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転がる香港に苔は生えない の商品レビュー

4.5

45件のお客様レビュー

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2011/11/30

 香港がイギリスから中国に返還されたのは1997年7月。大学時代、交換留学で香港に1年滞在した著者は、返還日には必ず香港にいよう、と決意していた。返還前のバブルやお祭り騒ぎ、そして返還後の経済危機やインフルエンザ騒動など、驚くほど浮き沈みの激しい香港で2年過ごした著者。故郷の妻子...

 香港がイギリスから中国に返還されたのは1997年7月。大学時代、交換留学で香港に1年滞在した著者は、返還日には必ず香港にいよう、と決意していた。返還前のバブルやお祭り騒ぎ、そして返還後の経済危機やインフルエンザ騒動など、驚くほど浮き沈みの激しい香港で2年過ごした著者。故郷の妻子に仕送りを続ける密航者、カナダから戻ってきたエリート、カフェで働く美少年など、さまざまな人々に出会い、香港をより深く考えるようになる。  香港のたくましさ、したたかさは短期間旅するだけでも感じることができるけれど、この本を読むと、それだけでは知ることのできない、切実な毎日を生きる香港の息づかいが実感できる。返還されて14年経って香港がどう姿を変えたか、今の姿と比べながら読むのも面白い。

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2011/04/18

香港に行ったことがある人なら、面白いだろうが、 とにかく長い。 1998年香港返還の年に読めば また 違った緊迫感があったろうに。 大宅壮一ノンフィクション文学賞受賞作は、分量が 多いので、読むのに 一苦労するものも多いですね。

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2010/09/07

香港に住んでるんだから、読まなきゃとずっと思ってたこの本を3年目にしてやっと読んでみた。600ページもあるのも手を付けなかった原因なんだけど、読んでみたらあっという間に読めた。100ページ読むのはあっという間で、読みやすかった。本の分厚さが作者の香港・中国への愛情を感じる。 読ん...

香港に住んでるんだから、読まなきゃとずっと思ってたこの本を3年目にしてやっと読んでみた。600ページもあるのも手を付けなかった原因なんだけど、読んでみたらあっという間に読めた。100ページ読むのはあっという間で、読みやすかった。本の分厚さが作者の香港・中国への愛情を感じる。 読んでみて、それまで考えたことのなかった、移民の人たちの苦労がわかったり、苔が生えない香港の転がりようもよく分かった。単一民族で苔がむすまでの日本とは正反対なんだと。 勤勉で競争力があって、マネーゲーム好きな背景がわかる。 あと、マイ・コーヒーに行ってみたい。 喧騒な町中に着陸する昔の空港も気になった。

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2010/05/05

香港返還時の香港滞在記。 この作者の作品の中では一番面白いと思う。 妙に感傷的であったり、若さゆえ(?)の尖った部分があったりするが、 あーそういうの分かる分かると逆に共感できる部分も。 中国好きだったら読んで損はない一冊。

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2010/08/23

香港返還を跨いだ滞在記。 女性特有のというのかどうかわからないけども感傷的すぎる感じはあるのでところどころ何だこの臭さは…と思いながら読んだ。ただ、ひとつの街に夢中になって先走る感情を抑えきれない感じなら経験があるのでまあまあ共感できる。 大陸人と香港人ではお互いに違う人種と考え...

香港返還を跨いだ滞在記。 女性特有のというのかどうかわからないけども感傷的すぎる感じはあるのでところどころ何だこの臭さは…と思いながら読んだ。ただ、ひとつの街に夢中になって先走る感情を抑えきれない感じなら経験があるのでまあまあ共感できる。 大陸人と香港人ではお互いに違う人種と考えているようだけどどっちも同じぐらい猛々しいと思う。図々しさがなければ大陸でも香港でも生きていけない。「賭博をしない男にいい男はいない」という言葉の説得力は後にも先にもこの読書でだけ自分に響くのだと思う。 さまざまな背景を持つ人間が状況の変化に対応しながら常にどう立ち振る舞えば生き延びられるかを考え、いつまでも気が休むことはない。カオスの街で誰もが終わりのないサバイバルゲームをやっている。流れに身を任せる生き方でなんとかなる街ではない。終章で著者は苔の生すまで巌となる日本は安全であり苔のつく暇もなく転がり続ける香港は安全ではないと書く。600頁を超えるいくつものエピソードはそれぞれ気ままに書かれたようでもここでタイトルと係ってすべてきっちり収まってしまうあたりなかなか秀逸。それにして現地で就労するわけでもなくこんなにたくさんの人としっかり繋がってしまえる著者はすごい。

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2009/10/04

香港返還前後2年間、香港の街に暮らし、そこに生きる人々を真正面から捉えた。 第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 読み応えありました。面白かった・

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2009/10/04

香港?香港! 始めて香港にいったのが確か99年で、すでに返還されたあとだった。 次にいったのは02年、変わったようには見えなかった。 そのとき僕と彼女の距離は15センチ、とか書きたかったけど、返還前と後では香港は決定的に変化していて叶わなかった。

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2009/10/04

中国返還前夜の香港での体験記。 タイトルはうまいと思う。日本人は「転石苔を生ぜず」というと、悪い意味にとらえがちだが、香港の人は常に高い所を目指して突き進む。終の棲家を求めるのか。それとも絶えず発展を求めるのか、という違いだ。 感傷的になりすぎている所もあるが、主張は一貫している...

中国返還前夜の香港での体験記。 タイトルはうまいと思う。日本人は「転石苔を生ぜず」というと、悪い意味にとらえがちだが、香港の人は常に高い所を目指して突き進む。終の棲家を求めるのか。それとも絶えず発展を求めるのか、という違いだ。 感傷的になりすぎている所もあるが、主張は一貫しているし香港の人々の生活が直接的に描かれていて良い。

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2011/09/03

『謝謝チャイニーズ』が面白かったので、思わず購入。返還前の香港のことが書かれている。1997年に香港が返還されたことは知っていたけれど、街の人がどんな風かなんてことはもちろん知らなかったし、香港気質なんてことももちろんわからなかった。異文化に触れられたというか、所変われば人の考え...

『謝謝チャイニーズ』が面白かったので、思わず購入。返還前の香港のことが書かれている。1997年に香港が返還されたことは知っていたけれど、街の人がどんな風かなんてことはもちろん知らなかったし、香港気質なんてことももちろんわからなかった。異文化に触れられたというか、所変われば人の考え方は違ってその背景には事情があるということがよくわかっって面白かった。

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2012/08/16

そのタイトルをみて、なんだかとてもドキドキしてしまい手にした一冊。 中国返還頃の香港にひとり赴いた星野さん。 学校に通い生活をして、香港という街の複雑さと、人の強さを記しています。 結構な頁数だったように思うけど、引き込まれました。 同年代で、写真家である星野さんですが、文章も好...

そのタイトルをみて、なんだかとてもドキドキしてしまい手にした一冊。 中国返還頃の香港にひとり赴いた星野さん。 学校に通い生活をして、香港という街の複雑さと、人の強さを記しています。 結構な頁数だったように思うけど、引き込まれました。 同年代で、写真家である星野さんですが、文章も好きです。 「銭湯の女神」もお奨めです!

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