1,800円以上の注文で送料無料

ボトルネック の商品レビュー

3.5

163件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2009/10/04

米澤穂信三冊目。今のとこ、今必要な小説をわかりやすく丁寧に書いている作家、というイメージを持っています。この内容はハッピーエンドにしてはいけないのだ、という辛い選択を見ると、とても意識的に書いているのだなぁ、と思わずにはいられない。でもなんとかして「幸せ」にもっていって欲しかった...

米澤穂信三冊目。今のとこ、今必要な小説をわかりやすく丁寧に書いている作家、というイメージを持っています。この内容はハッピーエンドにしてはいけないのだ、という辛い選択を見ると、とても意識的に書いているのだなぁ、と思わずにはいられない。でもなんとかして「幸せ」にもっていって欲しかった。

Posted byブクログ

2010/02/06

自分が産まれなかった代わりに嵯峨野家にはサキという女の子が産まれていた、そんな世界に迷い込んでしまった主人公の嵯峨野リョウ。しかもその世界には、リョウの世界では不和の状態であった家族たちが仲睦まじく暮らしている。死んでしまった兄が、好きな女の子が、食堂のお爺さんが生きている。自分...

自分が産まれなかった代わりに嵯峨野家にはサキという女の子が産まれていた、そんな世界に迷い込んでしまった主人公の嵯峨野リョウ。しかもその世界には、リョウの世界では不和の状態であった家族たちが仲睦まじく暮らしている。死んでしまった兄が、好きな女の子が、食堂のお爺さんが生きている。自分という存在が無くサキという存在があるだけで、これほどまでに違う世界が築かれているという事を知ったリョウは、どんなに居た堪れない気持ちだったでしょう。そして好きな女の子についての真実をサキに知らされた時も…。とても痛々しかったです。 何度も読むのを止めようかと思いましたが、何とか最後まで読み進めました。あまりにも絶望的なラスト、救いようの無い物語だとは思います。でも、爽やかで前向きなものばかりが青春小説ではないんですよね。こういう苦しいほど切なくて痛々しいものも(SF的要素は除くとして)、またひとつの青春小説の形であるわけで。そういった現実を教えてもらったような気がします。読んでいる最中は苦しかったけれど、やっぱり読んで良かったと、いまは思っています。

Posted byブクログ

2009/10/04

17日初見。      米澤穂信にしては珍しい、文芸的な作品でした。でも良かったー。個人的には『古典部』のほうが好きなんだけど。そういえば『このミステリーがすごい!』に『夏季限定』が入ってたネ。       一つの出来事が『可能』←→『不可能』に別れるって言うのはわかりました。そ...

17日初見。      米澤穂信にしては珍しい、文芸的な作品でした。でも良かったー。個人的には『古典部』のほうが好きなんだけど。そういえば『このミステリーがすごい!』に『夏季限定』が入ってたネ。       一つの出来事が『可能』←→『不可能』に別れるって言うのはわかりました。それを綺麗にリョウとサキの特性?とか事件?とを使って書き分けられてた。凄い。

Posted byブクログ

2009/10/07

ラストが重かった。間違い探しの中で、最大の間違いが何だったのか。それを知った時、絶望の淵に立たされる。最後のシーンで、誰かの一押しさえあれば、結論が出る、、そんな時に着信した1通のメール。うっすらと笑ったリョウは、何を思ったのだろう。

Posted byブクログ

2009/10/07

僕は、東尋坊の崖下へ落ちた。―はずが、金沢の街中にいる。自宅には存在しない「姉」がいる。自分が存在することって何だろう…。

Posted byブクログ

2009/10/04

こういうオチありなんだ!て、そんなどんでん返しではないのだがこういうパターンでこうくるとは…ただの青春異世界ものに収まらない。

Posted byブクログ

2009/10/04

東尋坊に亡くなったかつての恋人の弔いにきていた主人公が、何かの力によって「もう1つの世界」に飛ばされ、自分が存在せず、自分の代わりに今の世界では死産だった「姉」の存在する世界を体験する話。 上だけ読むと、安っぽいB級な本かと思いがちですが、(実際、あたしも期待しないで読んだ。...

東尋坊に亡くなったかつての恋人の弔いにきていた主人公が、何かの力によって「もう1つの世界」に飛ばされ、自分が存在せず、自分の代わりに今の世界では死産だった「姉」の存在する世界を体験する話。 上だけ読むと、安っぽいB級な本かと思いがちですが、(実際、あたしも期待しないで読んだ。) 安っぽいどころか、「自分の存在ってなんなんだろう」と悩みまくる主人公等、内容的には充実してます。考えさせられます。 思いのほか重い内容で驚いたし、「な、なんなんじゃこりゃ。」と最後思ってしまったし、好き嫌い分かれる作品かなと。 主人公が辛い。 読んでて痛い。 すっきり感は求めない方がいいかもと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

2006/10/07購入。2006/10/10読了。なんか一時間掛からずに読めた。 米澤穂信の最新作。彼の作は概ね安心して読める(『犬はどこだ』以外)ので、作家買いすることに決めています。今回も、大当たりではなかったですが、佳作でした。 主人公が目が覚めたとき、そこは自分が生...

2006/10/07購入。2006/10/10読了。なんか一時間掛からずに読めた。 米澤穂信の最新作。彼の作は概ね安心して読める(『犬はどこだ』以外)ので、作家買いすることに決めています。今回も、大当たりではなかったですが、佳作でした。 主人公が目が覚めたとき、そこは自分が生まれなかった世界で、存在しないはずの姉が、自分の代わりに17年間を生きていた。じゃあ、世界はどうなってるの?というお話、なんだろうか。 読みつつ、非常に辛かった。これは厳しいお話です。主人公は、これは言ってしまうと身も蓋もないんですが、流行の没個性者、そして出会う女性ははつらつタイプ、周りを幸せにしてしまう女性、そして頭の回転も良い(まあ、「出会う」と言っても姉、なんですが)。そんなありがちなラノベかと思いきや、取り扱ってるのは非常に痛い、自分が世界に存在するせいで、世界はどういう方向に曲がってしまうのか、ということを辛辣に描いている。結構堪えました。 文章自体は好きなラノベ、という感じで、ちょっと捻くれてる以外は概ね良好。いわゆるifものなんですが、展開にもいろいろひねりがきいていて楽しめました。

Posted byブクログ

2009/10/04

読んで非常にヘコんだ。 米澤作品はいつも何かしら「痛さ」を感じさせてくれますが 今回のは中でもぴか一だった…面白かったですけどw

Posted byブクログ

2011/08/01

読みながら何度も「痛いっ」と胸を押さえてました。苦しいですね。辛いですね。悲しいですね。うううむ 読後しばらくどうやって消化しようかと考え込んでしまった。ラスト一行について「救いのない」「打ちのめされた」という感想が多かったけれど 私は逆にこの一行でリョウは救われたんじゃないかと...

読みながら何度も「痛いっ」と胸を押さえてました。苦しいですね。辛いですね。悲しいですね。うううむ 読後しばらくどうやって消化しようかと考え込んでしまった。ラスト一行について「救いのない」「打ちのめされた」という感想が多かったけれど 私は逆にこの一行でリョウは救われたんじゃないかと思う。この一行で元の世界へと戻っていけるんだと そう思う。存在自体を無いものとして扱われるよりも たとえそこに悪意や敵意があったとしても、何かのつながりがあればそこから何かを変えていける可能性はあるのじゃないか。そんなかすかなほのかな光を見たような気がした のは 私だけ?

Posted byブクログ