、一冊の本にできるだけ時間をかけゆっくりと読む「スロー・リーディング」を本の読み方として提唱したものです。 速読術に関する書物で溢れ、何を読みどう感じたかという読書の質よりも何冊読んだかという読書の量が重視されることがしばしばある昨今ですが...
本書は、芥川賞作家である平野啓一郎氏が、一冊の本にできるだけ時間をかけゆっくりと読む「スロー・リーディング」を本の読み方として提唱したものです。 速読術に関する書物で溢れ、何を読みどう感じたかという読書の質よりも何冊読んだかという読書の量が重視されることがしばしばある昨今ですが、小説を読んでも文字面を目で追うに終始してしまうのでもっと深く読めるようになりたい、書籍やブログ等で見かけるような考察をできるようになりたい、そう考える方には本書がおすすめです。 前半はスロー・リーディングに関する解説、後半は夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』フランツカフカ『橋』等の作品を用いた実践編となっています。 特に、三島の再来と言われ、三島由紀夫の作品、思想、行動を研究し続けた氏が論じる『金閣寺』のパートは必見です。 本書では、「誤読」にも二種類あり、言葉の意味や論理を理解できていないた「貧しい誤読」と、熟読の上で作者の意図以上に興味深い内容を探り当てる「豊かな誤読」があると述べられています。 国語教育について、正解がないものを画一的に成否判定するのはおかしいという意見を耳にすることがありますが、学校教育で培われるべきは前者の誤読をしないための力、物語を味わうに存分に発揮されるはず後者の力、この力はそれぞれ別物なのだという点を念頭に置くことが肝要なのだと感じました。
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「本くらいはゆっくり時間をかけて読みたい」と、平野氏は主張します。一日にほんの僅かな時間でも、スロー・リーディングをすること。なぜ?という疑問を持ちながら、読み飛ばさずに考えながら読むスロー・リーディング。それは、五年後、十年後の豊かな人生に繋がります、と。 具体的は、人に話す...
「本くらいはゆっくり時間をかけて読みたい」と、平野氏は主張します。一日にほんの僅かな時間でも、スロー・リーディングをすること。なぜ?という疑問を持ちながら、読み飛ばさずに考えながら読むスロー・リーディング。それは、五年後、十年後の豊かな人生に繋がります、と。 具体的は、人に話すことを想定して読むこと、感想をブログに書くこと、の二つが挙げられていました。本を紹介しようという意識が働くため、しっかりとした理解が必要になるのです。ということは、ブクログはとても素晴らしい場だということですね。 なるほどと思った箇所がありました。「同じ映画を何度も見る人はいるが、同じ本を何度も読む人は少なくなってきている。本は “再読” することに価値がある。読むたびに新しい発見をし、新しい自分自身を発見する」たしかに、気に入った映画や、「あれ、どういうことだったんだろう?」と疑問に思うシーンがあるドラマは何度も観返します。本でいえば、『1Q84』(村上春樹)や、『楽園のカンヴァス』、『美しき愚か者たちのタブロー』(原田マハ)なんかは、もう一度読みたくて再読しました。一回目では分からなかったことに気づいたり、思わぬところで感動したり…自分が変化しているのを感じるのも楽しいです。 第3部の実践編では、夏目漱石の『こころ』や森鴎外の『高瀬舟』など、八作品が取り上げられています。ここでは、仕込まれている作者の意図の種明かしが、具体的に紹介されます。例えば、敬称や助詞の使い分け、間の空け方の工夫、接続詞の重要性など。丁寧に読み進めると開けてくる世界。それが実感できるワクワクを感じました。ただ、後半に向かうにつれ、理屈が先に立つところがあって、「読み飛ばし」ちゃいましたが…。 読み方に正解はない、と平野氏も本書の中で語っておられましたが、ゆっくり読むことの楽しさを感じさせてもらえる一冊でした。
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「本をゆっくり読む覚悟」 平野先生が芥川賞を受賞したのは自分が大学生のころであったと記憶している。ミーハー根性で読んだは良いが、講師から感想を問われ、「よく分からなかったっす」と答えたものだった。そんな読書ならあまり意味がない。 自分もいくつかの速読法に挑戦し挫折してきたが、京...
「本をゆっくり読む覚悟」 平野先生が芥川賞を受賞したのは自分が大学生のころであったと記憶している。ミーハー根性で読んだは良いが、講師から感想を問われ、「よく分からなかったっす」と答えたものだった。そんな読書ならあまり意味がない。 自分もいくつかの速読法に挑戦し挫折してきたが、京大出身で三島の再来といわれた俊英の平野先生も同じだったとは。 そんな平野先生が唱えるのが「スローリーディング」本をゆっくりと深く読むというメソッドである。 優れた作品(主に小説を想定してます)にはおそらく「主題」が隠されていて、それを読み解く営為だと、自分は考えている。個人的には分かりやすさと豊穣さは反比例すると思う。 昔「希望の国のエクソダス」を読んだときに、構造的になにかメッセージがありそうだったのに読み取れないもどかしさを感じたものであった。やはり本はゆっくりよまないといかんな。 一方で本を早く読みたいという誘惑は強いのも事実だ。きっと定量的に比較、管理ができること、それを元にマウントが取れることが今の時代とマッチしているのかもしれないなあと思った。 してみれば「ブクログ」はスローリーディングをする上で便利なツールである。アウトプット前提で読むと読解は深まるし、あまり本に書き込みをしたくない自分としては読書メモが取れるのはありがたい。 ただ反面、速読の誘惑に絡め取られる危険性も孕んでもいる。自分は年52冊を目標としているが、後半薄い本ばかり読んでしまい本末転倒だった。何のための読書だ。 「分かっている人たち」の深い読み解きも非常に興味深く面白いのだが、それすら「早わかり」≒「速読」に陥る危険はある。 ゆっくり読むには覚悟が要るのだなと思った。
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