転がる香港に苔は生えない の商品レビュー
中国返還前後2年間の香港を体験した記録。 香港人の友達とすれちがい、喧嘩、古いアパートは問題だらけ、移民の友人、近所のカフェの美少年。。 本当の香港、この国の生命力がわかる。 次に香港に行く時は今までと違う香港が見える気する。
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1997年の中国返還前後の香港に暮らした記録。 2024年の今、ちょっと旅行したくらいでは分からない、地に足のついた香港の姿を知る。特に、中国本土からの移民など地べたの話がとても興味深い。 筆者の青さも含めて、五つ星。
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長らく積ん読になっていたのは600頁超という量におののいていたのと、1997年と四半世紀近くも前の返還前後のことをいまさら読むのもどうかなと思っていたから。ところが、読み始めると面白くて、どんどん読み進めていけた。四半世紀前の普通の(中の下くらい?)の生活感が何となく味わえる感じ...
長らく積ん読になっていたのは600頁超という量におののいていたのと、1997年と四半世紀近くも前の返還前後のことをいまさら読むのもどうかなと思っていたから。ところが、読み始めると面白くて、どんどん読み進めていけた。四半世紀前の普通の(中の下くらい?)の生活感が何となく味わえる感じがする。騒がしくてバイタリティがあり、大陸人の生きにくさがあり、香港人の生きにくさがあり、隣の人の生活や人生を見聞きしているような近さを感じながら読んだ。 そして、返還前後の香港の空気感を確認できたのもよかった。中国に返還されることによる楽観論も悲観論も右往左往していたあの頃。25年くらいがたって、いまの香港のことを思えば悲観論が勝ってしまったような気がする。ただ、それでもきょうも香港は生きて転がり続けているはず。 この本に出てきた著者の友人・知人の人たち、いまはどうしているんだろう。特に子俊とか肖連といった若い人たちのその後を知りたい。
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著者が留学生以来10年ぶりに香港に住みつき返還前後の二年間の香港生活を洞察力、若さと行動力で見事に書き上げた、渾身の一冊。
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返還前に香港に添乗員として何回か 訪れていたのであの時の躍動を舞台裏から知る事が出来た。ちなみに当時の社内では国内旅行は伊豆に始まり伊豆で終わると言われ、海外旅行は香港に始まり香港で終わると言われていた。深夜特急もそんな感じですよね。 自分の失敗もさらけ出して記述頂いて おり文章...
返還前に香港に添乗員として何回か 訪れていたのであの時の躍動を舞台裏から知る事が出来た。ちなみに当時の社内では国内旅行は伊豆に始まり伊豆で終わると言われ、海外旅行は香港に始まり香港で終わると言われていた。深夜特急もそんな感じですよね。 自分の失敗もさらけ出して記述頂いて おり文章にとても信頼感が持てた。 いつかまた行ってみたいと思った。
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香港返還前後に住んだ筆者のフィールドワークである。500ページを超える大著なので、文庫本も厚いと思われる。香港に行く前にこの本を読むと、観光でない香港が味わえるであろう。ガイドブックにもこの本をお勧めで掲載した方がいい。 フィールドワークでの推薦本やテキストでは紹介されていない...
香港返還前後に住んだ筆者のフィールドワークである。500ページを超える大著なので、文庫本も厚いと思われる。香港に行く前にこの本を読むと、観光でない香港が味わえるであろう。ガイドブックにもこの本をお勧めで掲載した方がいい。 フィールドワークでの推薦本やテキストでは紹介されていないのは大著であることと関係するのかもしれないが、沢木耕太郎の一瞬の夏も大著であるがフィールドワークとして詳細している。一瞬の夏というボクシングというスポーツを扱うよりも、この転がる香港の方がフィールドワークとして適していると思われる。
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これまた、『地図のないところで眠りたい』で推薦されていた本。丸善の秋のブックフェアでも推薦されており、この度手にした本。 自分が好きなものへの距離の取り方、そしてその表現の仕方が絶妙である。 いくら香港のことが好きだからといって、人間だもの、時にイライラさせられることもあるし...
これまた、『地図のないところで眠りたい』で推薦されていた本。丸善の秋のブックフェアでも推薦されており、この度手にした本。 自分が好きなものへの距離の取り方、そしてその表現の仕方が絶妙である。 いくら香港のことが好きだからといって、人間だもの、時にイライラさせられることもあるし、もう嫌だと思わせられることもある。でもやっぱり好き、そんなもどかしい感じが全編に貫かれており、そのもぞもぞした感じを楽しみながら読み耽った。 本棚において、何度でも楽しみたい一冊だ。
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最高でした 台湾の喧騒を思い出す、また行きたくなるけど、この本で思い出せそうな気がする 何度でも読み返したい
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あらゆる出来事や物に対する、星野さんの繊細で暖かく、時にハッとさせられる洞察力に感嘆。 星野さんがその目を通じて見たもの、感じたことが、丁寧に丁寧に書かれています。 正直、読んでいると香港の街はなんて生きづらく、香港人と接するのはとても苦労するな…なんて思うことはたくさん!笑 ...
あらゆる出来事や物に対する、星野さんの繊細で暖かく、時にハッとさせられる洞察力に感嘆。 星野さんがその目を通じて見たもの、感じたことが、丁寧に丁寧に書かれています。 正直、読んでいると香港の街はなんて生きづらく、香港人と接するのはとても苦労するな…なんて思うことはたくさん!笑 でもそれと同じくらい、魅力に溢れる場所であり、力みなぎる人々なんだと思わせてくれる。それはひとえに、星野さんの力でもあります。 面白かった!他の作品も読みたい!
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勤める業界のOBが勧めていて手に取った。 4ページ目で、筆者が香港の返還を北極星に例える描写がロマンティックで、それなのに華美ではなくて、この本は絶対に面白い、素晴らしい本を手に取った、と確信した。 実際に、うんざりしつつもどうしようもなく香港に惹かれている筆者による香港の喧...
勤める業界のOBが勧めていて手に取った。 4ページ目で、筆者が香港の返還を北極星に例える描写がロマンティックで、それなのに華美ではなくて、この本は絶対に面白い、素晴らしい本を手に取った、と確信した。 実際に、うんざりしつつもどうしようもなく香港に惹かれている筆者による香港の喧騒の描写が素晴らしかった。香港の様子がありありと思い浮かんだ。 この本に出てくるエリートや密航者、街の飲食店に勤める人々はいまどうしているだろうかと思わずにはいられない。いまどこで過ごし、いまの香港の現状をどんな風に受け止めているんだろう。
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